第3節 回復する装備
会社が軌道に乗ると俺は実質的に社長となる。勇者の肩書をもっており、なおかつ大企業の会社の社長ともなればうちの商品も信用性が重要になってくる。
会社経営としては商品の劣化は防ぎたいところである。俺は各工場に品質の低下をそこなわないように注意をうながしたのであった。
そして品質管理も徹底的に強化していくのであった。
社長といってもほとんどの仕事は秘書であるレニャスが代わりに切り盛りをしてくれていた。俺はというと商品開発をやりたいので研究に没頭していたのであった。
開発部の人間もいるが基本的には俺の考案した魔道具で商品をつくる方向になっている。そして考案された商品は開発部と会議を行い、安全性、品質など徹底して話をしたのである。
そして議論を重ねて製品化するのであった。今回作成するのは自動治癒の服である。これは冒険者が戦っている間に傷をおって立てなくなったり、戦闘不能になるくらいのダメージをおった傷を瞬時に回復させてくれる魔道具である。
俺はこの製品に対して社長という立場を抜きにして商品開発部門の人間と議論を交わすのであった。結果的には軽度の傷でも癒せるようにしようという意見もでたので、それを採用しようと思っている。
魔導士で治癒に特化したものが会社にいないか探してみた。人材はいた。その魔導士によると技術的には可能であると言う意見がでた。俺はそこでこの製品を商品化することにしたのである。
工場のラインに乗せ、さっそく製作にあたらせたのである。
やはりこの魔道具も冒険者の間では評判を呼び、ヒット商品になったのである。しかし、この服がヒットすると回復専門の魔導士からクレームが入るようになってしまった。
俺はそのクレームをふっしょくするために回復魔法を服にかけると2倍の速度で回復ができるように改良を施したのであった。
こうした顧客のニーズにあった対応をすることで俺の会社は評判を呼んでいるのであった。
この傷が回復する魔道具の材料としてはドラゴンの皮を利用していた。ドラゴンの皮膚には髙い再生能力が備わっている。傷ついた傷も瞬時に回復させる能力を持っている。
ドラゴンの素材はちょっと髙いけどどのように定価で仕入れていたかというとうちには素材調達部門という元冒険者を雇い、腕利きの実力者ぞろいの集団をそしきしていた。
もちろん自社で開発した自動治癒服も装備して狩りをしている。そしてこの装備も自社で開発した竜殺し剣ドラゴンスレイヤーも装備に含まれている。このドラゴンスレイヤーは市場には出回っていないしなものである。
これを販売するとドラゴンの数が激減してしまうので自社のみで生産装備している。もちろんドラゴンスレイヤーは俺しか作れないように特殊な魔法が施されている。つまり、外部に機密情報が漏れても俺しか作れない
オリジナル製品となっている。そして、その装備が横流しになっても1回ごとに承認魔法をかけないと使用不可という仕掛けになっている。
ドラゴンスレイヤーは特別な俺の特別な俺独自のオリジナル魔法を施している。まずはドラゴンの再生能力を遮断している毒をもちいて錬成される。そしてその毒を刀身となる部分に定着させ行うものである。
しかし、ここからが問題であった。魔石である。これは同族殺しの呪われた宝玉を用いるのである。ドラゴンを完全に討伐するにはドラゴンの恨みがこもった魔石をつかわないといけないからである。この呪いは
装備したものを支配し、暴走させるのである。その同族殺しの呪いを制御するために俺は精霊魔法を用いていたのであった。呪い調和の魔法である。この魔法を使い俺はドラゴンスレイヤーを宝玉に魔力を込めていたのであった。
「しかし、あれだな。レニャス承認魔法を1回ごとに魔法をかけるのは面倒だな。」
「しかたないよ。そうしないとドラゴンの乱獲があってドラゴンの個体数が減っちゃうから。」
「まあ確かに、でもまあ冒険者の命とは変えられないからな。この魔道具は必須的な流れであり、当然の魔道具なんだろうな。」
「そうだよ。モンスターは村をおそったりするから、それを討伐する冒険者の命とは引き換えにはできないよ。」
「そうだな。面倒くさいとはいっていられないな。」
こうして俺はレニャスと会話していたのであった。