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はじまり

初めての投稿となります!拙い文章は多々ございますが、どうかお読みいただければ幸いです!

「お姉ちゃん……暗いね。それになんだか怖い。」


 妹が不安げにこちらを覗き込む中、姉はあたりを見渡す。何も見えない。感じられない。そんな空間になぜ放り出されたのか、そもそもここがどこなのか。二人の疑問に答えられる人はもとより、そもそも他に人が見受けられない。なのに、おかしくなることが無いのは二人の心か元から強いのか。それとも既に…


「大丈夫。私はシオリと離れたりなんかしないから。だから手、離しちゃだめだよ。」


「お姉ちゃんありがとう!」


 二人にとってこの言葉の掛け合いは、お互いの存在を認知する数少ない方法の一つだった。これが無ければ今頃この空間は、二人を完全に飲み込み、二度と出会うことができなくなっていただろう。


 ここに居続けても何も進まないと踏んだ姉は、探索を始める。だが、どこへ進めばいいか宛がある訳では無い。しかし、震える手を握りしめ、一面に広がる暗闇に竦む足を踏み出したのは、(ひとえ)にシオリをこれ以上不安にさせる訳にはいかないという想いだけである。


(震えちゃいけない。手を離しちゃいけない。シオリは私が守るの。)


 心を蝕むような底知れぬ恐怖を受けながら、進んでいく。


「シオリ、寒くない?身体はどこか、おかしくなってない?」


 返事は、帰ってこなかった。


「シオ……リ?あれ?シオリ?どこにいるの?ちゃんと手、握ってないとダメだって言ったでしょ?シオリ?シオリ……」


 彼女を襲った感情は絶望だった。すぐに気づかなかったことに対する後悔もあったのだが、やはり『シオリがいなくなった』という事実が彼女の心を掴み、離さなかった。


「う、うそ…シオリ…どこ?ねぇ、お姉ちゃん置いてどこかに行かないでよ!シオリ!!!!!」


 こんな常闇の中、彼女の絶叫とともに、精神が壊れてしまうのには、さほど時間はかからなかった。





「あーあ、やっぱり壊れちゃったか。妹のこと、大好きだったもんね。まぁ、流石にこのまま朽ちて無くなってしまうのは忍びないし、これから頑張ってもらわないといけないから…」


「#########」


「ん?どうしてこんなことするのか?って?そりゃ、このままだと世界が壊れちゃうからね、手伝ってもらうことにしたの。都合のいいことを言っているのは分かってる。でも世界が終わることを阻止しないと、次世界も、いずれ私たちの世界みたいに終わりを迎えることになるのだから。もう少しで取っ掛かりが掴めそうだったのに、もう、時間が、ないようなの。」


 さ、後は色々伝えること書いとかないとね。元いた私たちの世界のことは、きっと覚えてるはずだからいいとして、次の世界のことを、私が託されてきたことを。


「よし。これで書くこと書いたね。最後に一文付け足して。これでいいや。ちょっと休んでくるね。」


 【お姉ちゃん、後はよろしくね。大好きだよ。】



 この日、この世界に生を受けた者は、誰一人としていなくなった。







 もう、文字が見えない。大粒の涙がシオリが託した手紙を濡らしてゆく。シオリの手紙は、二年の月日を暗闇の中で漂い続けていた私の壊れた精神を癒し、修復していった。そして、生きるための使命を与えてくれた。手紙には、シオリが今まで抗い続けていた事が、私が生きていた世界と別の世界でまた崩壊が起こることが、その崩壊の中心となり歯車を狂わせていく生命体が、その周囲で生き一番影響を受ける人間の存在が、記されていた。


「シオリは…私の知らない間にこんなもの背負ってたんだね。他ならないシオリの頼みだもんね。私、頑張ってみるよ。シオリが望んだ幸せな世界を壊すわけにはいかないの!」


 ここに、新たな調整師が誕生した。


 だが彼女は知らない。狂いだした歯車を止めることはそう容易ではないことを。

いかがだったでしょうか?

ほかの方々の文章は、文章量も多く、読みやすい方々ばかりでなんとも恥ずかしい限りですが・・・

これから、少しずつ投稿して行ければなぁと思ってます!

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