高校生活一ヶ月
初めまして。
処女作なので文章の拙い所もあると思いますが、楽しい物に出来るよう頑張ります。
…ただ更新速度はだいぶ遅いので気長にお願いします。
俺は鈴木ゆうた。
偏差値五十有るかどうかの高校に通っているどこにでも居る高校1年生だ。
他の人と違うところを聞かれて、パッと思いつくとしたら、学校でのカーストが結構低いということかな?
この学校のカーストは結構緩いけどそれでもある程度は有る。
まあ、俺は人見知りとかコミュ障とか言われるから、俺の俺の一日を紹介してもあんまし面白くないと思うけど、ゆっくりしていってくれ。
朝家を出て学校へ向かう。
ここで大切なのは、『始業のチャイムの寸前に席に着く』と、いうことだ。
一番に教室にいたら、次に来た人は必然的に挨拶してくる。
上手く挨拶を返したら、その後来る人達に
「あいつ、今日一番に教室に来てたぜ。ってか、あいつ誰だっけ?」
「そんひどいこと言うなよ。あいつはなぁ…誰だっけ?」
「ちょっと話してみよーぜ。おもろい奴かもしれないから」となり、カースト上位に目を付けられる。
また、人見知りが出て上手く挨拶を返せなかったら、これまた後に来た人に、
「あいつ、挨拶してやったのに返してこなかったんだよ。まじなくね?」
「そうだな。それはちょっとないと思うな…」
「陰キャのくせに、なんだよあいつ」となり、これまたカースト上位に目を付けられる。
つまり、早く学校についても良いことは何も無いということだ。
逆に遅くに行くと皆誰かしらと話をしていて、わざわざ話している人たちとの会話を打ち切って俺に挨拶しようとする人はいない。
だから、ドアがスライドする音に反応してこちらを見てくるだけで、すぐに興味を失って会話に戻る。
つまり何が言いたいかというと、遅くに行けばカースト上位に目を付けられる可能性は小さくなるということだ。
登下校は自転車で行き来する。
帰りは六時間目が終わり、終礼をしたらすぐに学校を出る。
早く家に帰りたいし、部活もしていないので学校に残っている理由がないからだ。
授業に関しては特に言うことは無いが、ペア活動やグループ活動で俺と組む人は気まずそうにするか、舌打ちなどあからさまに嫌がる。
それをどうこうすることは俺には出来ないので、愛想笑いで必死に俺の心情を隠し墓穴を掘らないように注意しながら会話する。
この時、話すことや、提案する内容が当たり障りのない物でつまらないから、カースト上位の人達はつまらなそうにしているのだと思う。
昼食はもちろん一人だ。
たまに、
「陰キャでボッチの奴を昼食に誘う俺、やっさし~」という心情丸出しの奴が近づいてくる。
そして、
「いつも、一人で食べてるよね。もし良かったら今日一緒にお昼、どう?」キラッ みたいなふうに話しかけてくる。
ここまであからさまにしたに見られるとさすがにイラッとして
「あっ、大丈夫です」と反応する。
ここで、『大丈夫』を肯定的に捉え、
「なら、一緒に食べよう」とか言ってきたら、本当にイライラする。
そこで「大丈夫というのは、断るということでして…」といったら、怒ってどこかに行く。
そして、次の日から俺のやった覚えのない噂がまた一つ増えている。
そんな平凡な高校生活をこなしてもう一ヶ月になる。
もちろん、友人は出来ていない。
そして、転機が訪れる。
本来なら四月から始まる予定だったが、いろいろな事情により明日から始まる『VR』を使って行う授業だ。
転機の日は五月十七日。
それは奇しくも、あの日からちょうど五年後の事であった。