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放課後の絵描きさん  作者: 夢迷四季
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炎陽 三


 結局あの後二人は一度戻ってきたが、また居なくなってその後は戻ってこなかった。

恭夜くんに任せておいた飾りは委員長達も含め、クラスの人が手伝ってくれたのでさっさと飾り付けをすることができた。

二人はひっそりと戻ってきたが、黒板の描きかけの氷山を見るとあっという間に消し去ってしまった。

その時に声を一度かけたら二人曰く、美術部顧問に他の方がいいのではと言われたかららしい。

そして三時間も掛かって描かれたと言う氷山の一角が消えて二人が出ていった時、気が付いた委員長はまた怒った。


「三時間も掛かってそこまで描いたのに無駄にしちゃうの!?」


そしてまた二人が廊下で泣いているのが見えた。

委員長、いい加減ぶん殴るぞ?

そんなことを思いながら睨めば、委員長は気付いて鼻で笑う。

まるで自分が女王様だと言わんばかりの勝ち誇ったような顔で。


「バカが何睨んでんの?」


そこから先はわかるよね?

私はその瞬間スイッチ入れ替えだーいへーんしーん!

委員長に向かって見下すようににやりと笑いながら言いました。


「威張ってばかりのバカが何言ってんだか」


その瞬間委員長は私の性格がいきなり変わったことに吃驚して固まった。

たぶんそこに居合わせた人皆吃驚してたと思う。

恭夜くんは部活の仕事の方に言っていなかったけど、川村は呆れたように苦笑していた。

私はさらに言った。


「そう言えばさ、テスト返却されたよね?」


ニコニコしながら委員長に問う。

委員長は「そうだけど、それが何?」と言いながら警戒している。


「委員長ってさこのクラス『では』成績良い方なんだよね?でも学年では普通」


そこまで言ってから即真顔に。


「そんな人に学年10位以内に入った私がバカだって言われたら、女王気取りで見下されたら、黙っていると思う?」


冷ややかに、あくまで淡々とした物言いで、私はそう言った。

あれ?

ちょっと気温下がったかな?

皆震えていた。

あ、あれ?

何故皆そんなに震えているのですカ?(汗)

そこで苦笑気味の笑麻に宥められた。

ハッと我に返って笑顔で締めくくる。


「委員長がしてるのはこういうことだよ、もっと悪質だから殴りたくなるけど。本気で殴りこまれないように今後気を付けてね」


はーすっきりした(笑)

上機嫌でそう言って教室を出ようとしたところ川村に呆れられた。


「やり過ぎ(笑)」


その一言で振り返ると、委員長は恐怖で顔が真っ白になっていた。

あちゃー失敗失敗(笑)

今後気を付けます!

そうして一旦終わった氷山事件でした。




それからは皆真面目に作業するようになった。

伊理塚は前にも増して休みがちになり、咲も彩も学校に来なくなった。

まあ理由はわからないが、大体はあの委員長のせいだと皆噂したせいで、咲達に同情する声がちらほらと聞こえるようになった。

ここまで追い込むつもりはなかったのだが。

まあ委員長ああ見えて結構図太いから、大丈夫でしょ!!

そう考えて、今日も自分自身は平和に生活中です。


そうしてやってきました文化祭前日!

咲達は来なくなって黒板係が不足したために私と恭夜くんが臨時で助っ人に入ったりしていた頃。

咲達が遅刻はしてきたものの学校に来ました!!


「あ、咲!彩!おはよー!!」


笑麻が満面の笑みで二人に駆け寄る。

私も行こうとしたところで、恥ずかしながら、こけそうになった。

その時!!


「あっぶね」


体勢を崩した瞬間に反応できなかった私を抱きとめてくれたのは…。


「恭夜くん!?あ、ありがと」


羞恥覚悟で目をつむったところで全力で抱き留めてくれたのは恭夜くんでした!!

そう、クラスメート皆忙しそうに走り回っていて気付いていない。

そんな中気付いてくれた恭夜くん。

私暴走寸前。


ーーわああああああああああはずいいいいいいいーー


心は嵐。

周りは喧騒の渦。

これが冷静でいられようか。


「あ、うん…怪我してなくてよかった」


いやああああああああイケメンスマイルうううううう!!!!

ドストライクボイスうううううううう!!!!

あの、あnkyhdv…………。

※言葉にならなかった。


「あ、ありがと、ほんと、ごめん」


片言になりながらお礼を言って離れる。

恭夜くんもやっと気付いたらしく、ぱっと離れて赤くなった。

か、可愛い(泣)


「え、えっと、なんかごめん」


そう言って教室を出て行った。

いや、うん。

私ですら今の現状ヤバかったと思ってる。

滅茶苦茶緊張した。

今は動けそうになかったので、咲達の方を見るのみに徹する。



《恭夜目線》


何でまたあんな大胆な行動に!!!

と教室を影を薄めて出たところで頭を抱えて嘆く。

恥ずか死ぬ、じゃなくて、穴があったら入りたい気分だ。

いくらこけそうになってて危ないからって、抱き留めるって…。


「そんな悩んでどうしたの?」


一人赤くなっては嘆く俺を見かねたのか、川村が声をかけてきた。

どこか呆れているようだけど。

そしてド直球な質問。


「黒川を抱き留めた事が恥ずかしいのか」


いや、質問じゃなかった。

確信を持って聞いてきたよこの人は。

それに簡単に真っ赤に染まる俺。

答え言ってるようなもんだよね。


「って、え。見てたの?」


すっと、血の気が引いていくような感覚に陥りながら聞いた。

いや、確認した。

川村はちょっと考えてから答える。


「偶然目に入ったもので」


わざとじゃないと言いたいのはわかったが、しかし。


「見られてたとか死にたい」


崩れ落ちる俺を川村が慰めてくる。

川村流で。

正直悲しくなった。


「まあ逆に俺以外は見てないみたいだからよかったじゃん」


誰かに見られたって事が問題なのに。


「それにあの場で俺にしか見られてないって逆に運良かったと思うよ」


それはそうだけど。

反論したくても正論過ぎて何も言えなくなる。

ようやく落ち着きを取り戻してきた。

そこでまた川村のド直球質問。


「恭夜くん、黒川が好きなん?」


ちょっと待てええええいいいい!?!?!?

突然、しかもここでそれ聞くか普通!?


ーー俺のキャラが崩れていくーー


思わず赤面し何も答えずにいると、川村はニヤニヤしながら言った。


「付き合いたい、とか思わないの?」


それを聞いて、高ぶっていた感情が一気に覚める感じがした。

一瞬で無表情になった俺を見て川村は少し動揺したようだ。

少し申し訳ないが、仕方ない。


「俺は…そんなこと考える資格はないから」


その言葉を最後に川村のいじり攻撃は終了した。



《陽月目線》


咲達は教室の入り口のすぐ近くで話していた。

笑麻と、咲と、彩。

三人で楽しそうに。

その時ふと、疎外感を感じた。

私が居ようと居なかろうと、三人は仲の良いグループであって、私はただその中に入れてもらえているだけ。

そんな感じがした。

結局は、そう。

友達になり切れずに終わった関係、みたいな…。


ーー…って何考えてるんだろ、私ーー


ちょっとだけ寂しさを感じたが、すぐに振り払った。

咲達に声をかけようか悩み、結局やめて総仕上げのようなか感じで飾り作りをしようと移動する。

明日は文化祭なのだ、しっかりやろう。


「よし」


気合を入れ直して、作業を再スタートさせた。



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