寂しいのを僕は隠さない
風が吹いてる。
うん。今日は、爽やかな寂しさかな。
くるくると僕の体を包んで、遊ぶように去っていく。
そういうもんさ。
でもさ。ぎゅうっと寂しいときは、どうしたものか。
ジタバタすることもあるのさ。
やり過ごすのも一苦労なんだよね。
体の奥が、鈍く重い。
気持ちも頭も連動するわけだけど、こっちは冴え冴えとしてる。
研ぎ澄まされて、実に厄介さ。
普段は、眠たがりな頭なのに。
まあ、僕は寂しいを寂しいと認めることにしてる。
つまらない、やせ我慢はしないんだ。
だから、こっそり寂しいと口に出してみたりもする。
自分の中から、言葉で飛んでってくれるときもあるんだから。
寂しいと寒くなったりもするからさ、暖かくしてみたり、ね。
ぬくぬく、ふんわり、もこもこのとかさ。
温かくて美味しいの。
寒いのはいけない。寂しくなるからね。
だから。いつも、あたたかくしておくれよ。
~抱きしめる
両手で一杯で自分を抱きしめることはできないけどさ
やっぱり、寂しくてどうしたものか
ぎゅうってなって、ぎゅうって暖かくなりたくなるときもあるのさ
右手で何かの思いを、ぎゅうと握りこぶしで抱きしめて
胸に押し当てる
左手で、優しく右手を抱きしめる
右手の柔らかさと自分を労って
左手の優しさと温もりで
胸に、ぎゅうってするとさ
ほら、あたたかいでしょう?
小さな自分を抱きしめるようで、抱きしめているようで
なんだか楽になるみたいだ
愛おしく自分を大事にしたって良いんだからさ
祈るようでもあるし、
ちゃんと寂しいのも悲しいのも、そういったもんも認めた上で
自分を暖かくしてみるのも良いんだろうな。
だってさ、苦しいときって
落ち着きたいときって
両の手で胸を抑えたりするでしょう?
手を広げたままでも、握りしめたのでも。
知ってるんだよね、きっと。