第4章 魔王の力 第1節 魔王の側近
俺は魔王の領土へと足を踏み入れていたのである。それに加え、魔族の数も徐々に増えてきたのであった。
魔王がケインたちではたおせなかったことに落胆していた。魔王はユグドラシルの力を図るためにケインたちを利用していたのであった。
魔王は驚愕していた。まさかユグドラシルがここまで強力な聖剣だということに。
魔王は対抗策としてユグドラシルと対になる魔剣を用意したのであった。その魔剣はユグドラシルが再生を象徴しているのであれば破滅を象徴する魔剣であるということを。
魔剣の名前は「ラグナロク」である。もともと聖剣であったラグナロクは神殺しの聖剣として封印されていたのである。しかし、それを魔王は人間たちから奪い、魔剣へと変貌させ本当の意味での神殺しの魔剣を
完成させていたのである。
魔王はその魔剣の力を使い、魔族たちの魔力を高めたのである。それは非常に強力であり、精霊を消滅させ木々を再生できないほどであった。ユグドラシルの力をもってしても再生できない破滅の力はそこがしれなかった。
俺は魔王のいる城まで向かっていくが、困難を極めていた。魔族の数が尋常じゃないほどであった。魔王一人でこの軍団の数を指揮するのは不可能であった必ずといっていいほど強力な魔族が指揮をとっていたのである。
指揮官クラスの魔族は俺の前に立ちはだかり、必ず魔剣を所持していた。俺はその一つ一つの魔剣の能力に翻弄されていたのである。基本的には禁忌の精霊魔法を使うことは変わりないのだが、例えをあげるとすれば、
俺の聖剣の力を吸い取るような魔剣も存在していた。しかし、この魔剣は俺のもつ聖剣の力を吸いすぎて自滅したケースもある。ラグナロクの力で量産される魔剣は強力であった。
魔族の領土入口でもたついていた俺は早く魔王をなんとかしようと必死であった。しかし、魔族と魔剣が強力すぎてなかなか前には進めないでいたのである。
元々魔族の領土は木々が枯れており、精霊が存在しなくなっていたのである。俺の聖剣の力で何とか再生させながら精霊の力を借りて一歩ずつ魔王のいる城まで進んで行くのであった。
「勇者よ!お前の命運もここまでだ覚悟しろ!」
突然俺の前に現れたのは魔王の側近で、魔王に近い力をもっていた。
「お前ら!精霊を苦しめてそんなに気持ちいいか?!」
「そうだな!人間と精霊の断末魔の声を聞くことが俺たち魔族の生きがいだ!魔王様の側近である俺に屈服するんだな!」
そういうと魔王の側近はいきなり斬撃を放ってきたのである。その斬撃は枯れた森を一瞬で焼け野原にしてしまったのである。
「精霊の力を借りないと何もできない貴様におあつらえ向きの戦う場所を用意してやったぞ!これで貴様の力はだせまい!」
確かに木々が消滅したことで再生の力は失われたかのように見えるが俺には六属性の恩恵がある。
「たしかに精霊の力を借りれないように見えるが甘いな!今お前が放った火の精霊と地の精霊から力も借りれるんだよ!」
俺は即座に再生の力を使い地属性と火属性の精霊から力を吸収し、大地を草原へと変え、魔力を借りたのである。
その力を借りて俺もその魔王の側近にめがけて斬撃をはなったのである。しかし、側近のもつ魔剣の結界に阻まれてしまったのである。
「さすが魔王の側近だけのことはあるな。一筋縄ではいかないってことか。」
「お前の力はその程度か。魔王様には到底かなわないな。しかも、魔王様はお前の持つ対になる魔剣をもっているのだ。いまのままでは勝てないぞ!」
「そうかな?お前のまわりをよく見てみろ!」
俺は魔王の側近に周りを見渡すように言ったのであった。
「なんだ周りが俺の結界を侵食して草原になっている?!」
「そういうことだ。今のは試し切りだ。どこまでお前の結界が強力なのかを実験したのさ!」
俺の精霊魔法は魔王の側近に通用していたのであった。結界が壊れなかったのは相手の魔力を吸収するためであった。
「やっぱりな実験は成功だ。お前たち魔族は禁忌の精霊魔法を使う。しかし、精霊魔法を使うことにはかわりない。だからその禁忌の精霊魔法を俺のユグドラシルで再構築して聖剣への魔力に返還したのさ。」
「ばかな!そんなことができるのか?!俺の精霊魔法を吸収するだとありえない!」
「だてに魔導士やってないよ。魔力操作なら簡単なものだ。これで終わりだな。」
俺は魔王の側近を一刀両断したのであった。俺はこのようなことを繰り返して戦っていたの