5話:小判の鑑定、竜二の新居と通信教育の話
その後、タクシーを呼んで、藤野駅まで行き、昼前に銀座の田中貴金属へ行った。そして、小判を見せると、ちょっとお待ちくださいと言い、小判を持って鑑定を始め、間違いなく本物ですと教えてくれた。
いくらになりますかと聞くと、10分ほど、お時間くださいと言い、3人で小判を見ながら話をして60万円で、いかがでしょうというので、それで、お願いしますと加藤が言った。
複写式2枚の書類を数種類、書いて身分証明書の提示を求められ、免許証を見せると、コピーをいただきますと言い、コピーを取り免許証を返してくれた。その後、近くのレストランで昼食をとった。
その次ぎ、電車で神田へ行き、TR本店に入り、同じ様に、いくらで引き取ると聞くと50万円と言われた。そこで、銀座の田中貴金属では60万円と言われたので、そっちで売ろうと言うと、お待ちくださいと告げた。
奥の方で、何やら話をして、わかりました60万円で引き取ると言い書類にサインして免許証のコピーを提出し60万円で売った。その後、札束持ってるのは、物騒だから俺の口座に預かっておくと、加藤が、言い三菱銀行に入り加藤の口座に入金した。
その後、加藤が帰りに、俺は八王子の三菱銀行の口座持ってるが、お前も作れと言われ、すぐに帰って、14時に八王子に着いて、竜二が、銀行口座を開いて120万円を竜二の口座に送金し口座の残金が170万円となった。
そして八王子で夕飯を食べて竜二は加藤に礼を言って1万円を渡した。すると、入らないよ、お前が大事に使えよと突っ返した。済みません、何から何までやってもらってと頭を下げた。
もう、俺と、お前は、兄弟みたいなものさと、加藤は、哲二の肩をたたいた。それより知り合いとか親戚に離れでも構わないから安く家を貸してもらう交渉をしてみろと助言してくれた。
竜二が、当たってみると答えて、一緒に、加藤の家に行き、今日は、遅いから、泊まっていけと言われ、風呂に入って、泊まらせてもらった。翌朝、朝食に御飯と目玉焼きと漬物と味噌汁と食べると1人で食べるよりも楽しいなと、加藤が笑った。
竜二も、そうだねと笑った。人間、独りぼっちより2人方が、良い。家族がいるともっと良いと加藤が笑いながら言った。そして、竜二が、お礼を言って川尻の家に帰っていった。
その後、実家で独立したいという話しをすると、うちの納屋を改修して畳を入れて部屋にする事は、お前なら出来るだろと言った。そうしたら、うちの仕事の手伝いすると言う条件付きで無料で住んで良い。
結婚する相手が出来たら使ってない納屋を壊して、あそこに新居を作れと言ってくれた。土地代なんていらねえと父が言ってくれた。そして竜二が、ホームセンターへ行って木片と工具と備品を買ってきた。
そして、10日程で12畳程の広さの小屋を納屋の中に作った。そして、板張りの部屋と6畳の畳部屋を建築。簡単な押し入れと手作りのタンスを作り、新しい布団を買ってきた。材料費が全部で20万円で完成し預金残高が150万円になった。
そして9月が終わり10月になり、この結果を加藤の所へ行って報告すると、それは良かったと喜んでくれた。当面150万円あれば、何とかなると言った。来週にでも、肉、買ってくるからうちで焼き肉パーティーをしようと加藤が言ってくれた。
それじゃー料理は、俺がやると、竜二が言うと、そりゃ楽しみだと、加藤が述べた。そして1966年10月10日、今日は、俺の17歳の誕生日だと竜二が照れながら言った。
ところで話は変わるが、お前、NHK通信高校講座で高校の勉強をして高卒の資格を取らないかと加藤が竜二に提案。加藤が、ラジオ2つ持ってるから1つやるから、やってみたらと助言して終了証明をもらえば、高卒の資格もらえると教えてくれた。
NHKから資料を取り寄せてやるから、考えて見ろと、言われ、竜二は、首をたてに振った。10月10日、竜二が、11時に自転車で、加藤の家に来てキャベツを切ったり御飯を炊いたりした。そして11時半に材料が全て揃い、御飯も炊けた
そこで電気のホットプレートをあたため油を入れ熱くなった所で肉を入れるとジューッと旨そうな音を立てた。肉の回りに小さめに切ったキャベツを散らした。ジュースとコーラをコップに注いで飲み始めた。やがて、肉が焼け始め、さー食うぞと言った。