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俺の家族は全員勇者   作者: 茨 氷華
日常編
2/3

プロローグ

なろう初です。まだまだ拙い文章なので誤字・脱字、アドバイスが

あったらどんどん言ってください。


 


 どうやら俺には前世の記憶があるらしい。



  中二とか、そんなのじゃなくて本当に。

  俺自身も気づいたのが一年くらい前だったし、それ以前は

 もやもやっとしたものが心の中で渦巻いていてよくわからなかった。

 

  ちなみに前世の俺はゲームが大好きな引きこもりだ。家火事で逃げ遅れて

 死んだ憐れな中学生だった。


  確かこういうのを転生というんだっけ。

 ラノベやネット小説が好きだった前世の俺がよく読んだジャンルのひとつだ。

 あの頃は夢物語で終わらせていたが、本当に転生できるなんてな。

 気まぐれな神様に感謝だ。




  さて、ここでひとつ画面の前の皆さんに問いたい事がある。

  この世界に生まれ、一年前に前世の記憶持ちだというのに気づいて、

 その記憶と照らし合わせて生まれた疑問だ。





  勇者って十数人も必要なのか?





  えっ?質問の意味がよくわからないって?そりゃそうだ。

 俺だってわからないからなぁ。

 

  じゃあ言い方を変えよう。






  俺を含む家族全員が勇者だったらどうなるんだ?







  うん、俺も思ったんだけど魔王なんてあれだよな?

  フルボッコ確定だよな?



  あっ言っておくけど俺の家族は父さんと母さんは含まないぞ。

 だって三年前に事故で死んでいるからな。兄弟姉妹、合わせて十四人。


  俺は兄弟の中で八番目、名前はジェスだ。


  えっ 何?

  転生してなにかやりたかった事があったのでは?っと。




  んー今はどうでもいいかな。

  確かに前世の俺にもあったよ、ハーレムやらチートやらになってみたいと

 いう願望が。

 

  でもそんなのになれたとしても




  姉さんや兄さん達にはかなわない気がするんだよなぁ、これが。







 ☆






  瓦礫の山と化した場所に、彼らはいた。


  しかし、彼らは国のために動く騎士団でもなければ、

 神の声を聞く教会の神官達でもなかった。


「うーん、やっぱ魔王倒した後で受ける風は気持ちが

  良いわねぇ」


  穏やかな口調で言葉を紡ぐ白髪の少女は大きく伸びをした。


「エレナ姉さんって戦った後いつもそんなこと言ってるよな」


「エレナお姉ちゃん、 20越えてからおばさん臭い言葉をよく

  使うようになったもんねー」


  炎のような色をした髪の少年ージェスとその彼におんぶされた

 透き通る水色の髪をひとまとめにした少女ーカナが白髪の少女ーではなく

 20歳を越え、もうれっきとした大人なエレナをおちょくるように

 言ってくる。


「なっ……お、おばさんはひどいわよちょっと。確かに20は

  越えたけれど、この見た目ならまだまだいけるでしょ?」


  そう言っていかにも色気がでるようなポーズをするが……


「やっぱあそこが足りねぇぜエレナ姉」


「まぁ、そういうポーズをしても色気が出ない姉上には

  さすがに同情するが……」


「胸は小さくても姉さんは姉さんだ。俺は外見じゃなくて

  心で決めるからな」


「うぅ……エレナ姉上、その気持ちすっごくわかります… 」


  弟達には胸がないと言われ、未だにAAを誇る妹のレイには同情され、

 エレナは「そこまでボコスカ言わなくてもいいのにー…」と一人涙をこぼした。



「グスンッもう皆帰るわよ。それとソル、ガンマ、クロノは後で

  私の部屋に来なさい!」


「あ、姉上?!」

「はぁっ?!」

「俺、おかしなこと言ったか……?」


「エレナ、お仕置きは別に構わないが……家は壊すなよ?」


「えぇ、わかっているわハンス兄さん、三人とも覚悟を決めといてね」


「エレナ姉様、早く帰りましょう。私お風呂に入りたいですわ」


「俺は早く飯が食いたい」


「カインド兄さんらしいや」


「そうですね」


「僕は早く家に帰って……」






 ☆






  俺達は勇者でもあるし家族でもある、か。


  兄さんや姉さん達の騒がしい様子を見て、

 俺の脳裏にこの言葉が過る。




「……そうかもしれないな」





  跡形もなくなった魔王城から自分達の家にワープするとき

 俺は誰にも聞こえないような小声でぽつり呟いた。



なるべく2日以内更新を目指します。

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