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要の意味  作者: かなりあ
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ハンター

ほどなくして商会に着いた。

並べられた化粧品や、装飾品を見せられたが、全く興味はわかない。

違う物を見ようとするが手をにぎられているので逃げることはできない。

マネキンのように飾りを当てられ、じっとしていることに集中する。


漸く終わったと思えば、ホクホク顔のシルエラに服屋へ連行され、またもマネキンである。

今日は、親孝行の日と言い聞かせ、なんとか乗り切った。


馬車を待ちながら仲良し護衛のシスルをボーッと眺めて閃いた。


「お母様?私、少しシスルと町を歩いていいですか?」

「あら、何かほしい物があるの?」

「いいえ。見て回りたいだけなのですけど…」

「う〜ん…そうね…今日は可愛いカナメちゃんだし、早く帰ってくるなら…」

「ホント?ありがとう、お母様。」

「シスルから離れちゃダメよ?約束してね?」

「はーい。行ってきます、お母様。」





「ふー疲れる〜女言葉!」

「お嬢様…あなたは女の子ですよ?」

「シスル…喋り方キモイ」

「…はぁ…これだからじゃじゃ馬は…せっかくエスコートしてやろうとしてんのによ〜!」

「ハッハッハ、似合わないことするな。さーて何食べよっかな〜…」

「はぁ…」





「そっちは駄目だ。」

「なぜに?」

「ハンターが多いからだ。」

「それが?」

「柄わりぃんは知ってるだろ?」

「知ってるよ。そのためのシスルじゃん!ファイト!シスル!」

「ふぁい?…ったく。手を離すなよ?」

「おうよっ!」



そこはなかなかに強面おじさんの宝庫だった。

酒場はオープンで楽しそうだし、何より視界の大部分がムキムキ筋肉だ。

いつも見る風景ではない為新鮮だ。

店も歩きながら覗けるし、面白い。

ふと露天で足を止める。


「ねぇ、お兄さん。この針何に使うの?」

「おい…」


シスルの声を無視して見つめると、困った顔してシスルと私を見比べる。


「…これなぁ…まだ嬢ちゃんが知るのには早いと思うんだが……」


「まだ塗ってない?…先っぽに」

「お…おう…まだ……」

手を伸ばし、5本の金属串を手のひらでシャラシャラ鳴らす。

と、突然背後が騒がしくなる。




ーーこの前盗んだ剣じゃねーのか?ーー

ーー違う!今日買ったんだ!!ーー

ーー嘘ついてんじゃねーぞ!コラァ!ーー




後ろを見ると4人組が1人を囲んでいるのが見える。

スッと立ち上がり、後ろを見たまま

「いくら?」

「…え……」

「いくらで売ってるの?」

「そ、それは……」

「遅いっ!シスル、払ってて!」


ポンとこづかい袋を投げ渡し、針を一本右手に持つ。

壁際の一番いきり立っている男に焦点をあわし、走りながら腕を振り切る。


ーーートンッーーーー


男の顔から、10センチほど右に突き刺さったそれ。

ギャラリーの中から数人が、こちらを振り向く気配を感じ、横に立っていた男の腕を掴んで半身隠す。

うん、この男なかなか強そう。でっかい剣もってるし、擦り付けても大丈夫だろう。

チラッとこちらを見て、その場で声を上げるその男。


「また会ったな!」

「チッ……ライネル=スパーダ」


私の投げた針で牽制された男が、憎々しげに名指しした。


ーーライネル?ーーーー

ーー誰だ?ーーー

ーーーほら、銀聖ーーー

ーーーあぁ、最近良く聞くなーーー

ーーほう。銀聖ーーー


「で?そっちのお前…本当に買ったもんかそれ」

「お、おぉ、そうだ。向こうの店で買った。」

「なら、店行きゃあハッキリすんだろ?これでいいんじゃねーか?」

「お前、ほんとだろうな!?…チッ……ライネル、覚えてろよ!糞が!」



私の横の男に言い捨て、悪役が立ち去った。ザワザワと波が引いていく。

ふと視線を感じが振り向くと、シスルと露天の兄ちゃんが目を丸くしていた。

その顔、今日の馬鹿父と馬鹿兄と一緒だ〜。

スッと手を払われ、まだ掴んだままだったのをすっかり忘れてた。


「たすかったわ」


子供っぽく笑顔でいう。


「偉く肝の据わった嬢ちゃんだな。」

「ん?当たらないようにしたもの。でも、貴方の知り合いだったおかげで助かったわ。ありがとう」

「…そう。なら、お礼を貰えるかい?」


ニヤリとするこの男。

ふふっ、お礼な、お礼。


「そうね…あ、いいこと教えてあげる。耳貸して?」

「…ん?」

「…あのね」

ーーーチュッーーー


目を丸くする本日5人目…


「ふふっ、お礼はこれで足りるかしら?」

ニヤリと顔をみる。

ククッ、子供のほっぺにキスは、さぞ可愛かろう。うんうん。


「…た、たしかに…」

「じゃぁね、ライネル=スパーダ」


淑女の礼をしてスカートを翻す。

露天の兄ちゃんに、何か見た?と言って、シスルの手を握り、来た道を戻った。




帰り道、シスルに尋問されたのは言うまでもない。

ダーツが得意だったと言っても、この町にはダーツの存在がない。

それに、ダーツとは比べものにならない長さの金属棒を投げれたのも悪ガキ連中と遊んでた時に発見した事だし、言えない。

異常な身体能力…

多分だけど、地球と重力が違うんじゃないだろうか…

とんでもなくジャンプ高いし、自分の力の限界が大人よりあるなんて、考えても説明つかないんだよ。

聞いたところで誰も答えてくれる奴いねぇし、知ってどうなることもない。


一応、

「偶に棒投げて遊んでるから」

って言っておいた。




ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー




今日は結構疲れた。

……ライネル=スパーダ…

また会ってみたい。




…………ん?




ーーーーーーーーーーーーーーー



「で?カナメとの逢い引きはどうだった?」

「あ、逢い引きですか?…そんな可愛いもんじゃありませんでした…」

「んん?不満か?うちの娘じゃ」

「…いえ、そうではなくて…」



「ふぅ…そうか…我が娘は、何者だ?」

「…私にはさっぱり…それで、手針四本はまだ手元に持っていると思います。」

「そうか……まぁ俺らに使うことはないだろう。そんなに疑ってやるな。俺はあの子を信じている。…が、報告は有り難く思う。お疲れさん」

「はっ!失礼します」




翌朝………


「か、カナメ?何をしているのかな?」

「ん?これ?箸だよ、は、し。なんか本当の使い道じゃないけど、調度いい太さでさ〜…これで食べちゃ駄目?」


「ククッ…先が尖ってなかったかい?……クククッ…」

「あぁ、ほらっ、削った。庭石でガリガリと」

「何っ!?」

「ウィル、食事中よ?大きい声出さないで?」

「…しかし、ふむ……どの石を?」

「んー………でっかいの。」

「……見てくる!」

勢い良く出て行く背中を見送って、恐る恐るシルエラに問いかける。

「駄目……だったかな…?」

「いいのよ、石ぐらい。可愛い思い出になるわ。」


にっこり微笑むシルエラ…


意味が分からない………




しょぼーんとした髭男爵がもどってきた。

なんかごめん。

一応茶目っ気を入れて、星形にしてみたんですが、意味はなかったみたいですね…

ご機嫌伺いでも考えとこー。



しかし、箸っていいね。ご飯と味噌汁が恋しいぜっ………チクショウ!








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