「わたしだけ」
「こらっ、杏! あんたねえ、このまま大人になるつもり? 周りの子見てみな、中学生にもなってあんたみたいにバカばっかりしてる子他にいる? お願いだからいい加減落ち着いて!」
「お前みたいにやってると友達いなくなる。だから辞めたの! もうあの頃には戻らねえからしたいなら一人でやってろ。てかそろそろ変わらないと痛い目遭うかんな?」
かーちゃんとねーちゃんの言葉。
だまれ(笑)。
――――(♠️)――――
中学生になった。
地元の同じ小学校だった奴らと近くの小学校だった奴ら、そいつら全員が一緒くたになった学校、それが中学。
きっと中学には色んな奴がいて、また昔みたいにみんなと楽しいことばっか出来ると思ってた。
他の学校から来た連中の中にはわたしみたいな奴もいて、一緒にイタズラしたりハチャメチャな中学生活が待ってると思ってた。
思ってたのに……。
実際入ってみたら、全然ノリが違って。
なんなのこいつらって……。
逆におまえはなんなのって……。
そう思ったし、たぶん思われてる。
「伊藤さんだけヘンだよ? どうしてまだ子供みたいなことしてるの? 先生からかったりみんなにちょっかい掛けたり、もう中学生じゃん……止めなよ。なんか周りもさ、男子はいいけど……女子とか、伊藤さんのことウザがってるし陰口言ってる子もいるよ?」
わたしだけ?
この前までおまえらも同じだったじゃん(笑)。
同じだったのに……なんか、減っていって。
みんな大人しくなっていった。
なんでわたしだけ?
わたしと同じ奴がいない。
――わたしも、みんなみたいに変わらないとダメってこと?
変わるってなに? 大人しくなること?
なんで大人しくしなきゃなんないの?
小学校から中学校に上がっただけじゃん。
なんでいきなりそんなノリになるの?
みんな、変わる理由を教えてくれない。
たぶん答えられないからだと思う。
周りがそうしてるから何となくで変わろうとする。
なんの理由もなくみんながそうだからって……。
意味がわからん。
なんで理由もないのに変われんの?
わたしはこのままでいい。
今が楽しいし、仲間がいないなら一人でやるだけ。
あいつらみたいに変わるつもりなんてないし、自分のレベルを下げたくない(笑)。
でも、ちょっとだけイライラする。
わたしだけが同じじゃない。




