有希+ワタケン=X
試験が終わり、7月の体育祭の競技決めが始まる。応援合戦のメンバー決めで、ワタケンと有希が冷やかしの対象に・・・
6月が始まり、テストの結果が発表された。
東平高校は進学校で、テスト結果30位までが掲示板に貼り出される。
そして、2年に上がる時成績上位者は7組の特進クラスになる。
《一年廊下》
ザワザワ・・
「マジか・・・。」
「すごっ。」
掲示板に貼り出された中間考査の結果。
人だかりが出来る中、呆然と立ち尽くす、真奈美と有希。
「おはよー有希と真奈美。」
そこへ知佳がやってきた。
「あ、おはよ。」
「知佳。おはよ。」
2人のポカンとした顔。
「どーしたの?掲示板見るだけ無駄でしょ?」
知佳は掲示板に全く興味を示さず3組に向かおうとした。
―グイ―
「っな・・・」
真奈美は知佳の制服を掴んだ。
「何?」
「見てみなって。」
真奈美が掲示板を見るように促す。
(・・・?)
知佳は仕方なく掲示板に目を向けた。
「・・・・・えっ!?」
知佳は目をこすり、再度掲示板を見る。
「えぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」
知佳の大声に周囲は驚いて知佳を凝視した。
「ちょっと、声大きいから!」
有希は知佳を引っ張って、群衆から知佳を連れ出した。
「恥ずかしいよぉ知佳~」
真奈美は頬を膨らませた。
「ごめん、でも亜美・・亜美の名前あったよね!?」
「うん。」
「亜美って何者〈恐〉」
3人が廊下で話していると
「知佳、有希ちゃん、真奈美ちゃん。おはよう」
真紀が3人に声をかけた。
「あ、真紀。」
「あー亜美のお友達の真紀ちゃんだぁ。」
「さっきかなり驚いてたね~。」
真紀は笑いながら言った。
「そりゃ驚くよ!亜美って頭いいとか全然知らなかったし。」
有希は動揺している。
「あはは、亜美は勉強得意な子だよ~、と言うか、何でも人並み以上にこなすよ。」
「知らなかったぁ。」
「まぁ、自分自身のことには人並み以上に疎いけどね。」
真紀は亜美への好意を込めた言い方をした。
「そこは納得。」
真奈美はうんうんと頷いた。
「じゃぁ亜美におめでとって伝えといて。」
真紀は去って行った。
「うちらも教室入ろうか。」
《1年1組》
「おい、おい掲示板見たかー!!」
「見たよっ信じらんねー!」
1組の教室内でも騒ぎが起きていた。
「神崎トップだよ、あいつ何者!?」
1組の女子 神崎 雅の周りには女子が群がっていた。
「神崎さん凄いね、学年1位って。」
「別にたいしたことないよ。」
誰とも目を合わせず冷たい態度をとる神崎。
「そ、そんな事ないよ、凄いじゃん。」
「・・・・」
何も言わずうつむく神崎に
「もうほっとこうよ、話になんないって~。」
「そーだねー、やっぱ優等生はうちらと話もしたくないんだねー」
嫌味を言いながら席を離れる女子たち。
「そんな言い方ねーんじゃねぇの?」
その様子を見ていた亮が真顔で冷たく言い放った。。
亮の普段見せない態度に、女子達は戸惑った。
「でも、せっかく話しかけたのにあの態度は無くない?」
一人の女子が亮に理解を求めるように言った。
「普段話かけもしないくせに、こーゆー時だっけって言うのは俺もどうかと思うけど♪なぁ亮。」
将也が笑顔で参戦した。
「あぁ、でもまぁ神崎さんも、もっと笑顔で受け答え出来た方がいいと思うよ。」
亮は背を向ける神崎に優しく促した。
神崎は微動だにせずうつむいたまま。
女子達は、腑に落ちない様子で神崎を見ていた。
「おはよう・・〈暗〉」
ドヨンとした空気をまとった彗が教室に入って来た。
「どーした?」
「え?てゆーかこの教室の重い空気こそどうした?」
彗は教室を見渡した。
気まずい雰囲気が流れる教室をキョロキョロする彗。
「いや、何でもないよ。」
亮が彗の肩に手を置こうとすると、彗は吸い込まれるかのように神崎の席へ足を進めた。
(・・・彗?!)
