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手向けの花  作者: 三四
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
19/34

成分は同じと言うし

すみません。

今回少し短めです。


明日は16時投稿。

 帝国暦562年7月8日


 日差しが窓からさんさんと射し込む午後13時。

 いつも通りの仕事を全うしているが、最近は余程ペースが早く仕事が終わる。

 理由は明確で、先日の一件から軍の知らぬところで密かに個人預かりとなっているスイハが思ったよりよく働く。

 龍人族は軍事が非常に好きで、軍に掛けている費用も相当なものだ。アレは正直今思えば無駄なほどかけていると思わなくも無いが、種族としての喜びであり生き甲斐なのであろう。

 それに、その生き甲斐が相まってスイハは隊を見る目としては非常に優秀であった。

 それもそのはずで、元々俺のお付きとして過ごしているオウリア家は執事としても一流だが、それのみで良しとはせずに武術家としても一流に育て上げる家だ。

 スイハの法術等級は総合すると俺より上だし、腰に差している鋼の剣の扱いだってジンと並ぶほどに上手い。

 龍人としての年齢は俺より少し上くらいだが、見た目も相当良い方だとくれば勝手に自分と比べて少し悲しくもなる。

 当てつけとして、勝手に部下として扱き使おうと連れてきたその日には各隊を回らせてほしいと言われ、夕方に帰ってきたときには各隊長達と談笑していたほどには打ち解けている。

 一体神はコイツに何物を与えたのだろうか。



「クロウ様」

 失礼な事を考えていると当の本人から声を掛けられる。

「なに?」

「クロウ様はこの度の戦において、生き帰る事を最優先としている事を聞きました」

「そうだね。命有っての物種というだろう?」

「ええ、その点は流石クロウ様と言わざるを得ないのですが」

 何やら言い淀むスイハだが、そこまで言うのなら最後まで聞かせて欲しい。

「どうしたの」

「この戦から生き帰るためにはどうにも雅術…コチラでは法術と呼ばれているのでしたっけ?それの等級が低すぎるのでは?」

 スイハに一番の問題点を指摘されてしまい、意図せずともちょっとしたしかめ面になってしまう。

「そうなんだけどさぁ、法術って一朝一夕で身につくものでもないし、今あるものより欲張ることは出来ないかなって思ってたんだよね」

 ブランタークに作ってもらった可視の薬瓶でも効果は微増。約1ヶ月で新たに1割程度のものが法術への適性を得はしたが、等級を上げるとなるとそう簡単にはいかない。

「なので、恐れながらスイハより進言がこざいます」

それをどうにかしてくれる策があるとでも言うのだろうか。

「なに?」

「龍の涙を加えてみてはいかがですか?」

「…は?…あぁ!」

危なかった。もう少し遅ければ一生ピンと来ていなかったところだ。

龍の涙とは龍人族の秘術から生まれるもので、これもドーピングの一種だ。

効果としては、自身の適性法術と同じ龍人族の龍の涙を取り込めば魔力量の底上げができるかも知れないというものだ。

ただ、原材料が問題なのだ。

「あれかぁ…」

「気乗りしないのですか?」

「まぁ、原料が原料だしね…」

「あぁ…」

2人で顔を見合わせ赤くしていると、横で聞いていたスバルがようやく出番が来たと言わんばかりに手を上げて割り込んでくる。

「原料は何なんですか!?」

 正直飲ませる側の者には伝えたくなかったんだが…


「汗だ」

拙い文章でしたが、ココまでお読みいただきありがとうございます。誤字脱字等があればご指摘を、また、応援ブックマーク等の評価も是非お願い致します。

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