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魔王と勇者の相討ちから時は三年遡る。
俺、岸本聖良はガンで死んだ。
「自分の葬儀を空から眺めるとは…」
23才の春だった。
両親、親戚、懐かしい友、俺の死を偲んで皆泣いていた。
葬儀も終わり、火葬場に遺体が到着すると世界が変わった。
「あなたもう一度人生をやり直す気ない?」
光の粒のような存在が言う。
「私の創造した世界が、危機なのです。」
意味が分からなかった。
22才の時病気が見つかり、死ぬまで管に繋がれた生活を強いられた俺にとっては生をもう一度やり直せると言う言葉の意味が分からなかった。
「私の名はルルティエ。あなたの生まれ故郷地球と良く似た星アースガルドの創造神です。」
「私の創造した世界が危機なのです!」
「俺は生きたい!もう一度人生をやり直したい!」
「良く言いました。定命の者よ。 これよりそなたの魂をアースガルドに定着させます。
そなたの人生に光あらんことを…」
そこから目の前が真っ暗になった。
そして、今に至る。
そう!前世の記憶を思い出したのである。




