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天界から攻撃

「お前はどこまで勝手なんだ」

「まぁ、いいんじゃない?責任はカインが1人でとればいいだけなんだし」

「本当にそれで済むかしら?」


 三大剣が心配するのも無理はなかった。まだ国家安全保障連合として活動を始めてから6か月しかたっていないあのだから国民からの支持もそれほどない。そんな状況でまた異界間のトラブルを起こしてしまったのだ。国家安全保障連合としての今後が懸念される事態だ。


「えぇ⁉︎済まないの?そんなのやだよ〜僕泣いちゃうよ〜」

「問題ない全ては私が1人で決めたことだ。責任は私が取る」

「ヒューヒューかっこいい〜」


 責任を取るということがどのような結末を招くのか、この時に分かるものはいなかった...今はただ天界との戦いに備えるしかないのだから


「ただし、自国の事は自国でやってくれ」

「そんなのいつも通りじゃない」

「あぁ、それくらい分かっている」

「問題なんて起きないよ、僕の国は僕が全部守り抜くからから」

「では、今日の会議は終了だ。いつ天界が攻撃をしてくるか分かっていない、十分な準備をしておいてくれ」


 会議を終わらせ、退出しようとしている中フレイだけはまだ座ったままだった。フレイは王族ではないが反乱の結果ミリアナ王国へと成り上がった。今のフレイはふざけているようにしか見えないが、実際は相当な実力者だとわかる。フレイが時々放つ静かな殺気がそれを物語っていた。


「フレイ、そろそろ閉めたいのだが…?」


 返事がなかった。会議が終わる少し前からピクリとも動かない。心配になったカインがフレイに近づき息があるかを確認した。


「・・・息は…あるな、心臓も動いている」

「…もう…食べれません……あっ、デザートは食べます…」

「・・・え?」


 カインはそれ以上なにも言わなかった。寝てしまったフレイを起こすのも悪いと思いミリアナ王国に連絡したが夜遅くだったため、迎えの者が来れないとのことだった。仕方なくフレイを背負い城へ帰ることにした。


「どうした?家出か?」

「誘拐だろ?」

「え?等々やっちゃったか〜」


ナナ、ルイ、サラは口々にカインを馬鹿にした。


「ねぇ、俺って君達からみてどうゆい存在?」

「え?、ちょっと危ない人」


 三人にピッタリと声を合わせて言われてしまったのでなにも言い返せなかった。とりあえず、経緯だけ説明することにした。


「こいつはミリアナ王国大総統のフレイだ、会議の後寝てたんで仕方なく連れてきた」

「だからって女の子をもちかえるのはちょっと…」

「持ち帰るとか紛らわしいことを言うな!それにフレイは男だぞ」

「え?えぇ〜」


 人をちょっと危ない人だとかなんだとか言いながら、自分は人の性別を間違えるのかと言いたかったがサラに何を言ったところで聞く耳を持たないことはこの6か月で分かっていた。


「え?普通気づくでしょ?」


 ナナとルイは頷いていたので気づいていたようだ。最初のころからいるナナとルイはカインが女を担ぐことなんてなことくらい分かっている。カインなら無理にでも迎え呼ぶをだろう。しかしそんな連絡はなかった、ということは相手は親しい者で、性別は男ということになる。というのがナナとルイの考えだ。


「どこか空き部屋なかったっけ?」

「残念だが、応接間以外満室だ」

「レンの部屋は?」

「魔導結界があっては入れない。解除には時間がかかる」

「じゃあ、俺の部屋か…」


ほかのだれかに頼むわけにもいかないので、必然的にカインの部屋になってしまう。


「変な気は起こすなよ」

「おこさねぇよ!」

 カインの部屋はどの聖民より広い。それになぜかベッドも二つある。

「そうか、これはこんな時のためにあったのか」


 そんなわけはない。たまたま余ったから戒の部屋に置いただけだとナナがルイに言っていた。カインはフレイをもう一つのベッドに寝かせた後、カインも別のベッドに入り眠りについた。数時間後カインは緊急避難信号の音で目が覚めた。


「マジか…」

「カイン!カイン!答えろ!」

「あぁ!もう!なんだよ」

「第1区に避難信号だ!指揮を!」

「何?第1区だと?」


 第1区は城を含む半径10キロ圏内のことだ。そこに緊急避難信号が出されると言う事は国の存亡に関わることだ。


「状況報告」

「第3からの報告によると現在、第1区にて第3〜6までの聖民で応戦、戦状は押されています」

「了解!すぐ向かう」


 第3から第6までが出ていてァされているということはかなりまずい状況であることに違いはない。


「敵の正体は?」

「不明です。しかし反国家ではありません」


 サラの報告から大体の予想はついた。反国家ではない、魔導結界が一番強い第1区に侵入できる、このことから異界の者だと判断できる。魔界が攻めてくる事はないので残りは天界になる。