教室中が妙なドキドキ感に包まれた。
「・・神崎ぃぃ〈泣〉」
ドヨンとしたオーラ全開の彗が神崎に声をかけた。
「・・は、はい?」
神崎は恐怖で硬直した。
ガシッ
えぇぇえぇぇぇぇ
教室中が声にならない声で驚愕した。
彗が神崎の両手をガシッと彗の手で包んだのだ。
「・・・え・・な・・」
神崎は赤面して固まった。
バシッッッ!!
「ったぁぁぁぁ」
クラス中が硬直する中、真紀が彗の頭を教科書で殴った。
「何してんのっ彗〈怒〉」
その行動で教室中の時が動き出した。
「変態っ!」
「サイテーッ」
「神崎さん大丈夫!?」
さっきまでの空気とは一変、女子は神崎の周りに集まり彗をタコ殴りにした。
「イタタタタッッ」
ハハハ・・・
乾いた笑いが男子から聞こえた
(女子コエ―・・・。)
「な、なんだよ、何なんだよぉ〈泣〉」
彗は亮と将也の背後に逃げ込んだ。
「・・いや、お前が何だよだよ。」
「うん、何いきなりセクハラしてんだよ彗。」
亮と将也は呆れた表情で言った。
「俺は、成績トップの神崎にゲン担ぎしたかっただけだよ。」
「はぁ?」
「それをするなら、テスト前にやった方がいいなじゃないか〈笑〉」
その頃女子達は
「大丈夫だった?」
「う、うん。ちょっと驚いたけど・・。」
「なんかさっきはごめんね。」
「うん、こっちこそ・・。あまり人と話すの得意じゃなくて・・。」
目は合わせないものの、女子と少し打ち解けていた。
その様子を見て亮と将也は微笑んだ。
「何だよ、気持ちわりぃ。」
《1年3組》
キーンコーンカーンコーン
「あれ?亜美こないね。」
「また体調崩したのかな?」
ぴピピピ
知佳は亜美にメールを打つことにした。
ガラガラッッ
「ハァハァハァ・・・」
「亜美っ!?」
「間に合ったぁー。ハァ~・・・。」
必至に走った様子が伺える見た目。
「ちょっとぉ、ひっどい感じになってるよー?」
真奈美は憐れみの眼差し。
「う、うん。別にいいよ・・。」
亜美は席についた。
ガラガラ
「はい、おはよう。」
先生が教室に入って来た。
朝のホームルームが始まった。
「今日、入学して初めての試験結果が貼り出されたな。」
ザワザワ
教室がざわつく
(そーなんだ・・。)
亜美は呼吸を整えながら、ぼんやり先生の話を聞いていたのだが。
チクチク・・・
(ん・・何かいたるところから視線を感じる・・。)
亜美が周囲を確認すると、やたらと色んな人と目が合うことに気づく。
(何!?あたし・・また何かした?)
亜美は変なドキドキが止まらない。
「日向っ!」
「はっ、はい!?」
先生に急に名前を呼ばれ、ビクっとする亜美
「14位おめでとう。」
パチパチパチ
「はい?」
教室中が亜美に拍手を送る。
亜美は何が起きているか全く理解していない。
「日向すげーなぁ!」
「亜美あんた凄すぎっ」
知佳が後ろから声をかける。
〈ちょっとこれ何の話?〉
知佳に小声で尋ねる。
「だから、中間試験14位だってば。」
「そうななんだ・・。」
亜美は平然と前を向き直した。
(えっっ!!リアクションうすっっ!!)
