3/3
2
14才の冬、俺は全てを思い出したのである!
兄弟たちに剣の稽古をしている最中であった。
稲妻が走ったかのような感覚に襲われた。
その瞬間、俺は全てを思い出した。
「兄ちゃん顔色悪いけど大丈夫?」
俺はひどく戸惑っていた。
俺の現世での名前はレッド。
赤いリボンがついた籠に入って孤児院の前に捨てられていたらしい。
そこから俺はすくすく育ち15になった。
孤児院では15才になると自発的に院を出て働き始めると言う暗黙の了解がある。
院を出ていった院生の寄付により院の収入がいくらか増えるからである。
ご多分に漏れず、俺も院を出ることになった。
就職先は、この国の兵士である。
先に院を出た先輩達は冒険者になったり、商家で働いたりしていたがやはり手堅く公務員!
これには院の先生達からも喜びの声が上がった。




