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放課後の絵描きさん  作者: 夢迷四季
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幻日 三

自分の中にもいるであろう天使と悪魔が登場!!

ただ今後の内容的に最初で最後になりそうな予感(笑)


一段落したところで皆はそれぞれ用事があるらしく帰る準備を始めた。

私は無理やり痛む体を動かしたせいで動けなくなっていたので、とりあえず眺めているだけ。

そして川村がさっさと帰った事をきっかけに笑麻、咲、真翔くん明枝と帰って行った。

紅葉ちゃんと萩原くんカップルも無事で良かったと、ホッとした表情でそう言って帰って行った。

残ったのは二人。

見知らぬ男子と恭夜くん。

恭夜くんは何か言いたげ表情をしているが一向に話そうとしない。

時間は容赦なく過ぎて行き、約10分が経過した。

ようやく恭夜くんは一言。


「本当に、無事でよかった。目が覚めなかったらと思って怖かった」


そう言った。

精一杯伝えようとしている感情が伝わってきて、ちょっとだけ目頭が熱くなる。

けど私は人前で涙は見せない。

隠すように笑うとお礼を言った。


「お見舞いに来てくれてありがとう」


どれだけ嬉しいのか、しっかり伝えようと笑顔で言えば、恭夜くんはまた顔をそらした。

照れたのかな?

うふふふふ(笑)

可愛いな~やっぱり天使だよ恭夜くんは!!

そして恭夜くんはようやく名前も知らない男子の事を紹介してくれた。


「…多加木(たかき)。俺についてきてくれたんだ。幼馴染で」


え?

タカキ…?


「どうも、多加木、丈也(ひろや)です。よろしく」


そう言って会釈する彼。

まさか、まさか、確認する前に本当だって確信することになろうとは…。

ってことは源栞さんの話は本当だったという事なの?


「…えっと、よろしく。唐突で悪いのですが一つ質問してもいいですか?」


私は一か八か、聞いてみることにした。

恭夜くんはキョトンとしている。

多加木くんも動揺かと思いきや、無表情だった。

そして答えた。


「はい、どうぞ」


何か知っているのか?

まるで何を聞かれるのかわかっているような表情だ。

とりあえず聞いてみる。


「…源栞さんを、知っていますか?」


その名を口にした途端、恭夜くんの表情が一変した。


「な、なんで黒川が栞の事を知って……!!」


そこで恭夜くんはバッと多加木くんを振り返り怒鳴った。


「まさか丈也、お前が仕組んだのか!?」


普段の恭夜くんからは想像もつかないような大声でそう叫ぶように言った。

多加木くんは表情が微妙に変化して反論しようとする。


「いや、俺黒川さんと話し「黙れ!!もういい!!」


多加木くんの話を聞こうとせずにそう言うなり踵を返す恭夜くん。

ドカドカと歩いて病室を出て行ってしまった。

最後に私の方を一瞬見て、何だか悲しそうな、泣きそうな表情をしていたのが物凄く気になる。

けど追いかけたくても追いかけられないのが現状だ。


ーーどうしようーー


恭夜くんはもう私に会ってはくれないのだろうか。

そんなことを悩んでいると、呆気に取られていた多加木くんが我に返ったようでこちらに視線を移した。

少し表情が分かりにくいが、どうやら驚いているらしい。

という事は先程も無表情に見えていただけで感情表現していたのかもしれない。

緊張とか?(汗)


「とりあえず恭夜には後で言っとくよ。…けどどうして黒川さんが栞を知っているんだ?」


やっぱりそこ聞かれるよね…。

初対面の人に言うのは気が引けるけど、伝えておいた方が良いだろう。


「気を失った直後、夢を見たんです」


私は話した。

夢で出会った完璧と言えるような女の子に出会った事。

そしてしばらくして私と同じくらいの見た目になったかと思えば源栞という名を名乗ったこと。

恭夜くんと幼馴染だと言う事。

知ったことをすべて、嘘偽りなく伝えた。


最初、多加木くんは複雑そうな表情をしていた、ように見えた。

信じてよいのかわからないと言った顔だ。

はっきりとはわからないけど。

しかし幼馴染である彼らしか知らないはずの言葉を伝えると、信じたようである。

熱心に聞いてきては事細かに説明させられた。

疲れたけどまあいいか(笑)

多加木さんは完璧に信じた様子である。


「まさか栞が…でもどうして黒川さんに……?」


自問自答を始めてしまった。

しばらく考え込みそうな勢いだな…。

そう言えば、恭夜くんはどうしたんだろう。

考え込む多加木くんを横目に流し、病室の出入り口に視線を移した。

恭夜くんがいるような気配がないところを見ると、帰ってしまったようだ。


ーー嫌われたかな?ーー


そう考えてちょっと胸が締め付けられるような感覚に陥った。

自分の中の天使が言う。


『陽月は恭夜くんが好きなんですよ!認めましょう??』


テンションが高い。

何だか場違いな明るさだな、と思っていると悪魔が言った。


『まだ認めるには早すぎると思うよ?』


冷静沈着。

そんな言葉が似合いそうな淡々とした物言いに内心少し苦笑する。

まるでこの間までの私の様だ。

きっと悪魔の考えで動いていたのだろう。

良くも悪くも大事になるような物はなかった。

天使の方がチャレンジャーなんだろう。

大きく思案する者が逸れてきて、天使と悪魔に叱られる。


『ちゃんと考えてください!!』

『ちゃんと向き合え!!』


二人はほぼ同時に同じようなことを言った。

やはり天使と悪魔と言えどこういうところはそっくりなんだな。

改めて感じた。

そして一言。


『私はまだ、その時じゃないと思ってる』


つまりはまだ認めない。

そう言うと、天使はしょんぼりし、悪魔はホッと息を吐いたのを感じた。

けど仕方がないんだよ。

今はまだ余裕がない。


『もう少し様子を見たい』


私は自分の中にいる天使と悪魔にそう宣言して、現実に目を向けた。


さて、もう少しよくわからない話が続きそうです。

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