(ワタケン+有希)-亮=Y
終業式の日、有希は亮とちゃんと話をすることに・・・。そこへワタケンが現れ修羅場?・・・。
雪村の一件も落ち着き、あっという間に終業式の日を迎えた。
7月17日 金曜日
「明日から夏休み―♪」
「あーゆっくり寝れるよ~♪」
亜美と知佳は上機嫌。
「いーなぁ皆夏休み楽しそうで。」
真奈美は浮かない様子。
「真奈美は海外滞在だもんね7月いっぱいまで。」
「大変だね~海外のコンクールに出るなんて。」
「それはまだいいの。問題は補修よ補修~・・」
溜息をつきながら、廊下へ移動する真奈美
「アハハ、全然休みじゃないね~。」
他人事で笑う知佳。
「もう~みんなも出ようよ~補修~♪」
おねだりモードで3人を見る。
「さっ、行こ、行こ。」
「そーね。」
「ごめんね~真奈美~。」
「ひっどーい〈泣〉」
《体育館》
ザワザワザワ
全校生徒が集合している。
「え~、それでは終業式を始めます。」
厳かな雰囲気の中終業式が執り行われた。
「え~最後に、野球部から決勝戦の応援に関するお話があります。では、キャプテンの中谷君。」
ざわざわ
中谷は一礼をし、マイクの前に立った。
「野球部の為に時間をとって頂き、ありがとうございます。今回、私たち野球部は地区予選の決勝戦までたどり着くことが出来ました。決勝戦は7月28日、火曜日。試合開始は13時予定です。場所は夢の島球場なので、応援に来ていただけると嬉しいです。野球部一同悔いのない試合をしますので宜しく願い致します。」
中谷は再度一礼をすると
「野球部がんばれよー!」
「応援いくねー!」
「甲子園に連れてけーー!」
体育館中が歓声で溢れた。
《1年3組 教室》
「亜美、野球応援行くんでしょ?」
笑顔で聞く有希
「うん、もちろん!絶対勝って欲しいなぁ~♪」
「有希はワタケンと見に行くんでしょ?」
さりげなく知佳が聞く。
「なんで?行かないよ。約束してないし。」
「何で約束しないの~なんかぁ2人が付き合ってる感じしないのあたしだけ~?」
つまらなそうな真奈美
「いいでしょ、それぞれ付き合うにも形ってもんがあるんだし。」
「つまんなーい。」真奈美&知佳
(なんなの・・・ひとで楽しもうとするなよ・・。)
口角が引き攣る有希。
「でもさぁ、せっかくの夏休み何だしワタケンとデートするんでしょ?」
「ま、まぁね。」
恥ずかしそうに答える有希。
「ねぇ、そーいえばさぁ~ずっと気になってたんだけど・・有希って亮と何かあるでしょ?」
ドキッッ
一瞬固まる有希
「え?何かあるの長谷と?」
「無いよ、何も!」
(何で真奈美が気づいてるの!?)
「ムキになるとこあやしー。」
ジ―――――
(どーーーしよーーー〈焦〉)
「まぁ、いいじゃん。大したことじゃないしさ・・。」
苦笑いで誤魔化す有希。
「まぁ言いたくないならいいけどさー。」
口を尖らせすねるように言う真奈美。
「そーね、有希と長谷にそんなつながりないし・・ほんと大した事じゃないんでしょ。」
「そーだよ~、変な詮索やめようよ。亮くんの名前出ると聞き耳立てる人多いし・・。」
亜美は近くの女子達がこちらの会話を気にしているのが気になっていた。
「はぁ~・・なんであんなのがいいのかなぁ~真奈美には理解不能~」
ジロッ
真奈美はこちらを見る女子を軽く睨んだ。
(・・亮にちゃんと話しておくかな・・。)
有希は決意した。
ガラガラ
「一学期最後のホームルーム始めるぞ~。」
いぐちんが教室に入って来た。
4人は席に戻った。
ホームルームの時間、有希は亮にメールを打った。
【放課後、屋上に来て。話があるから。】
するとすぐに返信が来た。
【了解】
数分後ホームルームは終わり、帰り支度を始めた。
「よし!今日は4人で遊びにいこう♪」
真奈美がルンルンで3人に声をかけた。
「いいよー♪」
「どこ行く?」
即答でOKをする亜美と知佳。
「有希~どこ行く~?」
「あ~あたしちょっと用事あるから先行ってて、後で合流するから。」
「用事って?」
「えっと、先生に呼ばれてるの!」
「待ってるよ、そんな時間かかんないでしょ?」
「いや、大丈夫、先行ってて♪」
作り笑いで無理やり3人を行かせようとする有希はとても怪しかった。
ニヤァア~
知佳の顔が思いっきりニヤけた。
「あ~そう♪」
「何・・〈怯〉」
その顔に嫌な予感がする有希。
「ワタケンと何かあるんでしょ~ムフフ♪」
「あ~そうかぁ~♪」
「だったらそう言ってくれれば~♪」
納得する3人
(・・・まぁいいか・・。)
「あはは・・そ、そうなの・・ちょっとね・・だからごめんね~・・あはは」
「じゃ、遠慮せず行こうか~♪」
「あとで場所連絡するね~♪」
「あっ、無理してこなくていいよ~♪」
3人はニヤニヤしながら教室を出て行った。
ハッ・・・
キョロキョロっ!!
