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ジャッジメント育成学校〜教官がいない⁉︎〜

 ジャッジメントの再結成が許可されてから1ヶ月経ち、学校が完成しようとしていた。新皇帝を決めるための会議が開かれたが、一向に決まる気配はなく1ヶ月の間皇帝代理としてダイナ皇帝を降ろさせたカインが全てを仕切っていた。いっそ新皇帝はカインでいいと言う案がでたが、カイン自ら拒否した。よって、新皇帝は各主要国家の王の中から世界中の国民の投票によって決めることにした。外では投票を求める演説を行なっている。この世界の人は争を好まない、普通なら新皇帝をねらって戦争になりかねない状況だが、投票という平和的解決方法をとった。だからこそ、制裁者(ジャッジメント)が必要なのだ。また、各国の皇帝や王から早めに開拓者(クリエイターズ)を解放しないといけないのだ。解放した者がまた反乱を起こすのではないかと心配になってしまうのも当然のことだ。でも解放してくれなければ制裁者が結成できない。各国の王や皇帝は学校が出来次第開放すると言っているが本当かどうかは分からない。


「こんなんで本当に結成できるのかよ…」


 今カインの元には開拓者クリエイターズに関する報告書と反国家組織に関する報告書が全ての国から集まっている。自分の国だけでも手がいっぱいなのに大小合わせて327ある国全ての対処などできるはずがない。


「はぁ…学校ができなきゃ何もできないのを知っててこんなに報告書を出すんだから…」


 上層王会に言っても“開拓者はお前の担当だろ?それに反国家組織はお前が持ち出した問題だろ?”と流されてしまうので言いに行くのはもうやめ、代わりに新法と制裁者の内容報告を提出した。


〜制裁者の内容について〜

ジャッジメントは1〜10までにランク分けされた10人の聖民である。

※聖民とは制裁者をさす

ランク1を最高とし、第1聖民と呼ぶ。ただし第1聖民が国王の場合第1聖民及び大総統閣下と呼ばれる。また聖民の他に第総統を作る国は大総統が第1聖民より強いことが条件である。この事から大総統=国王又は皇帝となる。


〜新法・・・聖民法〜

第1条・・・各国に1つは制裁者育成学校を建てる。ただしこれは制裁者による護衛を求める国だけで構わない。

第2条・・・制裁者は開拓者の子供もしくは17歳までの青年で結成する。結成時に17歳ならば良い。

第3条・・・制裁者には国王の次に強い権力を与える。ただし第1聖民のみで構わない。

第4条・・・ジャッジメントには逮捕権を与え、処罰は制裁者が行う。制裁者が犯罪を犯した場合は各国の第1聖民と総統により処罰する。

第5条・・・制裁者は国民からの救助要請があったら即対処に向かう。誰が行くかは第1聖民または総統が決める。

第6条・・・制裁者は各国を守ることが目的のため、その身分を容易に明かしてはならない。また、制裁者の護衛費は原則、国が負担するものとする

第7条・・・制裁者ジャッジメントは99.9%の護衛を行う。失敗は許されない。


 新法は上層王会で可決された。皇帝代理がカインなため、カインの案はほぼ全て通るのだ。あとは学校が完成し、実行するだけだ。あと問題はどんな子がいるのか全くわからないということと、カインの魔導はまだ中級であり、独学であるということ、さらに教官がカインしかいないとということである。

学校完成までのあと5日間で少なくとも自国の教官2.3名を見つけなければ…カインの計画はすべて水の泡となってしまう。


〜学校完成3日前〜

 各国で教官となれるであろうものの選別が終わった頃だというのにアルスタ国ではまだカインのみだった。この国には魔道師が少ないいのだ。というか前王のせいで魔道を使えるものは皆収容されているのだ。解放すれば良いのだが、解放して反国家組織に戻られては元も子もないためできない。が、学校が完成してからでは他の国に遅れてしまう。せめてカインとあと1人いれば教えることはできる。なのにあと1人がなかなか見つからない。どうしたらいいかカインが悩み詰めていた時のことであった。


「まだ見つからないのですか?」

「うん、魔法を使えるものはこの国にはいないようだ」

「では、私がやりましょうか?」


時間が止まったかのように2人は停止していた。20秒ぐらい経った時ようやくカインが言葉を発した。


「え?大臣魔法使えるの⁉︎」

「ええ、開拓者の魔道士育成者でしたから基礎から教えられますよ」

「えぇ⁉︎そうだったの⁉︎開拓者って…まじで⁉︎」

「はい、ルイ・アバルネルと言う名を聞いたことがありませんか?」


 カインはハッとした確か父がルイという魔道士に助けられたことがあると言っていた。その時に魔法も教わったと。その魔道士が目の前にいるのだ。さらに教官になってくれると言っている。これは利用するしかないとカインは思った。


「本当に魔法使えるんだよね?」

「はい、使えます」

「やってみてもらえるかな」

「雷神よ我と共に地を砕け」


 ルイが唱えた途端部屋の床に雷が落ち、床を焦がした。わざと手加減をしたのだろう。魔法が使えることは証明された。


「是非、教官になってくれ」

「いいですよ。ただし私を第2聖民にしてくれるならですがね」

「別に構わないがそれだけでいいのか?」

「はい、新法成立により聖民にはかなりの権力が与えられました。第2聖民ともなればその権力(ちから)はかなりのものでしょう」


大臣...いや、ルイが教官になってくれたことで、大きな問題は解決した。あとは学校の完成を待つだけだ。

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