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放課後の絵描きさん  作者: 夢迷四季
22/49

日輪 四

唐突に来ました!番外編のようなもの!!

強いて言えば…『微妙に番外編』です!


 突然ですが、生徒会信認選挙の日になりました。

平和な日常生活を送っていたはずが、どうやら校長先生の発案でこの時期に選挙を行うことにしたらしい。


ーー校長先生自由過ぎないかぁぁぁぁああ!!??!?--


担任に問い詰めたところ、校長曰く早目に信認選挙終わらせちゃえば後々生徒会の負担がなくなるとか何とか。

そんな理由で学校行事を行う日とか変えられるものなの…?


※実際こんなことは起こらないと思いますが、この物語中では起こります。ご了承ください。


そんなこんなで対して練習できずに本番となってしまった私達生徒会役員立候補者。

どうしよう本当に、と思いながら当日の朝を迎えた私はいつもより少し遅れて学校へ来た。


「おはよう黒川」


通常運転の川村に挨拶をされ、沈み込んだ気分のまま返す。


「おはよ…」


表情(かお)が酷いありさまだと思う。

昨日は寝付けずようやく寝れたと思ったら悪夢を見る始末で、ろくに休むことができなかったせいだ。

悪い意味で遠足前の子供の様だよね。


「…顔色悪いね」


同情の籠った言い方をされ少しイラッとする。


「仕方ないじゃん、ろくに寝れなかったんだよ」


思った以上に冷たい口調になってしまった気がするが、川村は気にする様子もなく続けた。


「そんなんだと本番前か本番中に倒れるぞ」


そんなことわかってるけど、と言い返せば川村は先ほどまで読んでいた本を閉じる。

それから少しため息をつくと吃驚するようなことを彼は言った。


「三十分しかないけど朝読書まで少しは時間あるし寝てれば?五分前には起こしてやってもいいよ」


正直偉そうな口調にはイラッとした。

けれど普段なら勉強を教えてもらう時間を寝る時間にあてろ、と言う申し出に物凄く感謝した。

少なからず心配してくれたのが嬉しくて、ホッとした。


ーー親だったらこんなこと絶対言ってくれないからーー


「ありがと、じゃあ寝るね。…ちゃんと起こしてよ?」


川村の優しさに甘えることにした私は机に突っ伏してから念を押すようにそう言うと、呆れたように川村が返してくれた。


「流石に約束は守るよ」


それに安心して眠りについた。

多分物凄く緊張していたからだろう、眠りについても全く夢を見ず爆睡できた。

ただし学校だという事は体が覚えていたのだろう。

約束を守って川村が起こしてくれた時、すぐに目覚めることができた。


ーー普段とんでもなく不機嫌になったりするのにね。やっぱ学校だからかなーー


そんなこんなで信認選挙前にゆっくりと休めたのである。




しかーーーし!!現実とは残酷なものよ。

ホッとしたのもつかの間、一時間近くの信認選挙が午後、お昼休み後に行われた。


「どうしよう陽月ぃ」


今にも叫びだしそうな勢いで私の事を呼ぶ咲。

顔色が優れないね、って思った瞬間飛びつかれた。


「わっ!?」


「震えるよ~」


泣きだしそう、の前にガチな方で叫びだしそうだと思い、全力で宥める。


「大丈夫だって。時間は短かったけど結構練習したし咲の発表する内容は滅茶苦茶いいじゃん!話すだけだよ」


私だって震えるほど緊張しているという事は敢えて言わないでおいた。


ーー逆効果だった時怖いし(真顔)ーー


けれどその考えは甘かった。

よく考えてみれば咲が私の話に納得した覚えがない!!

そして案の定叫んだ。


「うあああああああもううううううどうしよおおおおお」


うっわぁお。

現在体育館で生徒会立候補者とかしかいない状況でほんとによかった。

皆吃驚してこっちを振り返ってはこうつぶやく声がちらほらと聞こえる。


「ああ彼女か」「まああの人ならこうなるだろうと思ってた」「咲ちゃんなら仕方ないね」


なんでそんな反応!?!?

っていうか変な目で見られないところが凄い!!

え、何か知らないうちに咲って物凄く有名になってる?

混乱しながら必死に思考を巡らせていると、声をかけられた。


「大丈夫?」


咲ではなく私に言われているのだと気づかなかったため反応が少し遅れたが、振り返って返事をしようとした。

そこで美術部の部長さんだという事に気が付いた。


ーー?何故美術部長が?ーー


「あ、はい、私は大丈夫ですけど…」


そこまで言うと美術部長が言う。


「吃驚したでしょ咲ちゃんの人気度。体育祭の時以来学校全体に広まってね、気付けばこの学校にいる人たちで知らない人は居ないような状況になってたんだよね」


そういった部長さんは笑った。


「それ笑えませんよ!?」


私は思わず突っ込んでしまったが、まあいいだろう。

それよりも…。

さっきから気になっているのだが、何故ここに川村のお姉さんの川村先輩がいるのだろう。


「どうしてここに川村先輩がいるんですか?」


何気なく聞いてみたら、なんか吃驚された。

なんで?(汗)


「何で名前分かったの!?」


そこですか!!