有希は教室を見渡した。
(・・・良かった。ワタケンいない。)
確認をして屋上へ急ぐ。
ガチャン
屋上のドアを開けると眩しい光が有希を照らした。
(うっわぁ・・いい天気。)
「金沢。」
亮の有希を呼ぶ声
「亮、ごめん待った?暑かったよね。」
有希はゆっくり亮に近づいた。
「マジあちーな。」
額に手を当て、眩しい日差しを遮るように有希を見る亮。
「で?話って。まぁ、金沢から呼び出されるのなんて、きっとこれが最初で最後なんだろうけど。」
全てを悟った様子で、優しく微笑む亮
(亮・・・。)
その姿に、心が少し痛む有希
「もう知ってると思うけど、あたしワタケンと付き合う事になった。」
「うん。」
「ごめん。亮のことやっぱ選べなかった。」
有希は凛とした表情で亮を見た。
「そっか。周りから聞いて知ってたけど、本人から聞くと現実味湧くね。」
悲しそうな目で有希を見る亮
(そんな顔・・・しないでよ・・。)
底知れない罪悪感が有希を覆う
「なんつー顔してんだよ金沢〈笑〉」
「ごめん。」
「もう謝るなって、別に俺死ぬほどショックな訳でもないし。やっぱりかって気持ちの方が大きいからな♪」
いつもと同じ亮の笑顔。
「でも一つだけ聞かせて。」
「何?」
「俺と、ワタケンの差って何?」
「差・・・。」
有希は少し考えた。
「差って言ったら、亮の方が、頭も顔も人間性もスタイルも上だと思う。でも、あたしが一緒に居たいって思えた気持ちが大きいのが・・ワタケンだっただけ。」
それを聞いた亮は思わず笑っていた。
「アハハ、それじゃ何をしても勝ち目無かった訳だ〈笑〉」
「そ、そうかもね・・。」
「うん、納得。ありがと金沢。なんかすっきりした。」
亮は裏の無い笑顔で有希に微笑んだ。
ガッチャーーン
ビクゥゥ
屋上のドアが思いっきり開いた
亮と有希は反射的にドアを見ると。
「ワタケン?!」有希&亮
はぁはぁはぁ・・・
息切れしたワタケンがドアのところから2人を見ている
「ちょっとぉワタケン待ちなさいよーー・・。」
「待ってよ・・・あれ?」
「はぁはぁ・・・真奈美死んじゃう・・。」
「真奈美、大丈夫か?」
その後ろから亜美達が顔を出し、亮と2人でいる有希を見て固まる。
「知佳?亜美?真奈美?将也!?」
有希も4人を見て固まる。
「なーんか、まずい展開じゃね・・金沢。」
亮は困った顔をしていた。
「なななななんで?何で有希が亮と2人でいるんだよ!?」
ワタケンが混乱している。
「いや、別にやましいことは無いよワタケン!」
慌てて弁解する有希
「何で、俺と約束とか嘘ついてまで亮に会う理由って何!?」
(げっ・・・そうか・・知佳達と鉢合わせしたんだぁ~・・まずい・・・。)
弁解のしようがない有希
黙り込む有希を見て頭を抱えかがむワタケン。
「ちょっと、ワタケン、なんか事情があるんだよ有希にも・・・〈汗〉」
「そ、そうだよ・・。」
ワタケンを宥める知佳と亜美
「でも一番やっちゃいけない事だよね~、嘘ついて他の男に会うなんて。ワタケンが怒っても仕方ないよ有希。」
真奈美は呆れた様子で有希に言う。
「ごめん、ワタケン。」
困りながら謝る有希
ワタケンが顔をあげて、有希を見るが・・・その後ろで立つ亮が目に入り
スタッ!タタタタ・・・
「わたけん・・?」
「ちょっと・・」
(どうする~ワタケン♪)
(あれが有希の彼氏かぁ。)
急に立ち上がり、無言で有希もとへ早歩きで近づいていくワタケン。
(こっち来る・・・どうしよう・・〈焦〉
