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手向けの花  作者: 三四
木に縁りて魚を求む
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陰陽連

 依頼を張り出して3日が経った。

 足を使った情報収集では全くもって耳に入ってくるものはなかった。

 代わりに入ってきたのは陰陽連というこの国独自の守護体制の話だ。

 陰陽連というのは特殊な術を使い、妖かしや他国からの攻撃に対し迎撃を専門とする守りのスペシャリストらしい。

 使うのは不可思議な式神や五大元素に基づいた自然物の発生を得意としているらしい。

 …法術じゃん。

 この時代では法術の類は特殊なものとして一般から遠ざけられているようだが、これはクロウ自身にとってはいい知らせだ。

 正体が詳しくつかめない陰陽連を隠れ蓑に捜査ができる。


 果たして時間転移を再度行う場合は元の時間軸へと戻されるのが通例とはいえ、この時代に来てはや4日が経過し焦りも出てくる。

 最悪の場合は−遺物がないと判明した場合−自らが時空法術を取得し帰還するというシナリオも考え始めたころ、仮宿にしている部屋の扉がノックされる。

「どうぞ。鍵は開いてますよ」

 ノックの主に声を投げかけると扉がゆっくりと開かれると

 そこには商業組合の制服を着た人間が立っている。

「クロウさん。依頼されていたものに関して情報提供が出来るという方からご連絡がきています」

 少し顔が強張る。

 本来依頼への受け主が現れたところで組合の者がわざわざ出張ってくることはない。のだが、こうして来ているということは間違えなく権力の匂いがする。

 古代遺物の持ち主が有数の資産家だったのだろうか?

 なんて呑気なことを考えていると、やってきた組合員が言葉をつなげる。

「つきましては、商業会館の方へお越しいただきたいのですが、よろしいですか?」

 依頼ではなく確認だ。

 言葉の強さを感じてしまう。

 コチラとしても来てもらわなければ困るという意志の強さを。

 まぁ向かうくらいはなんてことはない。

「わかりました。すぐ出ます」

 なによりようやく掴みかけている糸だ。

 蜘蛛の糸でも辿らせてもらおう。


 程無くして商業会館に着くと、そのまま応接室へと通される。

 依頼を掛けるときにも応接室には通されたが、その時よりもより豪華な調度品が配置されている部屋のようだ。

「こちらです。先方は既に中でお待ちです」

 そう伝えられると扉を開けられる。

 中には白い装束に身を包んだ男が1人。

 年齢は20代半ばくらいだろうか、随分と若く見える。

「遅くなり申し訳ありません。クロウです」

 そう挨拶を告げると相手からも挨拶が返ってくる。

「いいえ、突然の呼び出してしたのでお気になさらず」

 随分と腰の低い権力者だこと。

「私は陰陽連十二鬼門が1つ、巳門の蛇陽(だよう)と申します」

 陰陽連か…

 随分と大きな獲物が掛かったな。

 そりゃ釣れればいいとは思っていたが、予想よりも早すぎる。

 対応が早いと考えればいいのか、コチラが甘かったと考えるべきか。

「時空操作の遺物を探しているとか」

 綺麗な顔から射抜くような視線が向けられる。

 さて、どっちに転がっているのやら。

拙い文章でしたが、ココまでお読みいただきありがとうございます。誤字脱字等があればご指摘を、また、応援ブックマーク等の評価も是非お願い致します。

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