第2節 人材
最近やたらと忙しい日々をすごしている俺は経営にも携わるようになった。前まではレニャスが経営を担当し、俺が商品開発をするという流れだった。しかし、人材が不足している。
俺は事務をできる人員を確保しようとしていた。事務員にも魔法がちょっと使えるものが必要だなぜなら契約印に魔力で印をするからである。これは商品が確かなものであるという証をそこに示すためであった。
俺はレニャスに事務員の募集の広告をだしてほしいと頼んだのであった。レニャスはさっそく人員はどれくらい必要なのかとか、どれくらいの魔力の持ち主なのかを事細かく聞いてきたのであった。
俺はレニャスに魔力はそんなに強くなくてもいいから、事務処理に特化した人員がほしいと説明したのであった。
するとレニャスは面接が必要であるということをいったのである。それはそうだ。よりよい経営にはそれなりの人材を確保しなくてはならない。俺は工場で仕事をしている魔導士に面接官をやるように指示をだした。
当日面接にやってきたのは、いかにもインテリで仕事ができますというような集団が押し寄せていたのであった。その数ざっと100人ほどであった。俺も面接官として同席することになった。
よくみてみると事務の資格を持っているものや、なかには秘書の資格を持っている者もいた。誰もが有能すぎるくらいの人間であった。
性格にもは難があるものもいれば、真面目なものまでいる。しかし、人材といてはもし分なかった。問題はこの人員をどうやって採用基準に照らし合わせることか、ということである。
正確には難があるものとはいっても常識はある。会社でのいじめやパワハラ、セクハラなどそういった問題を起こすような人材は見当たらない。
俺は思い切って全員を採用することにきめたのである。何のための面接だと、突っ込まれるかもしれないが、一応人材を見ておく必要があるから開いたのである。
俺だけ特別で精霊魔法で人の性格が色でわかるのである。面接官になったのもそのためであった。性格に難があるものは考え方を改めさせて現場で再教育すればいい。真面目なものは視野が狭いものもいるのでもう少し視野を広げるように
すればいいのである。事務に関しての問題はこれで解決である。工場の人員も十分確保できている。これで会社は順調に業績を伸ばせるだろう。
最初は田舎の小さな魔道具屋から今では王都でも有名な大企業とまではいかないがそこそこ名のとおった会社へと成長を遂げていたのである。
魔王のいっけんいらい魔王の領土は国が管理するようになり、そこで人間に戻った人々は仕事を探して難民となっていた。どこの会社も魔王の領土出身というだけでどこも雇ってくれないのが現状であった。
しかし、俺はその逆で元魔族だったものを積極的に採用していた。元魔族なだけあって魔力の扱いは長けていたのであった。俺はそこに注目して元魔族出身の人たちを魔導士として育成したのであった。
もちろん魔導士育成の教育機関は国と共同で元魔族領土に建設したのであった。
そのかいもあって、各企業の魔導士不足も解消されたのであった。俺の魔道具研究は開発部門を立ち上げそこでミーティングなどを行い企画、設計などあらゆる観点から商品化するという流れで行われるようになったのである。
これも雇った人材が優秀だからできることであって俺には思いもよらない発想をするものまで現れたのであった。商品の量産体制や企画、運営まで雇った人材で十分会社を回せるようになったのである。
俺は社長業に専念できるようになった。レニャスの秘書としての仕事も軽減したのであった。こうして俺の会社は順調に軌道にのったのであった。