有希はドキドキしながらワタケンが近づいて来るのを凝視
目の前まで来たワタケンに
「ねぇ、・・えッ!?」
ササササ
有希を通り過ぎるワタケン。
ピタッ
(あ・・・俺・・・〈困〉)
亮の前で止まる。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・〈怒〉
威嚇する犬のようなワタケンの姿
(しゅ、修羅場ッ!?)見学者一同
有希もどうしていいのか分からず、ワタケンの後ろ姿を見続ける
「わ、ワタケン?」
困り笑いで話しかける亮
「亮っ!お前っ・・・有希が好きなのは知ってるけど、もう手遅れだっ!俺が有希と付き合う事になったんだぁぁぁぁ!!」
亮をビシッと指さし叫んだ。
「・・・え・・長谷が?」
「亮が?」
「亮君が?」
「嘘だろっ・・。」
ワタケンの言葉に目を丸くする4人。
「知ってたの・・・??」
有希も驚きを隠せない。
「なんだ、ワタケン気づいてたんだ。」
亮はその言葉で肩の荷がおりたように言った。
「エェッェェェ――――ッ!!」亜美・知佳・真奈美・将也
肯定した亮の言葉に驚愕の4人
「知ってた。有希の事好きなやつは、何となくわかるから俺。」
目が据わったままのワタケン
「そっか。」
「知ってたから慌ててここに来た。知佳達から有希が俺と約束してるって言ってたって聞いて、俺約束してねーし、そしたらお前の友達は、お前探してるし・・・どう考えたって怪しいし。」
不安そうに言うワタケン
「付き合ってんだろ、お前ら。だったら何も心配いらないじゃん。金沢が浮気でもすると思ってんの?」
亮は意地悪に言う。
(ちょっとぉ~長谷らしくない言い方・・・。)
有希はドギマギ
(出た。ブラック亮。)
真奈美は平然としている。
亜美はどうしようといった感じで青ざめている。
将也は、何を考えているのか薄っすら笑っていた。
「浮気も何も、俺は有希を好きだけど・・有希はどうか分かんないし、亮みたいな完璧な奴に告られたら勝ち目ねーじゃん俺。だから・・手だすなよ・・」
強気な表情から、不安に満ちた悲しい表情に変わるのがはっきりと分かった。
そこに居た、有希と亮以外の全員がその空気に飲まれていた。
「だってさ、金沢。なんも分かって無いワタケンよりやっぱ俺の方がいいんじゃないの?考え直したら?」
微笑みながら、有希に話しかける亮
「バカ言わないでよ亮。もうワタケンをおちょくるのやめてくれない〈恥〉」
恥ずかしそうに冷静に言う有希
「おちょくる??」
ワタケンは有希を見る。
「そうよ、おちょくられてんのよ・・。」
「亮〈怒〉」
「おいおい、怒るなよワタケン。俺が有希を好きだったのも事実だし。お前が金沢の気持分かってないのも事実♪」
亮の嘘の無い笑顔
「なんだよそれ~・・・俺お前とライバルとかイヤだよ・・。」
「ライバルじゃねーよ、今俺はちゃんと振られたばっか。2年間好きって言い続けたって、金沢は俺を選んでくれなかった。」
「え?」
「男は見た目でも、人間性でもないんだってよ〈笑〉もういいだろ、俺も少しはへこんでるだから、じゃあな。お幸せに。」
亮はそう言って、ワタケンと有希の隣を通り過ぎていった。
その背中を無言で見送る有希とワタケン
「なんだよ亮、黙ってるなんてみずくせーな。」
将也が亮に話しかける
チラッと将也を見て微笑み無言で去る亮
亜美達は何も声をかけられなかった。
「なぁ・・有希。」
「何?」
「さっき亮が言ってた事ほんと?」
「うん。」
「そっか・・。」
