そして始まる大問題 1-01
時は流れ10月半ば。
夏の暑さも過ぎ、少しずつ冬の寒さが身にしみ始めるこの時期。
一人の青年が昔ながらの納屋へと足を運びある人物を捜していた。
「じいちゃんー?」
昨年改築し真新しくなったシャッター。
それが半分開いていた事からこの中にいるとふんだ青年が
内部へと進入し辺りを見回す。
朝にもかかわらず未だ薄暗く湿った空気と埃っぽさに
少し顔を歪めるが、気にせず奥へと突き進む。
果たしてそこには、
「じいちゃん、じいちゃんっ!」
ゴザの上でまるで死体のように俯せで倒れている初老の御仁。
その姿に慌てて青年が駆け寄る、事はなく、
ため息一つ、冷静に側面から体を半回転させ仰向けに寝かす。
そして、かなり禿げ上がったおでこにペチペチと手を当てる。
小気味よいリズムを作りながら耳元へ顔を寄せると
「じいちゃん、俺もう出かける時間だから」
「なんとっ!もうそんな時間か!」
ガバッ!とわざとらしく上半身を降り起こす姿に
青年は呆れながらも無事を確認したことに満足し背を向ける。
「じゃあ、行ってくる」
「おぅ、新生活頑張るんじゃぞ」
友達百人作ってこい、そんな声援を受けながら
青年は納屋を後にした。
毎回結構書くことに悩む、ここの後書き。
それなら書かなければいいじゃん、とも言われそうですが、
何となく書いておかないとなーって勝手に思ってしまう訳でして……
とりあえず、今年も夏の高校野球の地方大会も迫ってきました。
話題性ある選手もいますが、それ以外にも活躍して
ドラフトにかかる選手が生まれることを楽しみにしている今日この頃です。
ここまでお読み頂きありがとうございます。