最大の策〜ジャッジメント〜
第2話です。中途半端な終わり方ですが、続きを楽しみにしてください
新王になって一番の問題は開拓者の反乱問題だった。前王はもうこの国から出て行ってしまったため、相談することはできない。また、上層王会にも相談できるものではなかった。
「はぁ…|開拓者を止めるにはどうしたらいいんだろうか…」
独り言を言ってしまうくらい悩んでいた。
〜三日前〜
「何か策があって王の座を引き継いのですかな?カイン国王殿?」
大皇帝ダイナ・シャル、世界で知らぬ者はいないと言われているほどの有名人だ。なんせ開拓者を反乱
に導いた皇帝の孫にあたる人なんだから。
「申し訳ありませんがまだ具体的な策はありません」
「そうですか。まぁ上層王会でも対処しかねた案件です。ゆっくり考えるといいでしょう。しかし、あなたが悩んでいる間にも開拓者の攻撃は強くなるばかりですよ。それはお忘れなきよう」
これが前アルスタ王が言っていたプレッシャー、つまり王を辞任に追い込む圧力だろう。幸いにもダイナ・シャルにはカインの身分は知られていなかった。
「はい。早急かつ適切に対処します」
「期待してますよ」
あれから3日が経った。しかし一向に策など出てこない。カインが一人で開拓者を根絶やしにするのは不可能だし、それをやったところで新たな火種になって終わりだ。しかし、魔法を使える開拓者に一般的な兵力が敵うはずがない。反乱を止めるには開拓者と分かり合うことと分かり合えなかった場合の軍事的な力が必要だ。今のカインにダイナ・シャルから軍事力を引き出す権利はない。だからこそこの問題は解決しないのだ。
「和解は俺が何とかするとして、問題は分かり合えない者の措置だ」
そんな時机の上に二枚の報告書を見つけた。1枚目の書類は昔の制裁者について書かれていた。2枚目の書類には開拓者を影で操っていると言われている反国家組織について書かれていた。
「大臣!大臣!」
「ハイ、何でしょう?」
「至急ダイナ皇帝に連絡をとり、上層王会の開催を要請してくれ。良い策が見つかった」
「かしこまりました。すぐ連絡します」
その夜大臣は皇帝に連絡し明日の朝、上層王会が開かれることになった。
翌朝
「上層王会の開催を要求したのですから何か策が見つかったのですよね?」
「はい、見つかりました」
「いったいどのようなものですか?」
「制裁者の再結成です」
会場には笑い声が響いた。それもそのはずだろう、制裁者はとうの昔に開拓者に敗北し解散しているのだから。
「はっ、制裁者の再結成?制裁者はとうの昔に開拓者に敗れたのだぞ?それを再結成させてどうする?」
「確かに昔、制裁者は開拓者に敗れました。しかしそれは制裁者のメンバーが全員一般人だったからで
す」
「確かに当時の制裁者のメンバーは全員一般人でした。では、再結成のメンバーは誰を使うんですか?」
開拓者を抑えるには魔法が使えなけれが意味がない。そうなると答えはすぐに出てくる
「そのメンバーすでにみなさんが確保しているのではないですか?」
「まさか!?」
「そのまさかです。はっきり言いますと開拓者、その中でもまだ幼い子供を使います」
「はっ、制裁者再結成の次は開拓者の子供を戦場に出すだと?無理決まっている!」
この王の言うこともわからなくはないが話は最後まで来てほしいものだとカインは思った。
「確かに幼い子は無理でしょう。しかし私ぐらいの歳の者なら訓練をすれば最強の戦士となります」
「その子の親はどうするのです?親は子を守るものでしょう?だとすれば親は必ず反乱を起こす」
「反乱は絶対起きません。私が和解を必ず成功させます」
「今の話を聞いていると制裁者の再結成には開拓者の反乱を治めるだけじゃない気がします。制裁者の再
結成の真意を教えてください」
ダイナの言うとり和解が必ず成功するなら制裁者は再結成する意味がない。制裁者の再結成にはもっと別な意図があるはずだ。
「ダイナ皇帝のいう通り、ジャッジメント再結成は開拓者の対処が全てではありません。制裁者の再結成の真意は反国家組織の撲滅です」