「それと一応・・・言っとくけど・・・あたしちゃんと・・好きだからね・・〈照〉」
照れながらそっぽを向いて言う有希。
思わぬ言葉に顔を真っ赤にして黙り込むワタケン。
「あーあつい〈怒〉」
「マジ見てらんね~なぁ♪熱中症になっちゃいそうだ♪」
「ちょっとこっちが恥ずかしくなるね〈照笑〉」
「ゆきぃぃ今日はもう、一緒に遊んでやんないから~ワタケンとラブラブなさぁい♪」
「えっちょっと!!」
「いいじゃん。有希♪」
「・・・たく〈笑〉」
4人は日差しの強さに加えたアツい2人を置いて屋上を後にした。
「まさか、亮が有希好きだったなんて~。」
真奈美は意外な展開に微妙な顔つき。
「真奈美が知らなかったって事は、きっと誰にも言ってなかったんだね、亮くんも有希も。」
「なんかある意味、長谷の愛は深かったんだね。」
3人は何かに納得しながら、歩く。
「で、将也は長谷探してたんじゃないの?」
知佳が将也に言った。
「う~んそうなんだけど、今は一人にしてやった方がいいかと思って。」
「そーねー、亮は泣き言言うタイプじゃないしね~♪」
「そーだ亜美、俺と今からデートしない?」
しれっと亜美を誘う将也
「今日は、3人で遊ぶ約束してるから〈困〉」
「そーよ、今日はうちらと遊ぶの!」
知佳は亜美の腕をとった。
「なーんだ。残念♪まぁ夏休み中暇なとき誘うからいいや~♪」
ウキウキの将也。
ブーブ―ブー
「メール?」
知佳が携帯を取り出す
ピッ
【おっひさぁ♪今ショウといるんだけど暇なんだけど遊ばない?将也とかも誘って♪】
(・・どうしよ。)
「誰から~♪」
「ヤマトからなんだけど、ショウと一緒にいるから皆で遊ばないかって。」
「何?ヤマト?何で俺のことは誘わねーんだよあいつらっ!」
「あんたの名前も書いてあるわよっうるさいわねッ!」
「あっそうなの♪」
「いいんじゃな~い♪」
「あたしも構わないよ。」
笑顔で了承する2人。
「じゃぁ、OKで返事送るよ。」
そう言って知佳はメールを返信
「つーか知佳、ヤマトと連絡とってたんだ?」
意外そうに言う将也
「知らなかったの~?」
「あぁ、そーいうプライベートな事あんまり話さないから俺ら♪」
「ドライな関係なんだね。」
「そうかな?男って、そんなもんじゃない?道端で見つけた綺麗な人とか、可愛い子の話はするけど、リアルな方はあんまりしないって感じ。あとはほんとに何とも思ってないから、話に出ないとか♪」
説明じみた口調で亜美に言う。
「知佳はどっちかなぁ~♪」
楽しそうに真奈美が言う。
「え?何、知佳ってヤマト好きな感じ♪」
喰いつく将也
「違うわよ、気が合う友達だって。」
面倒な2人の標的になりたくない知佳
「でもイイ人だよね、ヤマトもショウも。」
亜美が言うと。
「亜美俺は~??」
「もちろん将也もだよ〈笑〉」
「あっメール返信来た。」
【東平駅集合で♪俺らもうすぐつくから~どのくらいかかりそう?あっ今日ショウ誕生日だから、将也にプレゼント用意しろって言っといて♪】
「だってさ。」
「あぁ、そーいやショウ誕生日今日かぁ忘れてた〈笑〉まぁ男の誕生日なんて覚える価値もないけど♪」
「うちらも3人で何か買う?」
提案する真奈美
「いいよ、買おうよ♪」
「そーだね、将也、ショウの喜びそうなもの分かる?」
「あいつの喜ぶもの~?一般男子が喜ぶものなら分かるけどなぁ・・。」
悩む将也。
「使えないわねぇ~、じゃあ男子が喜ぶものってなに?」
「エロ本とか?」
バッコンッ!!