「全員に通達、敵は天界だ」

「了解、通達しまっ…」


通信が切れた。機械の不調ではなく妨害電波系のものの影響だとすぐに分かった。


「何もんだ?」


カインが付いた時にはほかの聖民はボロボロになっていた。


「天界第三権力者、フラメルと申します」

「第三権力者?俺も舐められたもんだな」

「まぁまぁそうおっしゃらずに」

「竜帝の業火よ全て薙ぎ払え」


 簡易詠唱を終わらせ魔法を放った。しかしそれはフラメルに届く前に消えてしまった。再び詠唱し、放つがやはり届く前に消えてしまう。


「どうしました?」

「デスサイス」


 魔法が効かないと判断し、武器に変えてみることにした、しかしデスサイスは中距離武器のため、近づかななければならない。だが敵の攻撃が分からない今、近づくのは危険すぎる。


「レイズデット」


 聞き覚えのない術に反応が遅れてしまい、カインに直撃した。幸いデスサイスおかげで少しはガードできたがダメージは大きかった。


「立つのもやっとですか〜?たかが一発ですよ〜、情けないですね〜」

「チッ」

「安らかに眠れ、オーラベイン」


 聞き覚えのない術だったが全文から、即死ありの魔法だとわかる。しかし、分かっていながらも、避ける力は残っていなかった。さっきの術には継続ダメージ効果があったらしく、今も苦しめられている。


「廃帝よ、全てを力で押さえつけよ。ノーマグラビティ」


 誰かの術が見事にフラメルの術と相打ちになり、お互いに消滅しあった。その衝撃によりあたりは砂けむりに包まれた。


「おかしいですね、外からは知被けないはずですがあなた何者ですか?」


 砂けむりの先を見つめると、ゆっくりと人影が現れた。フラメルにはわからなかったが、カインにはそれが誰なのかすぐに分かった。そう、フレイだ。


「これはどうゆう状況かな?」

「天界の襲撃だ」

「あぁ、これが…」

「なぜここが分かった?」


フレイには情報を伝えさせていないため、普通は分かるはずがなかった


「起きたら異常なほど魔力が集中してるトコがあったから不思議だな〜って思ってきてみたらこうなってた」


 いわば偶然だ。言って仕舞えば好奇心のままに進んでたらたまたま見つけたようなものだ。


「加勢頼む」

「高くつくよ(笑)」

「勝てたら飯くらいおごるさ」

「やった!じゃあ頑張ろう!獣神の是のなかにそなたの本性を出さん、イフリート」


無邪気だが実力はある、これがフレイが国王になれた理由だ。無邪気で幼いフレイをミリアナ王国前王は信頼し、側近としてつかわせた。しかしそれが間違えだった、ミリアナ王国はまんまとフレイの手におちてしあったのだ。


「全ては偽りに消える。従者召喚、ピエロ」

「ふん、雑魚が増えてもあまり変わらないのですがねぇ」

「なめるなよ。従者転生召喚、ジョーカー」

「それがなんだと言うのですか!転進の不の中の全てに光あれ、エクスノーマ」

「全ては逆になる、表は裏に」


 ジョーカーの特有魔術反転によりフラメルの術はクルリと向きを変え、フラメルに向かっていった。


「実有魔力で自信を攻撃するのは不可能ですよ。バカですねぇ」

「全ては逆になった。よく考えろ」


 お気づきだろうか?全てが逆になったと言うことは、実有魔力で自身を攻撃できないは実有魔力でしか自身を攻撃できないになった。当たり前だが魔力の事しか逆にはならない。


「チッ…もう受けるしかないじゃないですか」


カインが勝利を確信した時、突如フラメルの魔法は消滅した。その衝撃であたりは再び砂けむりに包まれた。


「なぜだ?魔法は反転しているはず。魔法を消すのは他者しかできないはずだ」


 魔法が反転しているため、カインに向けて放たれた魔法は全て自身に返ってくる。かといって魔武器を召喚しても反転するため、召喚が退却になるからできない。考えられるのは第三者の加勢だから天界第三権力者を上回る者は第ニ権力者と第一権力者だけだ。


「まさか…レンか?」


 そのとき砂けむりの中から武器を持ち素早く攻撃を仕掛けてきた。その速さからそれがルイだとすぐに分かった。


「なんでだよ…」


 レンの剣に対しカインは防ぐ事しか出来たかった。カインが鎌を振ればレンに当たってしまう。味方に攻撃するわけにはいかなかった。


「何やってんだよ!」


 フレイの声すら届いていなかった。


「チッ…とこしえの非中で永遠にさまよえ!ホーリーロード」

「あれれぇ?確か魔法は全て反転するんじゃなかったでぇすか?」

「しまった…」


 気付いた時にはもう遅く、自分の魔法が目の前に迫っていた。


「危ないなぁ」


 たまたま通りかかったルイが異変に気付き、加勢しにきたのだ。


「なんでですか!?」

「当たり前だろ?」

「あぁ!もう!ウザいですね!返り咲け、ブルー...」


フラメルが詠唱を始めた途端、音もたてずに消えた。


「間に合ったようだな」


どうやらナナが何かしたらしい。


「俺たちの負けか...」


カインたちの攻撃は一切当たらなかった。手の内を開けただけで、何の情報も手に入れることが出来なかった。惨敗としか言いようがない...。

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