3話:加藤と竜二の接近と小判の調査
そして、ソースと醤油どっちが良いかと言うと、どっちも食べてみたいと答えた。それを聞き、2つの皿にソースと醤油を入れて持って来た。お好み焼きを4つに切り分け、皿にのせて持って来た。
先に食べて、良いぞと言うと、またフライパンを火にかけ、油を入れてフライパンに残りのお好み焼きを全部、投入した。竜二が、最初に醤油をつけて食べると、旨いと言い、次にソースにつけると、俺、やっぱり醤油の方が良いと言った。
加藤優造もお好み焼きを食べると、俺も関東の人間のせいか醤油の方があうと言った。すぐまた、フライパンのお好み焼きをひっくり返して、焼き始め、少しして、火を止めた。
そうしているうちに、竜二の皿にお好み焼きがなくなったので、加藤優造が、俺の食べて良いぞと言うと、いや、半分ずつに、すべきだと竜二が言うと、お前は律儀な奴だと、また笑った。
そして2回目のお好み焼きが出来上がり、また4等分して分けた。食べ終わると、ご馳走になったんだから、俺が皿を洗うというので良いよ、気にするなと言ってくれた。じゃー、俺、帰ると竜二が言うと再来週までには東京で、調べてくる。
だから、また来いと、加藤優造が言うと、わかりました、ありがとうございますと、頭を下げて、ごちそうさまでした、本当旨かったと言い、爽やかに帰って行った。その後ろ姿を見ながら、何て、面白い奴だと加藤優造は、竜二を好きになった。
そうして2週間後、1966年5月10日竜二は再び、昼頃に加藤優造の家にやってきた。そして、アユ4匹、持って来たから、焼いてやろうかと竜二が言うので、頼むと言うと、塩借りるよと言いアユにまんべんなく振りかけた。
次ぎ、網の上にアユをのせて、弱火で焼き始めると、加藤が、御飯は、炊いてあると言うとアユの茶漬けでも御飯と混ぜても、どっちでも旨いぞと伝えた。アユをひっくり返して数分後、これで焼けたと伝えた。
2つの皿に大きなアユを2匹ずつのせ食べ始めると、加藤が、天然のアユは香ばしいと言って、喜んで食べた。食べながら、俺は、アユ、ヤマメ、キノコ、タケノコ、山菜採りの名人なんだと告げた。
また、持って来てやると言うと、そりゃ楽しみだと言ってくれた。食べ終わると、加藤が小判は本物だ江戸時代の享保小判で純金ではないが金が85%以上できれいな物なら70万円。
この程度なら40万円と言われたと話した。それから金は、柔らかい金属だから、決して強くこするなと金の業者が話していた事。出来たら空気に触れないようにビニール袋のケースに入れ空気を抜いて密封しておくと良いと言われたと教えた。
これにより、酸化を防げ、価値が下がり難い事、金地金の価格が、変動するから、金価格が上がれば、売値も上がると話していた事。この3点を教えてくれたと言った。紙に書いて欲しいと、竜二が、加藤に頼むと、書いたメモを渡してくれた。
ところで、何枚あるのかと、聞くと詳しくは言えないと竜二が言うと3枚以上かと聞くと、うなずき10枚以上かと聞くと首を横に振った。それなら必要な時に持って行けば、概ね50万円前後で売れると語った。
税金のことも考えると、俺と一緒に別々に売った方が怪しまれないと教えた。こう言う物を一気に換金するのは、怪しまれるから、一番良くない。もし警察に通報されたら面倒なことになる。
それに信用できる老舗の金取引商人の店でないと信用できないとも言った。すると信二が、その時、手数料払うから、手伝ってくれるかと加藤に聞くと、もちろん良いよと笑いながら言った。
でも、この話は、他人に言わないでくれと言うと、そりゃそうだ。俺とお前の秘密にすると言い、神様、仏様、もう一つキリスト様にも誓いますと言い、笑いながら伝えた。
真面目な話、お願いしますと言うとわかってる、君を信用してるし、君も僕を信用したまえと、加藤が、笑いながら言い、約束げんまんと、小指をからめた。最後に、金地金の価格の変動を把握しておいてて高くなってから売りと説明した。
その時、また、お前に連絡してやると言ってくれた。少しして、じゃー俺、帰ると、信二が、告げた。アユの差し入れ、ありがとうよ、また、遊びに来いよと、加藤が言うと何かお土産もって、また来ますと信二が答えた。