「ったぁ〈泣〉」
カバンで思い切り殴る知佳
「あ~可哀想~将也~。」
感情のない言い方をする真奈美
(楓兄と同じ・・思考回路・・・。)
亜美はポカンとする。
「こんなのに聞くんじゃなかった〈怒〉」
「なんだよ~リアルな意見だぜ~」
「バッカじゃないの〈怒〉」
「何だかんだ、仲良しだよね~あの2人♪」
「そーだね。」
《コンビニ》
「ありがとうございましたぁ~。」
「結局お菓子になっちゃたね〈笑〉」
「無難でいいでしょ。」
「弟いるって言ってたしぃ♪」
3人は、悩んだ末お菓子を購入した。
「将也は?」
「そこの本屋に行ってる。」
「マジでエロ本買う気かな~?」
ハハ・・・
亜美と知佳は乾いた笑いをする。
「出てきた!」
「あっお待たせ~♪」
ウキウキで出てくる将也。その手には少し大きめの本が入った袋。
「ねぇ・・・それ。」
知佳が如何わしい目で本を指さす。
「エロ本買ったの~?」
「ひみつ~♪」
大事そうに本を抱きしめる将也
「あっそ。」
《東平駅》
「知佳~。」
駅の入り口付近から手を振るヤマト
「久しぶり、ごめん遅くなった!ショウも久しぶり。」
「あぁ、久しぶりだな。」
「ヤマト~ショウ~元気ぃ♪」
「真奈美、なんか制服だとまた雰囲気変わるね~。」
「お互い様でしょ~♪」
「亜美も久しぶり。」
「うん、久しぶりだね、ヤマト、ショウ。」
「俺は?」
「将也は結構頻繁に会ってるだろ!」
「そっか♪」
久々の再開を果たした6人はカラオケボックスに向かった。
《カラオケボックス》
「じゃぁ、まずは・・・ショウ誕生日おっめでとう!かんぱーい!!」
ヤマトの掛け声で全員で乾杯
「おめでとう、ショウ♪」
「おめでとさん♪」
「おめでとー♪」
「ありがと。」
クールな笑顔を見せるショウ
「これ、俺からプレゼント~♪」
ヤマトはメンズ服の袋をショウい渡した。
「どーも。」
ショウは、袋からTシャツを取り出した。
「うわぁ~ショウに似合いそう~♪」
真奈美はヤマトのセンスに感激
「だろぉ♪あと、これはカズからなっ♪」
「あれ?そーいやカズは?」
「デートだよぉ~♪」
真奈美が答える
「なんで真奈美しってるの?」
知佳が聞く
「だって、真奈美の知り合いと付き合ってるから~♪」
「えっ??」
将也と知佳と亜美は驚いている
「そうそう、なんか真奈美が紹介してくれてうまくいってるみたいだな♪そっちこそ有希は?」
(真奈美・・・厄介払いしたな・・・。)
知佳は真奈美の思惑に気づいた。
「有希もデート。」
(うまくいったんだ。有希。)
微かに微笑むショウ
「えー彼氏いたんだぁ!」
「最近ねぇ~♪で、中身なになに~?」
ショウが袋から取り出すと
「あー、それ中峰京香の写真集じゃ~ん♪」
将也が喰いつく。
「え~意外、京香好きなのショウ?」
知佳がキョトンとして聞く。
「でも京香綺麗だよね~」
笑顔で言う亜美
「いや、俺は特に・・・今カズがやたらはまってるんだよ〈困〉」
ショウは顔を掻きながら言った。
「あいつ、自分が好きな物買ったのか〈苦笑〉」
ヤマトも苦笑する。
「まぁいいじゃん、綺麗な人なんだし♪じゃ、おれからはもっとお前好みの写真集♪」
将也の発言に、若干引き気味ながら、ショウの好みがちょっと気になる女子達。
「どーも。」
ガサガサ
ドキドキ・・
(こんなガン見してマジ卑猥な本だったらどうリアクションすれば・・。)知佳
(エロ本以外でお願いします。)亜美
(どーせならドぎついのの方が、笑えるんだけどなぁ~)真奈美
「あ。」
喜んだ感じの声を出すショウ
本を取り出すと
「何?その本?」
「ハードカバー?」
「ガウディ・・の建築集??」