リアクションをしない亜美に驚愕する知佳。
「でもなぁ、他のクラスは30位以内が4人ぐらいずついるんだがなぁ~」
先生はちょっとがっかりしていた。
その言葉にクラスは静まり返った。
「うちのクラスの平均点は7クラス中ドベだ。次の試験期待してるぞ。」
先生は仕方ないといった表情で告げた。
「でだ、試験の話はおいといて、7月に体育祭があるから気持ちを切り替えて、その準備を始めたいと思う。」
そう言うと黒板に体育祭の競技を書き出した。
「体育祭だってぇ。楽しみだね~。」
真奈美は全くやる気のない言い方で隣の男子に話しかけた。
「はは・・・。」
愛想笑いをする男子。
「体育委員出て来い。」
そういうと、高橋 俊春と河合 美歩が前に出た。
「じゃあ、この2人を中心に出場種目を決めといてくれ。」
「えっ、先生一限目は?」
高橋が聞くと。
「俺の授業だから、それ決める時間にあてるから。」
「マジっよっしゃっ!」
高橋はガッツポーズをした。
「こら、遊びの時間じゃないぞ」
アハハハ
クラス中に笑いが起きた。
休憩を挟み、体育祭の競技決めが始まった。
「亜美ってば、そんな頭いいなら先言ってよ~。」
有希が亜美に言う。
「自分ではそう思ってないから・・。」
亜美は困った顔をする。
「あっ真紀がおめでとうだってさ。」
「何がおめでとうよ、絶対真紀の方が順位上のくせに。」
不適な笑みを浮かべた。
「何?あの子も優等生なわけ?」
「勝ったことないよあたし。」
亜美は笑って言った。
「なーんか別次元の話~」
真奈美は明らかにかったるそう。
「そんなに体育祭が嫌か?」
有希が真奈美をなだめる。
「なんで、体育でお祭り騒ぎしなきゃいけないわけ?意味分かんない。」
「それじゃ、今から15分で、自分がやりたい競技を考えておいて~、後で競技かぶったら、じゃんけんねぇ!」
高橋の発言で、クラスのあちこちで相談が始まった。
「つーか、勝ちに行くからちゃんと考えろよー!推薦もありね!特にリレーとか♪」
「だよなーやるなら優勝だよなぁ~」
ワイワイガヤガヤ
教室はお祭りムード
「何なの勝ちに行くとかっ!皆何気にやる気だしぃ!」
真奈美が苛々しながら亜美達を見ると。
「やっぱ勝負事は優勝だよね!」
「そりゃそーよ!」
「ガンバロー!」
3人はやる気満々だった。
3組は部活をやっている人も多く、やってなくても、中学時代運動部だった人が多かった。
(最・・悪・・・。)
真奈美はうな垂れた。
「女子の競技は、綱引きが全員で、二人三脚と、タイやリレー?クラス対抗リレーかぁ。」
「てことは、二人三脚かタイやリレーじゃん。」
「タイやリレーって何?」
「真奈美どっちも嫌。」
「二人三脚なら、ペアで出来るじゃん♪」
亜美は真奈美に言った。
「・・・でもぉ体育会系の人と走る力持ち合わせてないよぉ。」
口を尖らせる真奈美。
「大丈夫だって。」
「じゃあ二人三脚にしよう。」
「そーだね。」
「仕方無い・・かぁ・・。」
15分後
「よし、みんな決まった?」
高橋が全員に尋ねると
「決まったぁ♪」
クラスメイト達からOKの声があがる。
「じゃあ、今から競技一個ずつ言うから、やりたい競技で手あげて~。」
「はーい。」
「じゃあまず二人三脚!」
「はーい。」
「はーい。」
「えっ・・・ちょっと女子全員かよっ。」
男子8人に対し、女子は全員二人三脚に立候補。
女子の間に微妙な空気が流れる。
「・・じゃ、とりあえず男子は決まりね。女子はじゃんけんかな?なぁ河合?」
「そうね、でもくじ引きの方が早いかも。」
「あーそうだな、ペア大体決まってんだろ?じゃあペアの代表者8人でくじ引きしまーす。」
「仕方ないね。」
「そーだね。」
知佳と亜美は何食わぬ顔で納得した。
「真奈美が引いてきて。」
「有希が引いていいよ。」
「やだ、もしハズレ引いて文句言われるの嫌だから。」
有希は真奈美を強制的に前にだした。
教室の前に8人が集まった。
「じゃあ、4枚に当たりって書いてあるから、それ引いたら二人三脚で、何も書いてない場合は、タイヤリレーな。」
高橋は箱を女子の前に差し出した。
しかし誰も引こうとしない。
「おい、早く引けって。」
「じゃあ、あたし引くよ?いい?」
女子の一人が箱に手を入れくじをひいた。
「見ていいの?」
「あぁいいんじゃね?」
ペラ
「あ、あたり。」
おぉっ!
