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真解放

「自惚れるな!」


そこにいたのは翼を広げたカインだった。下をよく見ると、サラも内山もキッドも全員無事だ。カインの手には神の力をまとった、ダインスレイフが握られていた。


「生意気だぞ!人風情が!」

「それがどうした!?守りたいものを守って何が悪い!」


カインはダインスレイフを振るった。アダムもまたデュランダルを握りカインの攻撃を迎えた。乾いた世界に乾いた県のぶつかる音が響く。カインのほうが小柄なため素早い動きが出来る、そのためカインのほうが優勢だった。アダムはカインの猛攻を躱しながら、再び魔法陣を展開した。そこからは先ほど以上のエネルギーが溢れていた。


「武器も武術もダメな僕には天界術があった!だから今まで天界術を極めてきたんだ!」

「神をも滅ぼす弓とならん!アマテラス!」


真解放トゥルーリベレイト)前のサラの神器は銃であったが神のアマテラスが使っていた武器は弓であっとされている。そして今のサラが握る、アマテラスも弓の形をしている。


「まさか本当に神の力を?」


矢を避けた一瞬の隙を狙ってキッドが真解放トゥルーリベレイト)された神器を振るった。


「鬼切!」


キッドが魔力を込めると短刀である鬼切が巨刀を超えるほどのサイズになった。これは限界を超えた過去にない新たな力を手に入れたからこそなせることだ。


「ヌオラァァァァァァァァァァ」

「乗りすぎだ!調子に」


キッドの一撃を防御魔法陣で防いだ。そしてさっき展開した魔法陣を発動した。するとあたりに白い光が射し込んできた。太陽の光とは違い冷たい、温かさの全くない光だった。


「世界は白に帰る、ゼノンオーバー」


白い光を浴びた建物や木々は全て灰となり崩れ落ちた。残されたのは灰と蒼く澄み切った空、こうこうと輝く太陽のみだった。命の存在すら感じられない、真っ白な世界だった。


「チッ…余計なことを!」

「任せろ!蜘蛛切!」


内山が蜘蛛切に魔力を送ると蜘蛛切も巨大化した。しかし鬼切とは違い蜘蛛切は細かな刀となり雨のように降り注いだ。


「無駄だよ。ゼノンオーバーは僕が望むものを灰に変えられる」


アダムの言う通り細かな刀は白いはいとなった。しかしその灰は内山の元へ集まり蜘蛛切の形へ戻った。


「まさか貴様!?本部も消したのか?」

「さぁね、どうかな?後ろを見ればわかるんじゃないのかな?」


カインが振り向くと街は殆どが灰になっていた。城も本部も家も…全てが白い灰となっていた。


「ナナさんたちは?」


通信機にむかい話しかけるが反応がなかった。全て灰になるということは人も例外ではないということ、神の力をまとっているカインたちは影響を受けないがまとっていない他の人は灰になってしまう。


「まじかよ…」

「うそ…だよね?」


四人の絶望を見てアダムは不敵な笑みを浮かべた。アダムにとって世界を支配することが勝利ではない。すべてを作り替えることが勝利なのだ。


「言ったはずだよ僕は、絶望しろと」

「キッド、鬼切を貸せ」

「何を?」


内山が蜘蛛切と鬼切を地面に刺し、ありったけの魔力を送り込んだ。赤と青に光始めた二本の刀は、静かに交わり始め、その姿を変え始めた。


「まだ終わってない!今日に絶望しても、明日に希望を届けるために!神剣!!天羽々斬!」


完全に交わった二本の刀はシンの国に伝わる伝説の神剣、天羽々斬になった。和神ではなく、神話の神の力で奇跡的に作り出さ神話子神の力で奇跡的に作り出された疑似的な天羽々斬ではあるが、アダムの相手に不足はなかった


「いいってもんじゃないぞ!調子に乗りすぎだ!」


アダムもデュランダルを構え応戦する体制をとった。神と神がぶつかり合えば何が起こるかわからない、聖剣と魔剣がぶつかり合う以上の衝撃が世界を襲うかもしれない。


「天羽々斬第1形態!大太刀!」


天羽々斬は大太刀のサイズとなった。そのまま白い光を放ちながらアダムへと振り下ろした。サイズが大きくなり威力も増したため当たればただでは済まないだろう。


「せいやァァァァァァァァァァ」

「その程度なのかい?その神剣は?」


しかし、天羽々斬の一撃はデュランダルの聖力の壁にぶち当たり、勢いを失ったどころか元のサイズへと戻ってしまった。


「まだまだッ!第2形態天切ル雨」


第二形態、天切ル雨。鬼切の技と同じく無数の小さな刀となり雨のように降り注ぐ。さっきのとの違いは一つ一つの大きさと速度、量が多いところだ。


「無駄だよ!」


アダムはデュランダルを空中で横に回した。すると刀は次々にデュランダルへ吸い寄せられ、粉々に割砕かれた。


「(神を纏わせた偽りの真剣ではこれが限界か…)」

「もう終わりかい?だったら…」


アダムは擬似太陽の魔法陣を展開と同時に握りつぶし発動した。先程とは明らかにエネルギー量が違い、纏った神の力を凌駕していた。直撃すれば死は免れないエネルギー量だとわかる。それどころか遮ろものが何もなくなったこの世界ではこの疑似太陽は最大の脅威となる。


「死ねェェェェェェェェェェェェ!」

「先程から同じことの繰り返し、もう戯曲は飽きてしまってね」


アダムの攻撃は一瞬のうちに消し去られてしまった。強大な模倣人が消し去れた衝撃により当たり積もった灰が巻き上がった。灰が収まり始めた時に見えたのは意外な人物だった。

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