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要の意味  作者: かなりあ
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幕間 恋の相談

「…なぁギル…カナメ、なんかおかしくねぇか?」

「あぁ。飲むのが早すぎる」

「…おい!カナメ、飯を食え。」

「…はぁ」

「カナメ!」

「うおっ、なんだ?どうかした?」

「どうかしてんのはお前だ…大事な栄養とやらが進んでねーぞ?なんかあったのか?」

「…あった。でも大丈夫…だと思う。」

「ふーん…即断即決のお前がうじうじ悩み事か。珍しいこともあるもんだ。」

「うっせー!私は繊細なんだってば。…悩める乙女?」

「ブッ、乙女だと…やべっハハハハッ!」

「失礼な奴だな…」

「…話してみたらいい」

「……男女の好きってどんな?」

「ブッ!!いやいやいや」

「きったねぇな…アル…」

「…俺にはわからん。すまんな…」

「だろうな…アルはチャラそうだし、わかんねぇだろうな。マンガやなんかはそっち系避けてたし…」

「チャラ…マンガ…」

「あぁ、チャラいってのは軽薄ってことで」

「おい!」

「マンガは…絵本かな?物語。ま、わかんねぇならいいんだ。」

「…告白されたのか?」

「……」

「マジかよ!で?で?なんて答えた?」

「…兄弟だからな。まぁ誰だったとしても受けなかったと思うけど。」

「…養女だからあり得るわな…なるほど…大事な大事な兄を悲しませちゃったのか。うーん、泣けるね。」

「…ぶっ飛ばすぞ?今その手の冗談は乗れないんだ…」

「待て待て待て、剣握ってるから!拳じゃねぇよ!」

「斬れ」

「ギル!!すまん、いや、すいませんでしたっ!」

「……」

「恋…恋恋…手を握ったらドキドキするとか?隣に座るとキスしたくなるとか?…部屋に2人でいるとヤり」

「やめろ…子供だ。」

「ヤりたくなるねぇ…」

「アル…」

「いや、コイツ意味分かってるから!」

「普通そう思うわけ?私なんかといて」

「「……」」

「色気のある女とか、可愛らしい顔の子ならわかるよ?けど、私?…まあ、否定しちゃ駄目だよな。でも、私がなんとも思ってなくて結婚してもやっていけるのか?……あぁ〜」

「結婚って言った?お前…」

「…ああ。無責任な事言っちまった…どうしよう?」

「いや、え?なんでそんな流れになるわけ?」

「…エヴァは私に固執してるんだ。来年成人だから、他の奴に会うことも増えてくるのに、私と決めるのは早計だと思った。だから、家督を継ぐまでに他の女を好きになれなかったら、結婚してもいいと言ったんだ。」

「は?求婚されたのか?いや、それ受けちまっていいのか?」

「…私はいいんだ。恋をするなんて考えもつかない。だが、もし、こんな私と結婚したら幸せになんてなれないよな…ああ、どうにか目を覚ましてくれないかな?エヴァ…」

「……はぁ」

「いや、ちげぇ!ギル!お前も言ってやれよ。」

「…はぁ。私はいい、じゃないだろう…結婚するならそういうことを好きじゃない相手とする事になるんだぞ?」

「…最初だけだろ、痛いのは。でもな…ヤったらだいたい別れるんだよな〜。兄弟なら別れるとかないのになぜそっちがいいんだか…はぁ…」

「なんか、経験しましたって感じじゃね?」

「そりゃあ28にも…いや、聞いた話。」

「……でもな、エヴァ…だっけ?が、家督継ぐまでお前は待ってるってことだろ?行き遅れるじゃねぇか。」

「はんっ、行き遅れねぇ…私が誰かに養って貰うために?それとも子供を産むために?ばっかじゃねえの?行き遅れと罵られようが、自分の人生に満足出来りゃあ幸せなんだよ。独身だろうとな」

「ククククッ…カナメ、その通りかもしれん。…だが、お前がもし万が一そういう相手を見つけたら、兄のことは気にするな。」

「そうはいかない。約束だ。」

「お前は、兄の幸せが自分の幸せと言ったはず…兄もお前が幸せじゃないと幸せになれない。そうじゃないのか?」

「…エヴァがそうだと思うのか?」

「結婚したときはわからないかもしれない。けど、必ず気づく。お前が幸せじゃないことを…」

「……ああ、やはり私は間違ったんだな…ごめんエヴァ…」

「ま、まぁ、他の女見つけるかもだし、お前も久しぶりに会うと好きになるかもしれねぇだろ?…大丈夫なんじゃね?な?」

「…うん。ありがとうアル、ギル…とりあえず私はやることやらないとな…はぁ…」

「そ、そうだぞ!愛だの恋だのに現を抜かしてる場合じゃねぇ!呑め!明日には出るぞ!」

「おぉ、呑もう!何処の町に行くんだ?」

「サランだ。ここから北東にある。」

「ふーん。楽しみだな!…あっ!ギルに女紹介しなくていいのか?この町だったら知り合いはいるんだが…」

「…いい。お前の知り合いは信用ならん。」

「えぇ〜!面白い奴ばかりなのに…」

「俺には?」

「お前は遊びだろ?娼婦に行け!」

「娼婦…14のガキに言われた…ありえねえ…」

「アル…お前も娼婦のお姉さんからしちゃガキなんだよ。慰めてもらえ。」

「お前にだけは言われたくねーよ!!」

「はいはい。行くなら明日の朝には戻って来いよ。ギルもか?」

「…いや、いかな」

「行け行け。男は辛いらしいからな。私は気にしない。ただ、目の前ではやるなよ?キモイから」

「「………」」

「よっしゃ、飯もくったし、風呂入って寝よっ。…ごちそうさまー」

『はいはーい。綺麗にたべたね〜。』

「うん、おいしかったよ。女湯貰うからな。」

『ゆっくり入りな〜』

「はーい。…んじゃ、きをつけてな。金使いすぎんなよ!ハハハッ」

「「………」」

「……いや、どうするよ?」

「行かん」

「…明日から町出るし、俺行ってくるわ…アイツと2人になるけど大丈夫か?」

「…ああ。」

「いや、やっぱいくぞ!ほら、備えあれば憂いなしだ!」

「………」





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