episode2.天国
ふわふわとした感覚で目が覚める
「ここは、どこ?」
目を開けると目の前には地球があった
周りには沢山の流れ星が流れている
そうか、隕石が衝突して地球から投げ出されたのね、、、
って事はここは宇宙!?
なんで私生きてるの!?
それともここが天国かしら
すると目の前に四角い白い箱が出てきた
「只今地球を修復しております」
その白い箱はよく分からない事を言う
「只今修復完了しました。今から選ばれた者のみが地球に転送されます。どうか楽しく人生をお過ごし下さい」
そう言うと白い箱は消え、ふわふわと浮かんでいた彼女の体は急に地球の重力に引っ張られるかのように落ちていく
「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!!!!」
一気に飛び起きる
彼女が飛び起きるとそこには若い青年2人と少女がいた
「大丈夫ですか?」
1人の変な格好をした青年が手を差し伸べる
「えっ、えっ!私、死んだんじゃ、、、」
「何言ってるんです?」
「さっきゴーレムに殴られた時に瓦礫で頭やられたんじゃね?」
訳分からないことを言っているがなんの事かしら?
「もう!可哀想じゃないですか!そもそも戦闘向きではないんですよ!ルミナスは!大丈夫ですか?ルミナス?」
そう言うと少女は幸子に近寄る
「ルミナス?人違いではありませんか?」
まさか外国の方と間違われるなんてと少し嬉しく思う
それにルミナスなんて可愛い名前
とりあえず青年の手を取り起き上がる
思ったよりも勢いがついたのか前に倒れかけ、その勢いのまま青年にもたれかかってしまった
「おっとと、あらやだ、勢いつきすぎちゃったわね、ごめんなさいねぇ、重たいでしょ」
そう言うとパッと青年から離れる
何故だろう、いつもよりも体が軽い、そして何より腰の痛みや肩の痛みがない
「あ、そうかここは天国だから痛みがないのかしら?」
そんな事を言っている幸子を彼らは呆然と不思議そうに見ている
「、、、天国って事は、貴方達こんなに若くして亡くなったの!?あらまぁ可哀想に、、、」
「えっと、マジで何言ってるか分からねぇんだけど」
「少しおかしいから明日でもお医者様に見てもらった方がいいわよ」
何故か凄く心配している
何かおかしい事を言ってるかしら?
「とりあえずそろそろ次の町に着くから宿屋で休んで明日医者に行きましょう」
そう言うと3人は早々に森を歩く
とりあえず幸子もついて行く
「にしても天国って自然が多いのねぇ」
周りは木ばかりだ
思っていたのはもっと雲の上で何も無い空間、そこに大きな扉が立っていてそれぞれ門番がついている
そんなイメージだった
もしかしてこの子達は閻魔大王の所に案内してるのかしら
そんな事を考えていると急に青年達が立ち止まる
「またゴーレムが現れましたね!」
そこにはレンガ出できた大きなロボットがいた
「っち、こいつ硬ぇからめんどくせぇんだよな」
「とりあえずルミナスは下がってください!これくらい3人で何とか出来ます!」
するとゴーレムが一行に襲いかかる
「きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!」
青年が何処から取り出したか分からない剣でゴーレムを防ぐ
「だからっ!下がっていて下さいっ!ルミナスっ!」
「そっそう言われてもっ!」
「そのままだ!おさえとけ!おりゃあ!」
もう1人の青年がゴーレムに向けて大きなハンマーを振りかざす
ゴーレムは足元を崩され前に倒れる
「バリア!!」
少女がそう唱えると落ちてきた瓦礫が自分達を避けて地面に散らばっていく
「これで最後だ!」
青年がゴーレムの体を剣で1突きするとゴーレムはガラガラガラと崩れていった
「本当にどうしたんだよ、これじゃ戦えねぇよ」
「貴方達まさかあんなのと戦ってるの?」
「あんなのって、、、ただの雑魚だろ、どうしたんだ」
どうやら彼らにとってこれは普通の事らしい
天国ってこんなに怖い物なの
幸子は自分が思っていた所よりもあまりにも物騒で震えた
少しすると森を抜けとうとう門が見えてきた
「ついに第1の門ね、、、」
息をのみ、その門を通る
するとそこには思っていたものと全く違う光景が現れた
沢山の人々、沢山の木材製の建物
それはまるで西洋映画で見るカウボーイの町のような光景
映画のセットのようだった
4人はそのまま宿のようなところにつく
「今日は直ぐに休むといいわ」
そういい女の子が部屋まで案内してくれた
「わざわざありがとうね」
女の子は心配そうに部屋を後にした
にしても天国には寝る場所もあるなんて、本当に行ってみないと分からないものね
生前は死んだらどこに行くのかよく心配になったもんだと思う
そう言えば家族は生きてるかしら、、、
家族が急に心配になってきた
それぞれ学校や保育園、会社に行った
あの感じだと生きていたら奇跡だろう
しかしその奇跡さえ望んでしまう自分がいる
でも、最後に会いたかったなぁ
もっと優しくしておけば良かった
目を瞑ると家族の顔ばかり思い浮かぶ
幸子はそのまま眠りについた
朝
いつものルーティンで目が覚める
「あらやだ、私寝ちゃったのね」
ギュルルルルとお腹がなる
そう言えば昨日は何も口にしていなかった
どうしましょ、とりあえずあの案内してくれた青年達に聞きましょうか
そう思い幸子は身支度だけは整えようと鏡の前に立った
そこで初めて幸子は自分の姿に絶句した
長いピンクの綺麗な髪
緑の瞳
細い体
何よりもすべすべの肌
それはまるでお人形さんのようだった
「かわいい、、、」
つい呟く
「え、これ私なの、、、」
状況が理解出来ていない時、扉を叩く音と共に昨日の少女の声がする
「おはよう、ルミナス、起きてる?」
幸子はまじまじと鏡に見とれていたがその声にふと我に返る
「おっ!起きてますよ!」
「なら良かった、朝ごはん下にあるから一緒に食べましょ」
朝ごはん、とりあえずお腹も空いてるし食べに行きましょうか
そう思い幸子は部屋を後にした
「今日はとりあえず医者にルミナス見てもらわないと」
「そうね、私が連れていくわ、いいわよね?ルミナス」
「、、、、」
「おい、ルミナス!」
「えっ!あっ!はい!」
「ったく、こりゃ重症だぞ」
朝ごはんを食べながら鏡の中にいた自分を思い出す
小さい頃に見た憧れの魔法少女のような姿
本当に自分なのかどうかを考えてしまう
「ご馳走様!じゃあ俺たちは武器や物資を調達してくるからルミナスは頼みましたよ」
「はい!」
朝食を食べ終えた後、幸子は少女に連れられて病院に向かった
ここまで読んで下さりありがとうございます!
また明日に出来れば次話更新します!
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