日輪
前回までのカオスはしばらくお休みさせるつもりです
今回はほのぼのを目指しましたよ!!
体育祭から数日、平和な日常生活が続いていた。
そう思っていた。
「けいちゃんけいちゃんけいちゃんけいちゃんけいちゃん」
「テルさんテルさんテルさんテルさんテルさん」
「だっちゃんだっちゃんだっちゃんだっちゃんだっちゃん」
順に言ってる人を述べると、笑麻、咲、そして私である。
今まで常人だった筈ーーもしかしたらちょい変人かもーーの私が何故こうなっているのかと言うと、平和な日常生活の間に色々起こったからである。
さて数日前。
ようやく体育祭と言う学校行事が終わりひと段落時、笑麻がーー笑麻、咲、彩、私のーー四人で打ち上げがてらカラオケに行こうと言い出した。
「いーね!!行こ行こ!!」
真っ先に食いついたのは咲。
「うーん予定が詰まってるからなあ…出来れば行きたいな」
ちょっと不安気だけど行きたいと言う彩。
私は予定と言う予定がなかったし、バイトも一応していたがテスト勉強のために少し休みを取っていたので、気分転換のために使おうと考えていた。
なのでもちろん、
「うん、行こう行こう!」
と言った。
ーーそれにしても、カラオケかあ。だいぶ言ってないからなあ…帰ったら何歌うか厳選しとこーー
実は最後に行ったのは一学期の最初の方に一度だけで、カラオケと言うものすら忘れかけていたのだ。
どうせ友人と行くならある程度歌えないと面白くないし、という事でその日家に帰ってから早速今までヨーツベで聴いていた曲を調べなおした。
そして…。
★YA☆RA☆KA☆SI☆TA★
中三の頃に一時期ハマっていたA〇Aの曲を聴いてしまったのである。
その瞬間。
「うわあああああああA〇Aだあああああああああ!!」
はい、お察しいただけたでしょうか。
暴走した時の咲や笑麻や彩たち同様、私も発狂してしまいました。
だってだってかっこいいし可愛いしメンバー皆仲いいしいいじゃないすか!!
凄くハマったんだよ仕方ないでしょう!
それからはほぼ毎日ヨーツベでA〇Aの今までの曲を聴き続け、新曲は覚えてしまうという事態となった。
あれ?何か忘れてる気が…。
何となく何か大事なことを忘れている気がしたが、考えてみてもわからないので曲を聴き続けた。
ただそれは無意味となってしまった。
数日後、カラオケに行く予定だったのだが…。
「ごめん、バイト入っちゃった」
一番乗り気だった咲が脱落。
そして笑麻。
『胃腸炎になった…ごめん!!!』
LAINにて伝えられた現実。
そして彩。
「課題終わってないからって補修入っちゃった、ごめんね」
まじかああああああああああああああ!!!???
一体どうしてこんなにも偶然が重なるんだろうね!?!?
ある意味凄いよ!
感心しちゃうよ!!
そうして私の費やした時間は無駄となった。
…その瞬間気付いた、と言うか思い出した。
何のためにバイトで休み取っていたのかを!!
ーーだああああああああああやらかしたああああああああ!!!!ーー
表には出さなかったと思うが、心の中は嵐であったと思う。
それ以外は特に何も起こらず、平和な日常だったと思われる。
ただ一つ、もうすぐ中間テストだったという事実を除いては。
そして現在。
朝いつもより早く家を出た私は川村に向かって土下座中。
一体どうしてこうなった!?と思う方も多いでしょう。
ただこれには海よりも深~い訳がある。
「川村、おはよう。いきなりだけど休みの日も勉強教えてください!」
教室に入って川村に声をかけるなりそう言って頼み込んだ、が。
「え、ヤダ」
即却下された。
ーーぐぬぬ、取り付く島もないーー
しかしその程度ではまだ引けない!
「お願いします私だけじゃなくて笑麻とか恭夜くんとか一緒にでもいいから!!」
こんな話まだ伝えてないけどすみません、使わせていただきました。
だって本当に教えてもらわないとテストが大変なことになる。
それを聞いた川村の反応は…。
「面倒だからヤダ」
うう、全くと言っていいほど揺るがない。
しかし諦めるわけにはいかない、どんな手を使ってでも!!
そして私はまたまたやらかしたと思う。
そう!私は川村に向かって土下座したのだ!
「川村!この通りですお願いします!」
流石に川村も動揺したようだ。
焦ったような声色で言っている。
「いくら何でも土下座はないだろ…わかったよ、今回だけな!」
よっしゃ!!!
「ありがとう!!」
そう言ってがばっと頭を上げると、川村はだいぶ困った表情をしていた。
まあ目の前であんな土下座されたら誰でも困りますわな。
ほんのちょっと罪悪感を感じたので、後で謝っておいた。
その後、笑麻と咲と彩、それから明枝と恭夜くんに伝えて皆で行くことにした。
まず笑麻、咲、彩に伝える。
時間は休み時間で、廊下で話していた時だ。
さりげなく話題を持ち出してみた。
「あのさ、もうすぐ中間テストじゃん?それで、私休みの日に川村に頼み込んで勉強会することになったんだけど、三人も一緒にやらない?」
皆表情が『ちゅうかんてすと?なにそれおいしいの?』と言った感じで現実逃避仕掛けているのが分かった。
しかーし!!ここで皆に断られるわけにはいかないんだ!!
