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デュランダル

「天界神、アダム!貴様はこの力にどうはむかう?」

「ただの奇跡に!調子に乗りすぎだ」


アダムは地上に散っていた天界兵を全て集めた。


「総力戦と行こうか」


ざっと10万は居ようと思われる天界兵を見るとアダムにも後がないことが目に見えていた。


「この剣を奇跡と呼ぶお前には勝ち目などない!」

「黙れよ裏切り者」


アダムはある魔法陣を展開した。するとレンの腕に着いていた腕輪が赤く光った。


「グッ!グ、グァァァァァァァァァァ!」

「そうなってはもう動けまいよ」

「貴様!レンに何を!?」

「なぁに、反逆者に制裁を加えたまでよ」

「きに...するな!...今は...アダムを...」


レンの声に余裕などみじんも感じられなかった。しかし、いまはレンの言うと通り目の前のアダムを何とかするのが最優先にすべきことだ。


「全軍に告ぐ、私に勝利を捧げろ!」


アダムの一声で天界兵たちの闘志は狂ったように上がりつ続けた。まるで何かに操られているかのようだった。


「我々は全てを守る、国家安全保障連合最強の国だ!その名誉に泥を塗るなよ」

「はいはい、わかってますよ。行くぞ、キッド!」

「はい!内山さん」


内山とキッドの連携戦が始まると、次々に聖民が飛び出していった。


「アマテラスの銃を持って貫けぬものは無い!ミスティック・ショット!」

「すべてを包め、ダークベール」

「連なれ!銀の輝きに曇りはない!シルバー・ジャッジメント」


国保の聖民たちが持ちる力のすべてをもって天界兵に向かっていた。数を見れば圧倒的に国保が不利な状態に立たされている。しかし誰も弱音を吐かなかった。誰も負けるなどと考えてはいなかった。


「こうして戦うのは初めてか?」

「そうですね、初めてです」


内山もキッドも刀の使い手だ。内山は蜘蛛切でキッドは鬼切を使う、どちらもシンの国の名刀である。二人は初めて連携戦をしているのに呼吸がおかしいほどにあっていた。互いの姿が見えていないのにまるで見えているかのような刀さばきだ。二人は刀を介してつながっている、誰が見てもそう思はざる負えない光景だった。


「クロスエンペラーを持って貴様を倒す。アダム」

「君たちが神剣を作ったのに僕だけ作れないのは不公平だ」


アダムがデュランダルを天高く掲げると巨大な魔法陣が現れ、聖剣を吸収し始めた。聖なる力を受けた剣が聖剣と呼ばれている。しかし中には聖剣もどきもある聖なる力を受けたものの何の実力もない言わばただの剣だ。アダムはこの聖剣もどきも吸収し、神剣を創ろうとしている。


「なッ…」


カインの手にあるクロスエンペラーもまた聖剣エクスカリバーを使っているため、魔法陣の力を受けてい

た。


「すまん…レン。聖剣解放!」


一本だったクロスエンペラーは元のエクスカリバーとダインスレイフに戻った。


「神剣でなければ何の恐怖もない」

「だとしても、俺は貴様を倒す!」

「ダインスレフごときで、図にのるな!」


魔法陣から放たれた雷撃がデュランダルに直撃した。聖なる力が最大限に詰まった雷撃はデュランダルに

新たな力を与えた。


「聖剣の力がデュランダルを神剣に変える!もはや貴様の相手は私でなくても大丈夫だ」


アダムは魔法陣を展開し、消え去った。代わりに残ったのは四聖剣だった。


「なんであいつらが出てくるのよ!」

「さっき倒したのに...」

「全員に告ぐ、手出しはするな」


カインがそう命じたのは、戦力を保つためだ。四聖剣はエルが抜けたので三人だけだ。しかし、こちらの死神もまた一人倒され三人となってしまっている。それも倒されたのは最強の死神ヴィルだ。そのため今の国保では勝機はゼロに近かった。だが、カインには勝ち目があった、それが実現すれば勝てる。


「私たちぉ一人で倒せるのかなぁ?」

「神名の神器は戻った、貴様に勝ち目はないぞ」

「やってみなくちゃわからない!従者召喚!ジョーカー」

「従者ごときで自惚れないで頂戴」

「そいつを………従者ごときと………あな…どる…なよ…ッ」


ジョーカー、それはすべてが奇跡から始まった従者、だからこそジョーカーには無限の可能性が秘められている。


「虚無から生まれた魂はその理を見いだせず再び消えゆく!虚無反転!!」


ジョーカーが白い魔法陣を展開すると、四聖剣の周りに光の粒子が集まり、三人が光り始めた。


「あぁ、もうバレちゃったか」

「当たり前だ。死者の魂を弄ぶなんて、君もずいぶん外道だね」

「君ほどではないよ。最悪の王、カイン・ゼルク・サタン君。それに弄んでなどないさ、僕は彼らの神器を糧にしたのさ、この神剣、トゥルー・デュランダルのね!」


アダムの手には先ほどまでのデュランダルとは全く違う形の剣が握られていた。四聖剣が持っていた神器もまた聖剣の一種その四聖剣の魂から神器を抜き出すことでデュランダルに吸収させることが出来る。そのためにアダムは四聖剣の魂を再びこの世に再来させたのだ。


「味わうがいい、新たなデュランダルの力を!」


アダムがデュランダルを一振りすると、アルスタ王国城が消し飛ばされた。さらには国保本部にかけられていた防護魔法陣も破壊された。


「素晴らしい…素晴らしい!これが神剣の力、これがあれば全界を支配できるぞ」


デュランダルのちからをものあたりにした聖民の目から希望の色は消えかけていた。しかし、カインの目

からは消えるどころかさらに強い希望の色が溢れていた。

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