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第2節 魔道具の作成

今日も店を開け、魔道具の作成や魔法の研究にいそしんでいた。


「レニャス。今日はマキを使わずに火が起こせる魔道具を作ろうとおもってるんだけど先週いっておいた材料はそろってるかな?」


「ああそれなら倉庫に保管してあるから大丈夫だよ。」


「わかった。じゃあ俺が材料をとって魔道具を作成するからその間店番頼むよ。」


「わかったわ。」


俺は魔道具の作成に必要な魔法陣と材料を準備していた。魔道具作成については簡単なものであり、俺オリジナルの魔法が施されていた。


「さてと作成に必要な材料も整ってるし、いっちょやりますか。」


俺は火属性をイメージして、魔力が魔法陣に満ちていくのを感じ取っていた。このように無詠唱でつくる方法は俺独自のものであり、ほかの魔導士では真似できない芸当だ。


そして、火属性のイメージをしてから次に魔道具になるためのイメージを強くしていくのである。


このようにして普通なら1日かかる作業だが、俺は数分で終わらせることもできる。


こうして出来上がったのが、鉄板の左右に魔法陣を刻み、魔力を通すことで火がおきるという仕組みだ。魔力はごく一般的な庶民でも使える代物となっている。


魔道具は世間一般にあまり流通しておらず、生産能力もとぼしく、そうそう出回ることはない。


しかし、俺の研究の成果でその魔道具も生産効率もよくなり、一般家庭でも扱われるようになった。普通は貴族とか金持ちしか使えなかった代物だから贅沢品になっていただけのことである。


この生産法を編み出したことで一般の三流の魔導士でも1日あれば作成できるようになったのである。


こうして俺は画期的な魔道具作成を編み出し、それを魔法の研究にも生かしている。まあ無詠唱で魔法を使えるのは俺ぐらいだけど無詠唱についての指南書も書いて出版したぐらいだ。


俺も自分の技術を独占しようとは思っていない。浮かんだアイディアは惜しみなく伝えているつもりだ。だが、現実はそうともいかない。無詠唱の技術は俺の体質とも連動しているらしい。


無詠唱の魔法は魔力の消費も激しく、魔法を使う前に一般的な魔導士は魔力が枯渇してしまうのである。


じゃあ俺の研究成果は無駄なのかといわれるとそうでもない。魔法の研究は魔道砲と呼ばれる軍事で使われるようになった。これは魔石からエネルギーを吸収して無詠唱で撃てる兵器である。


勇者パーティーが一度これを購入して俺の代わりにしようとしたけど失敗、経費がかさみ借金を作ってしまったのであった。魔石はとても貴重なもので魔力の媒体になる代物だ。


まあその噂を聞いて苦労はしてるんだなとは思った。


「よし。今日、納品予定の魔法コンロ完成っと。」


俺は重力魔法で鉄板30枚ある重量を減らして運びやすくしていたのであった。


俺の作成した魔道具は雨風にさらされてもさびない特注の加工品でもある。油汚れも布切れ1枚でサッとひとふきで綺麗になる。


「さてと、おつぎはどんなものでもきれる魔法万能包丁を作成するか。」


この魔法万能包丁とは俺の開発した包丁でもある。魔力を流し込むことによってどんな固いものでも切れるのである。でも取り扱いには注意が必要である。


そこでセットに売り出したのが、魔道まな板である。これも魔力を流し込むことにより、魔力同士の反発作用で切れにくくするというものである。


俺は包丁にルーン文字を刻み込み、まな板に魔法陣を刻んだのである。そして包丁には刃先に水属性の魔法で高圧力で切れ味を増すための加工を施し、まな板には地属性の頑丈なイメージをして加工したのである。


余談ではあるが、この技術も独占することなく技術を一般の魔導士にも公開していたのである。


「よし。今日の分の魔道具作成は終了だな。1時間ってところか。まあまあだな。」


それは作成した魔道具を転送魔法でお客さんに届けたのであった。ちなみにこの転送魔法も俺のオリジナル魔法である。転送魔法は人間でも道具でも自在に転送することができる。そして、転送魔法は転送用の魔法陣でのみ転送可能だ。


あらかじめ渡しておいた魔法陣を書いた紙に転送できるようにしておくのである。


「よしよし。今日はこれで終わりかな?さてと、レニャスのところにいってみるか。」


「おかえり、キリク魔道具の作成は終わったの?」


「ああ。今日は早めに終わったみたいだよ。店番ご苦労様。」


「1時間くらいね。前より作成時間も早くなったし、なれてきたんじゃないの?」


「そうだな。最初は不慣れではあったけどコツはつかんだからあとはイメージさえおもいつけば簡単さ。」


こうして俺とレニャスの午前中の仕事は終わったのであった。

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