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一週間遅れの墓参り

仕事の都合で、先月、一週間遅れの墓参りをした。


枯れかけた供花の群れ。


カラスが食い散らかした供物の散乱。


誰もいない霊園は、ひっそりと静まり返っていた。




その時ふと、夏目漱石の小説「こころ」が頭に浮かんだ。


主人公の「私」は、友人だったKの墓を毎月訪れる。


静かさは人を内省させる。


そうして、墓を訪れた人とその中の人との会話が始まる。




会話といっても、生者からの一方通行の語りかけでしかなく、相手は墓の中で沈黙を貫く。


しかしその返事は、勝手に生者の耳に響く。


主人公の懺悔の墓参は、やがて彼を自己否定へと導く。


墓の中から手招きをするKの手は、「私」の目にはっきりと映っただろう。


こころが弱った彼にとって友人の墓参りは、死者の霊の慰めとともに、やがて自分もその一員となることを強く意識させる行為となった。

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