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手向けの花  作者: 三四
木に縁りて魚を求む
33/34

商業都市オサガ

 その後は順調に目的地へと飛行を続け、オサガの街へは夜明け頃に到着した。

 朝方5時くらいだろうか?

 初めて訪れる街なだけあって、方向や距離があっているかを不安に感じながら飛び続けていたのだが、その不安は見事に解消された。

 薄闇の青の中に突然燦々と煌めく街明かりが入ってきたのだ。

 目視できる距離まで飛行すると目に映るのはデカデカと掲げられた

『ようこそオサガの街へ』

 の巨大な看板。

 一体この大きさの物を作るのにいくら掛けているのだろうか、商人の街というだけあって人の呼び込みには流石の力の入りようだ。

 これなら迷うことも無いのだろう。


 街の中へと入ると、朝だというのに多くの人々で賑わっている。

「採れたて野菜!安いよ!」

「揚げばっかの鯛もあるぜ!」

「お兄さん!酔い醒ましに漢方どうだい?」

 右に左に多くの軒先から声を掛けられる。

 どの時代も商魂逞しいなと思いつつ、情報が集められそうな場所を探すことにする。

 街に入ってすぐのところにいたガタイのいい男性に少額の金を握らせ仕入れたものによると、門をくぐって正面に見えるデカい建物が商業会館という場所らしく、1階には居酒屋と名の飲み屋が入っているのだという。

 一先ずはそこに向かうことにし足を進めると時々すれ違う人々と肩が擦れる。

「あっ、すいません」

 小さく声を上げるが人並みにかき消され、ぶつかった人々は目もくれずに消えてゆく。

 随分と無愛想だな

 そう思うがこれがこの時代の普通だと思うことにし、多少の不快感を胸の奥にしまい込む。

 引き戸を開けると表の通りより更に大きな喧騒が耳に触れる。

 なるほど、この賑やかさは帝都の冒険者組合にも引けを取らない。これなら情報量は期待できそうだ。

 直ぐ側で飲んでいた4人組の机へとお邪魔し、早速収集へと移る。

「よぉ、調子はどうだ?」

 何だコイツという視線が一瞬集まるが、

「この人達が飲んでるものをもう1つずつ。会計は俺に付けておいてくれ」

 と通りがかりの給仕に告げると4人組の顔が緩む。

「で、調子はどうだ?」

 先ずは軽い世間話から入ろうと話を振ってみるが、

「なぁ兄ちゃん。集めるなら単刀直入でいいぜ?奢ってもらってるんだしよ」

 返ってきたのは時間短縮が計れる色よいお返事だった。

「それは有り難いが、怪しさは感じないのか?」

「はっ、礼儀が出来てるやつってのは無茶なことは言わないんだよ」

 礼儀…奢った事か。

 随分とすんなり受け入れてくれることだ。

 こういう事をする輩は多いのだろうか?

「なら聞きたいんだが、古代遺物ってのを聞いたことはあるか?」

「あぁ、もの探し人探しなら掲示板に依頼したほうが早いぜ?」

 男が指をさす方向には巨大なコルク板が壁に打ち付けられている。

 依頼板みたいなものか。

「そうか、ありがとうな」

 短くお礼を伝えると、机の上には多めの金銭をおいてその場を去る。

 その後受付にいたゴリラのような男に探し物の依頼をすると、掲示板に張り出してもらう。

 これで後は情報が勝手に来るだけだが、プラスで自分の足でも集めるとするか…

拙い文章でしたが、ココまでお読みいただきありがとうございます。誤字脱字等があればご指摘を、また、応援ブックマーク等の評価も是非お願い致します。

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