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第5話【空星魔術師(ディメンション)】

「この子が『六星魔術師(アルカナ)』のメンバー!?」

「想像してたがそれを超えるくらいいい反応をするな」


紡は驚いた表情をして叫んだ

それの紡の声に驚いた猫達はみんな走り去って行ったのだが1匹だけは俺の膝に残って眠っていた

俺はその猫を撫でてから紡に再度説明を始めた


「え〜っと、さっき説明した通りこの子が『六星魔術師(アルカナ)』のメンバーで空間系の能力を操る【シエル】こと「諸星(もろぼし) 結菜(ゆいな)」だ」

「初めまして、お兄ちゃんから話は伺っています。あなたが『浅原(あさらは) (つむぎ)』さんですよね?」

「え、ええそうですけど…なんでまたあおいくんが私の事を教えていたの?」

「私は空間系の特性使いです。それは『重力操作(グラビティ)』や『精神遠隔感応(テレパシー)』などが該当している能力のことです、そしてお兄ちゃんからは『俺の知り合いに同系統の能力使いがいる』ということを教えられましたので少し調べさせて頂きました」

「なるほど…そういう事だったのね」


俺は結菜が海外に行く前に紡のことについて話したことがある。それは紡が同系統の特性を持っていてその最上位の結菜から能力の使用方法を学べばさらに強力になるのではないかと思ったからだ

というのも空間系の特性使いは他の特性に比べても数が少なく扱いが難しいのだ


「ですが私自身は『精神遠隔感応(テレパシー)』をメインで使わないためあまり参考にはならないのですが」

「そういえば『六星魔術師(アルカナ)』の人達ってこれだって言う感じの特性名とかって無いの?」

「ある事にはあるんだが他の特性使いとは違って1つのことに絞った特性じゃなくて総括した特性を持っている奴らだから括りが難しいだよ」

「でもあるんだ」

「まあな」


一応俺の特性にも通常とは違い自分で付けた名前があるのだが何しろそれを公言する理由もないわけなので今まで教えたことはなかった

ちなみに俺の能力の名称は【泡沫(ハイドロ)(ノイズ)】という


「それで結菜、今日はなんで呼び出したんだ?」

「あ、そういえば本題を忘れていました。今回はこちらをお兄ちゃんにお知らせしたくて」


そう言うと結菜は椅子に置いてあったカバンの中からタブレット端末を取り出して俺に画面を見せてきた

その画面には「六星魔術師のメンバー全員を招集。」という文字だけが書いてあった


「…このくっそ適当な指令は恐らくあの口下手な闇野郎だろうな」

「大正解。でもこの指令の内容はきちんと真面目な物」

「え〜!この日はオフの日だったのに〜!!なんでこの日に限って任務入るのかな…」


画面を覗き込むように見るシルフィは下に書いてある日程を見て肩落としていた


「最重要命令ということですので仕方ないですね。後のメンバーにはもう声掛けが済んでいるので」

「やっぱり仕事が早いね〜ゆいなちゃんは」

「これくらいは当然です」


結菜はシルフィに褒められても表情を変えずに当然な事のような立ち振る舞いをしている

ほんとに中学生なのかと疑うところはあるがこの大人びている感じが結菜の真面目さに反映されているのだと思う


「…でシルフィさんの特性はどんな名前なんですか?」


結菜の話を聞き終わってから少し休憩している時に紡がシルフィにそんな質問をした


「私の特性の名前?え〜っとね…【烈風(テンペスト)(ノイズ)】っていう名前だよ」

「へぇ〜かっこいい名前ですね!」

「『六星魔術師(アルカナ)』のメンバーの特性名はメンバーの戦い方とかに影響した名前が付けられがちだからね〜私は暴れまくるから荒れてる名前だけどアクアの【泡沫(ハイドロ)(ノイズ)】なんかは暗殺みたいに静かに戦うからこんな名前になったんだよ」

「なるほど〜」

「ちなみに私の特性名は【釁隙(ディメンション)(ノイズ)】という名前ですね」

「なんかかっこいい名前でいいな〜私の『精神遠隔感応(テレパシー)』もそんな名前付けれないのかな」

「『六星魔術師(アルカナ)』になったらつけれるかもな」

「じゃあ無理じゃん…」

「そんなことは無いぞ、今から空間系の能力を結菜に教わったら将来的にはなれるかもしれないからな」

「お兄ちゃん、私人に教えるの苦手…」

「そう、さっきから気になってたんだけどなんで結菜ちゃんはあおいくんの事をお兄ちゃんって呼ぶの?」


紡はようやくそこに疑問を持ったようだ

紡のことだから初めから違和感を持って質問を投げかけてくると思っていたのだが結菜が『六星魔術師(アルカナ)』だと言うことに驚きすぎてその事になかなか気が付かなかったようだ


「たしかに俺もなんでそうやって呼ばれてるのか聞いたことないな」

「それはですね、昔私はお兄ちゃんに助けられたことがあるんですよ。まだ能力が覚醒していない時にお母さんと一緒にいた銀行に強盗が来たんです。そしてその犯人が人質にと私に銃の先を向けてきた時にお兄ちゃんが助けてくれたんです」


思い出した。それは俺がまだ中学2年生の時にまだ「学園防御委員(イージス)」の育成生として任務に当たっていた時に郊外の銀行強盗の対応をしたことがあった

その時に人質として捕らえられていた子を助け出したのだがたしかにその子は結菜と同じ銀の髪に水色の目をしていた

そしてその時のことで俺を兄のように慕っているようだ


「へ〜そんな事が…あおいくんかっこいいじゃん」

「昔の事だ。あの時は数人けが人が出てしまったからな、今ならけが人を出さずに解決することもできるって思うとまだまだ幼かったと思う」

「普通に考えて中学生が銀行強盗を単独で解決するのがおかしいんだからね」


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