クラスから謎の歓声があがる。
「椎名ペアは二人三脚っと、はい次。」
「じゃああたし引く。」
ペラ
「あーーーハズレたぁ・・・。」
あぁ・・。
「じゃあ近藤ペアはタイヤっと。」
「次はあたし・・・」
ペラ
「あっ・・ハズレたぁ。」
「じゃあ、来栖ペアはタイヤ・・。」
「じゃあ、あたし引く~・・・。」
(絶対二人三脚~・・。)
真奈美がくじを引いた。
ペラ
「あ~♪あったりぃぃ!有希当たったぁ!」
「良かったね。」
真奈美は大喜びで席へ戻った。
「前田ペアが、二人三脚っと。」
「じゃあ引くけど。」
舞がくじを引いた。
(舞のペアは理沙だよなぁ?)
知佳は舞の方を見た。
理沙は目をつぶって祈っている。
ペラ・・。
「や、外れぇ・・ごめん理沙ぁ~。」
「う、うん・・。」
理沙は落胆していた。
残り三枚。3分の2が当たり。
「じゃあ次引くね。」
ペラ
「あったりぃ♪」
「北川ペア二人三脚。」
残るは由依と知佳。
(どっちでもいいけど・・・理沙と一緒は避けたいな・・。)
「由依、先引いていいよ。」
「うん。」
由依が引く
ペラ
「当たった。」
(あ・・・理沙と一緒の競技になっちゃったよ・・。)
知佳は亜美を見た。
亜美は何も気にしていない様子だった。
「じゃ、田中ペア二人三脚で、相沢ペアがタイヤっと。」
「決まったわね。」
「おう、男子も女子もとりあえずOKだな。」
「あとは、応援合戦に女子5人と男子5人、それから先生の仮装行列に出てくれる人と、クラス対抗リレーね。」
「ちょっとー高橋、タイヤリレーって何なの?」
知佳が聞くと。
「えっ?ちょっと待って。」
高橋が体育祭競技の資料を見る。
「うんとね~・・紐の付いたタイヤを引っ張って次の人に渡す・・タイヤは男子2人で引く。そのタイヤに女子が乗る・・男子は一人2回走る・・。」
「えーーーじゃ、女子はタイヤに乗ってるだけか!?」
「何それぇ!ーチョー楽じゃーん!」
真奈美は頭を抑えた。
「あはは、ドンマイ真奈美。」
有希は真奈美を見て笑った。
「亜美~代わって~・・。」
「あたしは別にいいけど・・・。」
亜美が、体育委員を見ると。
「だめ、もう決まったこと何だから。」
河合が却下した。
「だって。」
「最悪~・・・。」
真奈美は机に伏せた。
「じゃ、応援合戦どうするー?」
「俺やるー!」
ワタケンが立候補した。
「おぉ、いいねーワタケン!他は~?」
「ジュンジュンもやるって~♪」
「何でだよっ!!」
「はい、潤決定っと。」
「ちょっ、待てよっ!」
「あれキムタクの真似かー〈笑〉」
「ちげーわっ〈恥〉」
アハハハ
「いいだろ、潤。俺もやるから♪」
高橋は自分がやる事を条件に伊藤潤を説得した。
「トシがやるなら・・仕方ねぇ・・。」
「ほら女子もどんどん来い!」
「はーい推薦なんだけどぉ」
小池遥が挙手
「いいよ、誰?」
「日向さん!」
「えっ何であたし!?」
亜美は急な指名に驚いた。
「なんか、クラス一番の成績とったゲン担ぎ的な〈笑〉」
全然悪気のない遥の意見にクラスは
「いいねー!」
「賛成~」
亜美はおどおどしている。
「じゃあ、宜しくな日向~♪」
「観念しな、亜美。」
「・・はい。」
亜美は仕方なく引き受けた。
(なんで・・・こんな事に・・。あっ・・)
「はい、高橋くん推薦!」
亜美は急いで挙手
「はい、どーぞー」
(まさかっっ!!)
