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カインvsヴィル

「そんな玩具で止められるなどと自惚れるな」


 デスサイスでジョーカーを切り裂いたように見えた。しかし切り裂いたはずのジョーカーは水蒸気のように蒸発した。


「そっちの方が玩具だろ」


 ヴィルの鎌はジョーカーの蹴りで飛ばされていた。勝負あったかと思ったがヴィルも一筋縄ではなかった。


「神器解放!ディアデスサイス」


デスサイスの秘められた力を解放すると、蹴り飛ばされ近くになかったはずのデスサイスがヴィルのもとに飛んできた。


「そっちがその気なら...ジョーカー!」


ジョーカーはどこからともなくカードを取り出し、勢いよく投げた。するとコントロールされているかのようにヴィルの足元に刺さった。


「カード?」


 ヴィルが刺さったカードを抜き取ろうとしたとき、カードから魔法陣が展開されキング、クイーン、ジャックが現れた。


「こんなものッ!」


 ヴィルは神器で現れた3人をなぎ払った。しかしそれは半分になり分裂した。


「ジョーカーの神名は分裂インフィニティ割れば割るほど増えていく」

「無限斬り!」


デスサイスがものすごい速さで回転し分裂されたキングたちを斬っていった。


「だから、割ると増えるんだって!」

「だから、俺は本陣を狙っている!」

「まさか!?」


ヴィルが放った、無限斬りはただの陽道に過ぎなかったのだ。ヴィルの本当の目的は、カインのすきをついてジョーカーを消すことだった。


「神滅斬!」


ジョーカーの目前まで迫った。ヴィルが放った一撃はジョーカーを斬った。


「まさかジョーカーが破られるなんて...来い、サタンバレット」


カインの呼びかけにサタンバレットはしっかりと答えた。


「解放、サタンバレット!」


サタンバレットの真の力かどうかは分からないが、ヴィルが目を見開いた時すでにデスサイスは真っ二つになっていた。


「神器解放、エクスアルヴァ」


レルが神器を解放し、一振りすると衝撃波が2人の間を過ぎて行った。


「もう満足だろ?それにこれ以上は体がもたない。神器を使っても勝てないなら認めざるを得ないだろ?」


 神器は神が使うべきものだ、しかし神より授けられしものも使うことができる。ただしそれには代償が必要なのだ。魔力という代償が、魔力が枯渇すれば人は死ぬ。これは魔界であっても天界であっても同じことだ。神器を使うことは死と隣り合わせなのだ。


「認めん、あれはあいつの力ではない」

「だったらお前が解放した神器もお前自身の力じゃないだろ?」


 従者がダメなら神から授けられた神器だってダメなはずだ。これを言えば使っていいものは魔法だけになってしまう。


「ヴィルさん、一本取られたね」


ヴィルは何も言い返さなかった。


「新生サタン様、我々はあなた様を天上魔界王と認め、命に従います」


 死神たちは深々と頭を下げた。渋々ではあったがヴィルも下げていた。これで天上魔界の協力が受けられる。カインは協力の旨を伝えた。


「人間界が落ちれば次は魔界だろう。人間界には天界に対抗できる力は少ない。人間界で天界の戦力を落とすのは不可能だ。だから、人間界で天界を潰し魔界での戦闘は回避する。そのためには君たちの力が必要だ」

「旨はわかりました。しかしなぜ人間界に肩入れをするのですか?」

「人間界は今、私が全てを握っていると言っても過言ではない。だから私の地が壊されるのが気に入らんのだ」


 国保未加入の国のほとんどが壊滅した今、国保の総司令であるカインが実権を握ったようなものだ。自分勝手な考えではあるが、その実権を奪われたくない。


「なるほど、わかりました。協力しましょう」

「約1名協力性のないものがいるが?」

「大丈夫、ヴィルがいなくても私がなんとかする」


 始めてエルが口を開いた。澄んだ、とてもきれいな声だった。そんな声を魔界の住人は、はっすることはできない


「私は全員に期待している」

「僕たちに敵はないからね」


先ほどまでは警戒していたのか鋭い口調だった。しかし、今は数分でここまで変わるのかと思うくらい明るい口調だった。


「では、私は一旦人間界に戻る」


カインは魔法陣を展開し人間界に帰還した。


「人間界を救うなんて、新しい魔界王も生温いね」

「貴様らが認めたのだろう?」


ヴィルは賛成していなかった。さっきの戦いではまだ納得していないのだ。


「でもぉあのまま続けてたら、ヴィルが死んでたよ」


確かにあのまま続けてたらヴィルの魔力は底をつき、死に至っただろう。これにはヴィルも何も言い返さなかった。


「まぁ、今回の戦いであの方の本当の力が見れますよ」

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