第3節 農業に関する魔道具
やっと勇者パーティーから解放された気分になった。あの対決以降勇者が魔導士にやぶれたという噂が巷で話題になっていたのである。これに懲りてもっと勇者らしくしてほしい。
俺はまた平穏な日々を送ることができている。
「レニャス今日の魔道具の注文入ってたっけ?」
「はいこれ。魔道具の依頼きてたよ。しかも王都から。」
そういって俺に魔道具の素材になるリストと依頼書を渡されたのであった。
「今回は材料は王都の人から素材提供があったからそれで作れるんじゃないかな?」
「へぇ~素材をそろえてくれてたんだ?貴族あたりの依頼かな?え~っと魔道具の依頼内容は・・・・」
内容にはこのように書かれていた。水が不足しており、民が農作物を作れない出るそうだ。これなら俺の考えた魔法でなんとかなるだろう。
俺はさっそく井戸につける滑車を製作することにした。滑車には魔力を流し込むことで水が湧き出る仕組みになっている。
なぜ井戸に滑車型の魔道具にしたかというとすぐ水が大量に出てしまうからである。大量に水がでれば川が必要になる。しかも永久的に水をだせる魔力は俺以外にいない。
だから誰でも簡単に水が出せるようにしたのがこの滑車なのである。
「よしこれならすぐに滑車も作成できるだろう。」
俺はそういうと魔道具の材料となるものを魔法陣の上に置いたのであった。そして魔力を圧縮して魔法陣に魔力を流し込んだのであった。そうすると素材はみるみる滑車の形へと姿をかえたのであった。
「あとは魔力を通すルーンをきざむだけだ。」
俺はさらに魔法陣に魔力をこめて水属性の刻印を刻んだのであった。
「よしこれで完璧だな。あとは転送魔法陣で納品終了だ。」
俺はさっそく納品して魔力を転送陣にこめたのであった。
これくらいの作業なら簡単に終わる。
仕事を終えた俺は研究室にこもり、新しい魔法を開発したのであった。
今回は地属性の農具と肥料を作ろうとおもっていた。農具に魔力をこめることで畑をたがやす力の入れやすさを追求しようと思っている。
肥料に関しては農具から魔力を込めることにより、土の栄養度を高める仕組みにしようと思っている。
俺の研究はみんなの暮らしを便利にしたいがためにやっていることであって、決して利益を追求するものではなかった。
この農具と肥料の開発には滑車の依頼があったからひらめいたものであった。おいしい野菜が育てはみんなが幸せになるだろうとおもって取り組んだことだ。
「さぁてと地属性の魔石を鉄に結合させてそこに魔力を注げるルーンを刻もう。」
俺は鉄と魔石を用意したのであった。そして自分のイメージした通り、魔力を流し込み形状を変化させていったのであった。
そうすると鉄と魔石はみるみる姿を変えてくわのてつの部分に姿を変えたのであった。
「あとはくわの鉄の部分は完成したから柄の部分だな。くわの鉄の部分と魔力を連動させるようにして木を柄の部分にもルーンを刻もう。」
俺は木を加工するために木に魔力を流し込んだのであった。
「よし加工終了。あとは実験だな。」
俺は空いている土地をみつけてくわを振り下ろしたのであった。
そうすると大地がさけ、岩を砕いてしまったのであった。
「あらら・・・。こりゃ失敗かな?」
俺は苦笑いをしていたのであった。
「いや?待てよ?俺の魔力が強すぎたんじゃないか?レニャスなら普通にいけるんじゃないか?」
俺はさっそくレニャスを呼んでくわをふるうようにいったのであった。そうしたらやはり俺の魔力が強すぎたのであった。
大地は一振りで耕せたのであった。一般の人の魔力なら問題ないだろ。
こうして俺はこの魔道具を開発したのであった。