episode1.地球消滅
それは突然の出来事だった
「貴方行ってらっしゃい」
「行ってきます」
いつものように旦那を送る
さて、主婦の朝は忙しい
「裕太!部活遅れるわよ」
「分かってるって!」
ドタドタドタと走る音が聞こえる
長男の裕太は野球部だ
近々高校野球の予選が控えてるので朝は旦那の次に早い
「ごめん!飯食う時間ないからコンビニでなんか買うわ!行ってきます!!」
バタバタと出ていく長男を見送ると後ろから長女の紗希がやってきた
「おはよう〜」
「おはよう、机の上に朝ごはんあるから食べてね!お母さん2人を起こさなくっちゃ!」
「はーい」
そう言うと双子の元へと向かう
双子の次男、裕二と浩介はうちの1番のやんちゃ坊主だ
「2人とも!小学校遅れちゃうよ」
「んー、まだ眠い」
「行きたくない〜」
「そんな事言わないで、早く起きないとご飯抜きになるよ!」
「えー、やだ!」
「なんでそんなこと言うの!」
「はい!嫌ならご飯食べに行く!」
2人は渋々ご飯を食べに向かう
その間に紗希は食べ終わり部活へと急ぐ
「お母さん!お弁当どこ?」
「玄関に置いてあるでしょー!」
「えー!、、、あった!!」
紗希は弁当を鞄に入れると部活の為に家を出ていった
時間はもう7:30をまわっている
そろそろ次女を起こさないと
ゆっくりと食べる双子を急かしてる間に次女を起こしに行く
「夏美おはよう」
「あれ?お姉ちゃんはー?」
「もう学校行っちゃったよー」
「えー、送りたかったなぁ」
「じゃあ今度一緒にバイバイしようか」
「うん!」
「ご飯出来てるから一緒にご飯食べようねぇ」
少しぐずりそうになったが何とかセーフ
次女の夏美は姉の紗希が大好きだ
最近は中学の部活が忙しくなかなか構ってあげてないからか少し寂しがっている
時間を見ると8:00
小学校が始まるのは8:40分
やばい、2人が遅刻してしまう
「ご飯食べた?2人とも?」
「ご馳走様!」
「早くしないと学校遅れちゃうよ!」
「あー!プリント出すの忘れてた!!」
「えー!」
突然浩介がプリントを出してくると同時に同じく出してなかった裕二も渋々だす
「余計な事言うなよな!怒られるじゃん!」
「だってぇ」
「出さない方が余計怒ります!早く出して!!」
それは参観日出欠の紙
幸いにも期限は3日後だ
「今度出せば大丈夫!!ほら、行ってきなさい」
「「はーい!行ってきます!」」
流石双子
出る時も声は揃っている
さて、後は、、
怒涛の朝が終わろうとしていた
次女の保育園の用意をし、保育園に送っていく
これが早川家の主婦、早川幸子の日課だ
5人の子供、企業の社長をしている旦那
何不自由なく生活できている
とても幸せな家庭だ
家に帰ると子供達が食べたものや双子が散らかしたプリントが散乱していた
「ふー、さて」
腕まくりをして掃除に取り掛かる
長男が残したご飯は自分のご飯として食べる事にした
掃除のラジオ代わりにテレビをつける
テレビではお昼前のテレフォンショッピングがやっていた
「もうそんな時間、、、」
これは朝ごはんが昼ごはんになるわねと思った時、テレビから聞いたこともない音が流れた
ービヨッビヨッビヨッー
それと同時に携帯からも警告音がなる
何!?地震!?
急いでテレビを確認すると同時に大きな地震に身構える
ーピンポンパンピンポンー
ーこれは、緊急速報ですー
テレビには日本列島が映し出されている
上には国民保護に関する情報の文字
えっ!どういう事?
外を見ても嵐の前の静けさである
テレビは何度も緊急速報を繰り返す
そのうちテレビの左上に逃げても無駄の文字
今までなかった状況に混乱しとりあえず携帯でSNSをやっと確認する
トレンドには
1.隕石落下
2.緊急速報
3.逃げても無駄
と全てが隕石一色だ
「そんな、嘘よね」
少しするとガタガタと窓が震え出した
そしてその後に急に突き上げるかのような地震
嫌だ、死にたくない
幸せな家庭
順風満帆の日々
大好きな家族
折角手に入れたのに無くしたくない
ーードゴォ!
聞いた事も無い音が世界を包む
最後に見たのは明るく染った部屋
子供たちは、旦那は、せめて生きていてください
ーーその日、世界が消滅したーー
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