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僕とボブと彼女の物語  作者: 春はあけぼの
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手放せなくなった

天気もいい。午後のこの日も、僕はボブとじゃれていた。ミルクを買ってきても飲まないことが分かった。きれいな水を好むらしい。蛇口の水をそのまま飲んでいた姿も見た。今ボブは、お気に入りの窓際で、外を眺めている。

「綺麗な白猫ボブ。お前は、俺と違って、元気がよすぎるなあ。いいな…。」

と、いつもの口癖を浴びせていたが、白猫ボブは僕の事なんかお構いなしに、毛並みを整えている。

僕が起きる前に、ボブはもう起きていて、僕の足をかじり始める。いつもそれで目を覚ますようになってきた僕は、もう、少しの間、目覚ましを使っていない。

「かじるなって~。そのうち、血を見るぞ~。

あ~。朝早いな~。分かった。もう朝ごはんいるの?」

なんて毎日の始まりから、午後まで何もすることないと、こうやって、話しかけてはボブの様子を見ている。ボブはたまに、トイレを外でしたがる。そりゃ、外猫だったもので、僕もいろいろと猫の事について調べた。

「ふむふむ、飼い猫にしようと思ったら部屋の外には出してはいけないんだなあ。ノミダニにやられたりするのかー。」


ボブに話しかけた。

「ボブ?もうここんちのこの猫なんだからさ。

外に出るのはだめと言う事だよ。ごめんなあ。もっと掃除できるようにするからさ。居心地良いようにするよ。母さんにも言ったんだよ。頑張るってさ。」

僕はいつも、話しかけていた。たわいもない事を。白い毛並みも、もっときれいになっていた。ボブは。

本当はいつもいつもありがとうって言いたげなのか、よくすり寄って食えるのが、堪らなく嬉しかったのだ。

天気もいいので、窓際で二人でごろごろしていた。僕は趣味と言う趣味も持っていなかったので、こうやって、時間が過ぎていくことがうれしかった。時折痛みがあった胸も、暖かくなってくるうちにか?ボブのおかげもあるのか、時折がだんだんと期間を開けてきたことには間違いがなかった。

先日病院に行った時も、

「血管の具合もいいよ?もう少し時間を開けて薬を飲むといい感じになってきたね。」

と、主治医にも言われていた。

「猫飼いだしたの?そう君が?なんだかんだ言って、一人になりだしてから苦しそうなのが生き生きとしだしてきたのはそのせいだったんだね。」

とまで言われた。先生方も喜んでくれた。結果、数値もいい感じに下がっているらしく。僕は白猫ボブを手放すわけにはいかなくなっていったのだった。




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