そこに驚いたんですか!!!?

いや、まあ名札とかもちろんないわけだから吃驚して当たり前だろうけど…。

一度面識あるのになあ。


説明しよう。

一応部活動見学の時に咲に名前等を伝えておいて、それから見学に行ったつもりだったのである。

※『照る日』の辺りを確認して頂くとわかると思います。


で、時間もなかったし、もっともな理由を伝えることにした。


「翼と言う名の弟さんいらっしゃいませんか?」


「いるけど…あ、もしかして翼のクラスメート!?」


あ、理解してくれたみたいだ。

良かったぁ変人扱いされなくて。


ーー勘違い誤解からの変人は一番訂正が難しいと思うーー


個人の意見だけど。


「そうなんです!いつも翼くんにはお世話になってます(笑)」


愛想よくと思って笑いながらそう言ったのが間違いだった。


「あいつめっちゃ頭悪いでしょ?ごめんね~迷惑かけて」


…ん?

今、私聞き間違えたのかな?


「え?」


思わず聞き返してしまった。

川村先輩は気にした様子もなく再度同じ言葉を口にした。


「翼、頭悪いんでしょう?」


やっぱり聞き間違いじゃなかったぁぁぁぁぁあ!!!!???

川村あやつ一体家族にどんな伝え方してるの!?

あやつが頭悪い!?

そんなこと言ったら私はどうなるの!!!??


「すみません、川村先輩。翼くん成績がクラス一位ですよ?」


思わずそう言うと、川村先輩は物凄く驚いて目を見張った。


「あいつが!?」


ったくもう!!

川村の奴、家族になんて伝えてるんだよー…。

事実伝えてあげなよー!!


そんなことを叫びそうになるのを必死にこらえて、先輩の問いに答える。


「はい、学年10位以内にも入ってますよ」


で、今更気づいた。

もしかしてあやつわざと伝えてないんじゃないかって。

わからないけど、そうだとしたらめっちゃ無神経な事したことになる。


ーーあとで聞いてみようーー


そうして一人で心配していると、川村先輩がブツブツと呟き始めた。


「…あいつどこで勉強してるんだ…?…家じゃ全くしないでゲームばかりやってるくせに…」


ああ、そういや川村そう言ってたっけ。

家だと集中できない、勉強したくないからとか何とか。


ーーそれは本当だったみたいだけど…なんであんなに成績がいいんだ?ーー


最後に残った疑問はすぐに思い至った。


ーー部活の勉強会かーー


大体そこで勉強して尚且つ練習できるから効率がいいって言ってた気がする。

そしてそれを川村先輩に言っていないと。

こりゃやらかした疑惑ですな。

まあ過ぎちゃったものは仕方がない。

開き直って現状の川村を報告しようとした。


「翼く「川村さーん!」


先生の川村先輩を呼ぶ声に私の言葉はかき消され、川村先輩は「じゃあ失礼するね」と言って立ち去ってしまった。

何だよぉぉぉぉお先生も私の言葉を遮るのかぁぁぁぁあ!?!?

きっとこういう体質なんだ、と諦めることにした。


「で、咲。大丈夫?」


ずっと放置してたけどさっき叫んでたくらいだから相当精神的に来てると思うんだよね。

なので声をかけてみた。

咲は今度はお腹を押さえていらっしゃる…。


「どうしよ、腹痛が…」


あちゃー前以上に酷いなあ。


説明しよう。

前もクラス内で発表があった時も咲は、体調不良となった。

傍から見れば物凄くしっかりとした発表だったが、本人曰く『やらかした』らしい。

その後滅茶苦茶沈み込んでしまった為に全力で宥めたことがある。


その時の体調不良より明らかに酷いようなのは見てるだけでもわかった。


ーー頼むから沈み込まないでね~(汗)ーー


そんなこと言いながら私は咲の背中をさすってあげた。

…一応私も緊張してるんだ…いや、これでも結構緊張してたんだよ?

だがしかし色々驚くことが続いたおかげでだいぶ緊張が解けた。


ーー川村、咲、川村先輩に感謝しないとね。ーー


そうして時は進み、信認選挙は何事も(強いて言えばマイクが一つ壊れたこと以外)なく、無事に終了した。


結果は上々。

始まるまでの時間にだいぶ緊張がほぐれたし、演説中はつっかえることなく話すことができた。

咲の方はもちろん素晴らしい演説だったけど、本人はまた納得がいかないらしい。

思った事…咲って意外と頑固なんだね!!

ようやくたどり着いた答えでございます(笑)


まあとにかく何事もなく生徒会信認選挙も終わったわけだし、また平和な日常生活が訪れそうな予感。

唐突ですみませんでした(;^ω^)

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