第3章 堕落した勇者 第1節 王都での店の視察と魔力永久機関の秘密
俺は王都にきていた。自分の開発した魔道具の調査にきていたのであった。なぜそんなことをするのかというと魔道具に改良のよちがないか調べていたからである。
どうやら俺の魔道具は好評のようで飛ぶように売れていたらしい。店の主人たちからも聞いたがすぐ品薄になるらしい。
一応量産体制は整えてあるが、生産がおいついていないらしい。俺の魔道具は一応一般の魔導士でも生成できるように改良はしているが、初期の方は意外と難しいのである。
魔道具の開発そして、その魔道具を一般の魔導士でも生産できるように改良する。この工程の繰り返しである。
この一般向けの魔導士の魔道具作成の行程も作品をヒットさせる秘訣でもあった。だって俺しか使えないなんてなったら儲からないだろ。だから一般向けに改良を重ねているのである。
改良を重ねるときは数か月というときもあれば魔導書のヒントから数週間でできるときもある。開発の行程の期間は違えども俺は一攫千金をはたしていたのであった。
しかし、この魔法にもルールがある自然から魔力を使って使用とする方法だ。これは自然の法則を無視して行われ環境破壊へと向かうのである。魔導書の中でもこういった外道の魔法もある。
自然から魔力を使うことで膨大な魔力をえて使う魔法は非常に強大であり、悪質なものばかりである。自然にも精霊というものがいるが、その精霊から魔力を奪い取ることになり、精霊信仰の
強いこの世界では自然から魔力を借りるということは精霊への冒涜であり、禁忌とされているのであった。だから一般的な魔導士は自分の体内にある魔力を使って魔法を使用するのである。
しかし、この精霊魔法を使用して膨大な魔力で猛威を振るっているのが魔族なのである。精霊信仰の強いこの世界でそれを使用する魔族はもはや敵の何物でもない。だから、勇者が必要なのである。
勇者とは精霊から恩恵を受けて精霊魔法を唯一使ってもよい存在なのであった。勇者と魔族の精霊魔法には違いがある。勇者の使う精霊魔法は精霊の加護つまり、精霊の力を活性化させるものであり、
魔族の使う精霊魔法は精霊から無理やり魔力を奪い取るいわば、命を吸い取って使用する魔法なのである。このように精霊魔法が禁忌となるのは当たり前であった。
ではなぜあの時勇者が俺との決闘で精霊魔法を使わなかったのか。それは理由がある。精霊魔法を使用するときは人間ではなく、魔族のみにだけ許された力だからである。だから勇者は精霊魔法が使えなかったのである。
あのとき言い訳で「精霊魔法がお前につかえてれば勝てたはずなのに。」と負け惜しみをいってたことを思い出した。しかし、なぜ俺は魔力を永久機関のように無限に使えるのかそれは体質だけではなく子供のころから
俺には精霊が見えており、勇者と同じ精霊の加護を持っていたからである。俺の精霊の加護は勇者とは比べ物にならないくらいのレベルでの加護であった。人間に対しても使えるのであった。
なぜそうなっているのか俺にも説明できないが、とにかく俺は精霊のおかげで魔力を永久機関のごとく使えるのであった。さっきも言ったが精霊魔法は外道の使う魔法である。だから俺は外道にならないようにこうして
自然と精霊の恩恵に還元できるような魔道具開発を行っているのである。まあその開発のおかげで店は大繁盛しているのだが、こうして俺は商品が王都ではやっていることを確認できたのでよかった。
しかし、俺が精霊魔法が使えるとしれば、国がだまってはいないだろう。勇者のほかに精霊魔法が使える存在がいるとなれば、俺は異端ということで魔族扱いされて処刑されるか。英雄として祭り上げられるかの二択である。
どっちに転んでも嫌な俺はこのことは誰にも言っていないのである。
「さてと、あらかた俺の商品を取り扱ってる店の売れ行きも視察できたし、今夜は宿に泊まって明日村へ帰ろう。」
こうして俺は今晩泊まる宿を見つけたのであった。