私はさらに話し出す。
「ほら、わからないところとかもあるわけじゃん?それの確認とかちょっとした気分転換とか、あとテストに出やすそうなところとか一緒に考え「私は参加する~」
はい、いつも通り盛大に遮ってくれた笑麻さん。
でも参加者一人ゲットおおおおお!!よっしゃ!!
「家じゃ勉強しないから私も参加するよ」
ちょっと嫌そうだけど了承してくれた彩。
まあ勉強自体は皆嫌いだろうしね、どうせなら皆でのほうがいいよね!うんうん(笑)
さて、肝心な咲は…。
「うーんわたしはちょっと…」
乗り気じゃないみたいだ。
まあ人それぞれだしね、私は無理強いしたくないし。
仕方ない。
「じゃあ咲は不参加でおけ?」
一応確認のため聞き返すと、ちょっと寂しそうだけど頷いた。
「んじゃ、明枝は誘わない方がいいか…」
言ってからハッと口を抑えたがもう遅い。
後ろにいた明枝に思いっきり聞かれてしまいました。
「何々?何の話?」
暑苦しい奴来たあああ!!
今日も何故素晴らしく面白いタオルを持っているのかなって思って、見たらテルさんの髪が胴体と同じくらいの山になって頭に乗っかっている絵がプリントされていた。
…待て待て待て、このキャラクターどういう設定ですか!?
滅茶苦茶気になるよ!!!
そして咲、目をキラッキラさせて眺めてるけどそれ、貰えないからね!?
っていうかちょいちょい手を出しかけてるけど強奪するなよおおお!?!?
そんな心情を他所に、笑麻が勉強会の事を明枝に話していた。
「つまり、川村に勉強教えてもらえるってこと?」
笑麻が頷くと明枝はうーん、と唸ってから言った。
「筋トレしたいしなあ、でも川村が教えてくれんなら行こうかなー」
どうやら参加するようだ。
「んじゃ参加って事でいい?」
確認すると明枝はおう!っと元気よく返事してくれた。
その服装で、咲に強奪されそうになりながら笑顔で言われると中中にシュールである。
ちょっと笑っちゃいました(笑)
さて次は…と思って移動しようとしたら、声をかけられた。
こ、この声は…!!
「陽月ちゃんやほー!」
久しく話していなかった紅葉ちゃんだ!!!
うおおおおおお!!あの日の出来事がつい昨日のことのように…ゲッホゲッホゴホゴホ。
危ない危ない、暴走する所だった…。
すぐに冷静になり振り返る。
「こんにちはー萩原翔です」
紅葉ちゃんの隣にいた人に突然自己紹介をされ、頭を下げられた。
頭の理解が追い付かずに呆然としていると、紅葉ちゃんが萩原くんと言う人に腹パンを決めた。
おお、クリティカルヒット…と言いながら蹲る萩原くんを無視し、私に笑顔で言った。
「ごめんね翔がいきなり自己紹介して」
そう言われてからようやく事態が飲み込め始めた。
「…あ、私は大丈夫だけど、萩原くんだっけ。大丈夫?」
思いっきり腹パンくらった萩原くんの方が大丈夫じゃなさそうなんだけど、と思い彼に声をかけると、へにゃっと笑って返してくれた。
「大丈夫だよ~ほぼ毎日こんな感じだから」
え、それって大丈夫じゃなくない?と思ったが、本人が大丈夫だと言っているから大丈夫だと信じることにした。
「あ、翔は私の彼氏です」
言い忘れてた、と言う感じで突然そう言った紅葉ちゃん。
ーーあ、うん。今のやり取りで何となくそうじゃないかとは思っていましたーー
あまり驚かない私にかまわず先を続ける紅葉ちゃん。
「なんか犬みたいじゃない?」
え、何ですか突然可愛く犬みたいじゃない?って、天然ですかそうなんですか!?
彼氏いるのに私を萌え死なすおつもりですか!!?
な~んて考えながらも冷静に返す。
「んー確かに犬っぽいオーラが出てる気がする」
「やっぱりそうだよね!!」
おぅ、喜ぶ紅葉ちゃん可愛いっす。
普段イケメンなイメージしかないとギャップが半端ないですね。
本人自覚はないのだろうか。
「あ、ごめん、そろそろ教室戻るね。久々にちょっとだけ話せて楽しかったよ、ありがとう!」
最後にイケメンスマイルご馳走様でしたああああああ!!
もちろん二人に笑顔で返します。
「こちらこそ!また話そうね!」
そう言ってそれぞれ教室に戻った。
ちなみに咲や笑麻は紅葉ちゃんが来た時点で教室に戻ったりしてました。
ちょいちょいカオス混じった気がします…。