全ての始まり
第二話です!いやーどう書けばいいかわかんない!笑
第二水上人工島「フクシマ」。ここで初めて会ったんだよね。
初めて君をを見つけた時、あの日は確か秋の雨上がりの夕方だったっけ?
いつも通り街を巡回してたら、君を見つけたの。小さな子供の手を引いていた君、あの時から始まった?私と君の物語は…。
ーーーーーーーーーーーーーー
「お母さんが見つからないぃ!?」
街中を歩いていたら、男の子に何故かつかましました…。なんでや…。
どうやらこの子、お母さんと買い物に来ていたそうで、その帰りでお母さんと逸れてしまったみたい。制服的に幼稚園の子かな?
「どこまで一緒に来てたの?」
「ぐすっ…本屋さん…」
ここら辺で本屋と言ったら、少し行ったところの古ぼけた本屋しかない!昔はよく、育ててくれたシスターと一緒に行ったお店だ。
「よっしゃ!じゃあお兄ちゃんと一緒にお母さんを探そっか!」
「すんっ…ほんとぉ?」
「もちろん!じゃあいこっか!」
今のご時世、見知らぬ人と一緒に親御さんを探すなんてことがあるんだなぁ…。
と、心の中で思いつつこの子の親御さんを探すことにした。
確かに、昔から教会では自分より小さい子の面倒を見てたし、今でも立ち寄る事はある。子供達から好かれているとは確かに僕自身も分かってはいたが…。
「まさか、教会の子以外にも好かれているとはなぁ…」
「?」
まぁ、子供は好きだし、頼られて嬉しいから別に問題は無い。
信号を渡り、街角の郵便局を右に曲がる。確かこのまま…っ!?
誰かに後ろから見られている気がして振り返る。
「誰も、いない…?」
確かに誰かに見られていた気がするのだ。こう、首筋を氷が滑る様な、ゾッとする視線を…。
しかし後ろにいるのは大通りを通る通行人と車だけだった。
急に怖くなって男の子を抱え、急ぎ足で本屋へ向かう。
なんだったのだろう。今の視線は、今までに感じたことのない冷たい感じのまるで刺されるかの様な…。
「どうしたの?おにーちゃん」
抱えている男の子が心配そうな目でこちらを見てくる。そうだった、子供は感情に敏感なのだった。
「ううん、大丈夫だよ。お母さん早く見つかるといいね」
心配をこれ以上させまいと、今できる精一杯の笑顔を作る。少し頬が引きつっているだろうか…。と心配したがどうやら上手くできていたらしい。男の子は満足げな顔で頷いた。
また背中を寒気が走った。またか…!
振り返るのが怖くて、本屋まで急いだ。
少しすると古ぼけた本屋が見えた。本屋の前で一人の女性が仕切りに辺りを見回している。きっと、この子の母親だろう、そう思っていたらこちらに気がついて、母親であろう女性が走り寄ってきた。
「つばさっ!」
「おかあさん!」
どうやら母親であっていたらしい、男の子を下ろすと母親に抱きついていた。
よかったと安堵していると、男の子と手を繋いだ母親がこちらを向く。
「ありがとう御座います…!つばさが御世話になりました…!!」
と感極まった表情でこちらに感謝を述べてきた。
「いえいえ、当然のことをしたまでですよ」
そう、僕は人として当たり前の事をしたまでなのだ。よくお節介焼きとか言われるがそんな事はない、正しい事は正しいとそうしてきているだけなのだから。
自然と笑みが溢れる。母親と男の子の姿が昔のシスターと自分に重なって見えたから。
ーーーーーーーーーーーー
「おにーちゃん、ばいばーい!!」
男の子が仕切りに手を振り、母親が頭を下げて帰って行った。
男の子に手を振り返し、ついでにと本屋に入る。
古ぼけた本屋には年代を思わせる難しそうな本、中古本、子供向けの絵本など沢山並んでいた。更に奥へ行くとカウンターがあり、夕刊を片手にこちらを見ている眼鏡をかけたお婆ちゃんがいた。
「あぁ、やっぱりあんたかい、悠ちゃん」
「お久しぶりです、カナエお婆ちゃん」
僕を見た途端嬉しそうに微笑みかけてくれた。小さい頃からよくお世話になっていたカナエお婆ちゃん。今でも元気でいるみたいで、メガネを外して、夕刊をおき、歳を思わせない歩みでこちらに歩いてきた。ウンウン、元気そうで嬉しい限り。
「また、人助けかい?変わらないねぇ…」
「お婆ちゃんもね。最近どう?」
「やっぱり歳かねぇ?老眼鏡が必需品になってるよ」
そんなことを言って元気そうに笑う、まだ歯が抜けていない綺麗な笑顔だ。
今年で90なんて全然思えないぐらいだった。
それから最近身の回りであったことや、仕事のことなどをお婆ちゃんに話していると店にかけてある時計が5時を知らせる鐘を鳴らした。
「あ、ごめん!お婆ちゃん僕そろそろ帰るね!」
「そうかい、久しぶりに話せて良かったよ、悠ちゃん、元気でね」
「うん!お婆ちゃんこそ!」
挨拶を交わし、店を出る際に余っているからと柿を貰い、感謝を伝えて帰路に付いた。
歩いてバス停まで行き、帰りのバスに、最寄で降りてすでに暗くなった住宅街を歩いていた。
すると、カツーーン…、カツーーン…、と後ろから金属が地面を叩く音が聞こえてきた。
しかし周りは暗いせいで後ろを振り返っても何も見えない、ただ所々電柱についたライトが道を照らしているだけだった。
男の子の時といい、今といい、今日はなんか怖い思いしかしないなぁ。
そう思いながら前を向き歩き始める、後ろの金属音はまだ聞こえる。なんだか怖くなって走り出す。すると金属音も追いかけてくるかの様に早くなった。
200mぐらい走っただろうか、そこで金属音は音を変えた。ガガっゴォォォン!!と大きな音を立てて音が聞こえなくなった。やった、聞こえなくなったと安堵し、止まった途端、5m程先に大きな塊が降ってきた。
ガァァァァァン!!とゆう、大きな着地音と共にコンクリートの地面が凹んだ。
よく見ると大きな塊は蜘蛛の様な姿をしていた。その大きさはゆうに2mを超え、大人一人ぐらいなら余裕で食べそうな、そんな大きさをしていた。前のめりだった蜘蛛がこちらを向く。
そして目の前に広がったのは、水色だった。
如何だったでしょうか!
ご意見、ご指摘等ありましたら気楽にどうぞ!
Twitterにてこの物語のシーエのイラストを描いています!よかったらTwitterのフォロー等お願いします!