知佳と有希と真奈美は一斉に亜美を見た。
「知佳、有希、真奈美を推薦します!」
(やっぱりっっ!!)
「ちょっとぉ~!」
「亜美ひどーい!」
「やだぁ!!」
3人は亜美に詰め寄る。
「賛成!賛成っ!!」
ワタケンが身を乗り出して勢い良く言った。
「おいワタケン、有希がいるかっらってそんな興奮すんなよぉ~」
「ひゅ~ひゅ~♪」
「有希ちゃんと渡辺君ってそーいう関係なの?」
「初耳~♪」
教室中がざわめいた。
(あいつぅぅ〈怒〉)
有希は怒りで震えていた。
「あ。なんかごめん有希・・・。」
亜美は平謝り。
「ちょっと、みんな静かにして。」
河合が冷静に言う。
「おい、皆冷やかしはやめろ。ワタケンと有希は付き合ってねーから!」
高橋がはっきりと言った。
「そーなの~?でもワタケン何か嬉しそうだけど・・・。」
「え?」
高橋がワタケンを見ると。
「いやいや、そんなやめろってぇ~〈喜〉」
ワタケンは否定しながらも顔がニヤついている。
「あ・・・〈汗〉」
「ねっ。」
かばった高橋だが、どうしようもねぇっといった表情でガッカリした。
そんな状況の中、静かに威圧感を感じる声で・・・
「どうする?3人さんやる?」
河合は話をもとに戻した。
冷やかしていたクラスメイトも、見えない恐怖を感じとり、一瞬にしてクラスに緊張感が走った。
「真奈美やるぅ~、だから残り2人もやるよー。」
一番やる気の無かった真奈美が回答した。
「うそっ、真奈美マジで!?」
知佳が驚いている。
「うん、だって亜美かわいそーじゃん。うちら友達でしょ♪」
(さっきと全然言ってること違くねっ)
知佳は真奈美の胡散臭い上目使いの笑顔に恐怖を感じた。
(うわぁ~真奈美ちゃん健気~〈キュン〉)
(あの目で見つめられてぇ~〈キュン〉)
真奈美の本性を知らない男子は真奈美の上目使いにメロメロになっていた。
(こーんな楽しい展開やるしかないでしょ♪)
「じゃぁ、あたしはいいよ。有希は?」
「分かった、やるよ。」
(ヨシッ〈ニヤ〉)
真奈美は下を向き、ニヤっと悪い顔をする。
「よし、あと一人。」
「はい。私がやるわ。」
河合が立候補した。
「えっいいの河合?」
「えぇ、このままじゃ決まらなそうだし。」
「ありがと、じゃあ女子決定で、あと男子2人だ!」
「はいはーい俺と、よっしーでやるよー。」
金井 武と松村 義人が立候補した。
「おぉ、野球部コンビやってくれるー!ありがとう。」
「うちのクラス野球部いたんだ。知ってた?」
知佳が亜美に言った。
「初耳だよ・・。」
亜美も野球部がいた事に少し驚いた。
「あっでも、練習出れるか微妙なんだけどいい?」
「いいよ、そこは何とかするから。」
「じゃあ、他のもちゃっちゃと決めるぞー」
そして、残りの競技が着々と決まって行った。
クラス対抗リレーには有希が選ばれた。
体育祭準備の本格始動とともに、有希とワタケンの関係にもスタートの合図が出される事にな事を、真奈美以外は考えていなかった。