「ありがとう、将也。お前さすがだな〈喜〉」
「いやいやそれほどでも~♪」
「また建築関係かよ~」
「建築?」
知佳がヤマトに問いかける。
「あぁ、ショウは建築関係に興味があるんだよ~。」
「へ~じゃぁ将来は建築士志望?」
「まぁ、なれるか分からないけど出来ればそっちの道に進みたいんだ。」
目を輝かせるように言うショウ
「大丈夫だろ、お前んち代々建築家なんだから♪」
「そーなのぉ?すごいねー♪」
「なんかかっこいいなぁ。」
尊敬する2人
「じゃぁ~うちらからも~♪」
意気揚々と大量のお菓子の入った紙袋を渡す真奈美
「え、わざわざ買って来てくれたのか?」
ショウは驚きながら紙袋を受け取る。
「いいなぁショウ!女子からプレゼントなんて~♪」
羨ましそうにヤマトが紙袋を覗く
「おっ、お菓子山盛りじゃ~ん!」
「すげぇ。ありがと。嬉しいよ。」
素直に喜んでくれて、笑顔を向けるショウ
ドキィィィ
(や、やだなぁ・・・ギャップって怖いわ~・・。)知佳
(なんか、亜美の気持少し分かったわ・・)真奈美
「どーしたの2人とも?」
亜美が2人に話しかける
(やっぱり慣れてる~・・・)知佳&真奈美
「別に~、喜んでくれて嬉しいよ♪」
「そうね、そんなもので悪いと思ったんだけど。」
「いや、俺結構菓子喰うし。」
「そっか、ならほんと良かった。」
その後カラオケを楽しむ6人
相変わらず、知佳とヤマトは気が合うようで好きな歌手などで更に意気投合。
真奈美はクールな男の研究として、ショウと会話を楽しみ、将也は亜美の隣でウキウキしていた。
「そーいや亜美は誕生日いつ?」
「あたしは、7月24日だよ。」
「えっもうすぐじゃん!」
「うん。将也は?」
「俺は5月2日。」
「そっか、もう終わっちゃたんだ。」
「知ってたら祝ってくれた?」
「うん、たぶん。」
「じゃぁ、だいぶ月日経ったけど、亜美俺にプレゼント頂戴♪」
笑顔で将也にねだられる亜美は少し困惑した
(プレゼント・・まぁ・・・いっか・・・。)
「何か欲しい物ある?」
笑顔で聞き返す
「7月24日」
「え?」
「7月24日を俺に頂戴♪」
(24日って・・あたしの誕生日?)
「ダメ?」
「ダメじゃない・・けど・・。」
「けど?」
(毎年恒例の・・・橘家とのパーティ・・どうしよう・・。)
「ねぇ、他には無いの?」
「無い。何?もう予定入ってる?」
「うん、毎年洋介の家族とお祝いするんだよね。」
亜美の言葉に将也は
「じゃぁ、尚更24日が欲しい!」
「えっ!?」
「お願いっ!」
懇願する将也
「うんじゃぁ、でもちょっと親とかに確認してみてからね。決まったら連絡でいい?」
「いいよ♪無理言ってごめん♪」
「ほんとだよ〈笑〉」
アハハ
その後カラオケからボーリングに移動し、9時に帰宅した亜美
《日向家》
「お母さん。」
「何?」
「あたしの誕生日なんだけどさぁ。」
「何か欲しいものでもあるの?」
「違くて、友達がお祝いしてくれるっていうから、毎年恒例のパーティなんだけど・・・。」
なんとなく言いづらい亜美
「別にいいわよ、亜美がそれでいいならぁ♪」
「マジ?」
意外とあっさりの母
「もう高校生だし、好きになさいな。どーせ亜美の誕生日にかこつけて、お母さん達は飲み明かすしね〈笑〉」
ブイサインをする母
「そう・・・。それもそーか。じゃぁ、今年はそうさせてもらうね。」
「はいはい♪」
亜美は部屋に戻り、将也にメールを送った。
将也からはすぐ喜びに満ちた返信が来た。
そのメールを見て思わず笑う亜美。
(将也・・・優しいし・・いい人だし・・一生懸命にしてくれる・・。あたしも答えなきゃいけないかも・・。)
亜美の心に少しづつ変化が生まれ始めていた。