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放課後の絵描きさん  作者: 夢迷四季
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赤日 五

今回少し短めです。


 現在体育祭予行練習中…の筈だったのだが。

一体どうしてこんなことになったのか頭が理解に苦しんでいる。


事の発端は30分くらい前だ。



体育祭の予行練習は始める時間を少し過ぎたくらいで問題なく始められた。

最初は開会式で次に準備運動。

挨拶がちらほらとされ、ようやく競技種目の練習へと移った。


今日は女子の保健委員が自主休講していて、その代理を決めていたのだが、中々決まらず最終的にじゃん拳で決めることになった。

そして…。


★MA☆KE☆TA★


なので保健室です。

それは良いのだ別に。

体育で大体の体育祭の流れは掴んでいたし、保健室からでも体育祭予行練習を見ることは可能だから。

それは良かったのだけど。


伊里塚の面倒見ろと?一人で??


ーー物凄く大変なのは保健の先生だって知っていたはずなのに!!ーー


しかも他の保健委員は先生たちの指示で体育祭予行練習中であれ自分達の仕事をしているだけ!

同じクラスの男子の体育委員は全力で嫌がったらしいし…。


私含め女子なら嫌がらないでやってくれるかと思ったの!?

これ他の人だったら絶対文句の嵐が来たと思うよ。

全く先生達は一体どうしてこんなことができるのか謎だわ。


ってなわけで暴走しかけている咲からは逃れられたもののとんでもない仕事を押し付けられた現状。

まあ軽い睡眠薬のおかげで今は眠っていてくれているから問題はないけど。

起きた時にどうなるか、だよね。

っていうか私も体育祭予行練習したかったYO☆

だってだって明日本番なのにまともに練習できるの今日だけだったんだもん。

自分の運のなさに涙も出てこない。



そんなこんなで体育祭予行練習が始まって2時間が経過した頃。

伊理塚は相変わらず眠っていたが、意外な人物が訪れてきた。


「あれ?黒川、何でここに?」


そう言って微妙に首を傾げる、川村。


「保健委員って体育祭予行練習中は本部?の方にいるんじゃなかったの?」


質問しながら保健室に入ってくるなりぶつけられたのか分からないけど痣になっているところや切れて血が出ている部分の応急手当を始めた。


ーー最近の男子ってハイスペックだねーー


正直呆れながらも手伝い、質問に答えていく。


「伊理塚という面倒事を押し付けられてね、保健委員の代理とは言え保健委員の仕事わかんないだろうからってここに」


我ながらよく引き受けたものだ。

物凄く暇でイライラしていたから口調がトゲトゲしているけど、川村は気にしないだろう。

そう愚痴るように答えれば、川村は苦笑した。


「あー…痛っ。まあ誰だって面倒事は避けたがるからね、仕方ないよ」


私って案外不器用なのかも、と思いながらも手当を手伝いながら川村の言葉に納得する。

まあ当たり前の事しか言ってないけど、なんかすんなり納得させてくれるのが川村の凄いところだ。

とりあえず私のできることはやり終えたので手伝うのをやめ、話題を変えてみることに。


「今予行練習は順調そう?」


川村は手当を終えてもう動けるはずだが、動かないところを見ると確信した。


ーー川村足ひねったな…?さっき入ってきたとき可笑しいとは思ったけど、予行練習に戻るのは明日の為にも許可されなかったのかーー


ふむ、しばらく暇にはならなそう。


川村はしばらく考え込んでから答えた。


「藤野さんが原因で大変なことになってるかも…あ、テーピングするからそれ取って」


文句も言わずに行動する私は少し考え込んでいた、それが致命的な行動だったのかもしれない。

川村は気付かずに外で予行練習している生徒たちを眺めていた。

本当に自分はバカだと思う。



「ごめん、手荒なことして。女性にそういう事はしたくない主義なんだけどさ」


何故か、今私は伊理塚に口を抑えられていて、謝られている。

川村に言われたものを取ろうとしたところを、カーテンの隙間から見ていたついさっき起きたという伊理塚につかまりまして、こんな状態なのである。

川村は数秒前に先生に呼ばれて保健室を出て行ってしまったし、力の差があり過ぎて逃げられない。

さてねえ、この現状をどうやって打破しようか。


「静かにしていてくれる?」


微かに力を緩めてくれた伊理塚に、仕方がないから『うん』と言う代わりに頷く。

それを見て安心したのか解放してくれる伊理塚。

まあこの人暴走するようなことがなければ大丈夫だろうし、話だけは聞いてあげようと思ったのだ。

とりあえず質問。


「で、一体どうしたの?」


単刀直入過ぎただろうか…いや、間違ってはいないはずだ、私は聞く権利があると思う。

そして単刀直入に聞かれた伊理塚は少し戸惑いながらも、ボソボソと答えた。


「…だ」


「え?」


なんか聞こえない。

声小さいよ、一体どうしたのさ全く。

そう思って耳を近づけたら、今度ははっきり聞き取れた。

その瞬間私は全力で伊理塚から逃げ出して廊下に出て今は誰もいないはずの校内を走った。


「…どういうこと?」


気付けば自分のクラスの教室の前で立ち止まっていた。

話したことなんてそんなないはずなのに、どうしてこんなことになったのか。


「どうすればいいの?」


とにかく私は混乱していた。

まさか『好きです、付き合ってください!』なんて言われるとは思わなかったから。


そして私が保健室から出て走り去っていくのを見ていた人物がいたことを知るのはまだ先の話である。



いやーどうなるんでしょうかねえ(笑)

書いてる私自身がどうなるのか楽しみです₍₍真顔

次は体育祭予行練習中の笑麻視点で書いていきます。

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