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覗映像、殺人映像、ヤバい映像

数週間後のことである。例の新しい娯楽施設がオープンして数日が経った。お客の数は上々でお年寄りから若い人たちまで老若男女問わず多く人たちが訪れて大盛況らしいのだ。まさに僕の望んだ展開だ。それはたくさんの若いぴちぴちな女の人も多く訪れているということだ。これは期待大だ。

しかし、数日普通に仕事が忙しくようやく日曜日となって僕は覗動画を整理する暇が出来た。コンビニで食料を買いだめして一日この覗動画整理と販売の作業に費やす。この秘密の作業を見られるわけにはいかずこの日は誰も部屋に入れるつもりはない。

それでもノックしてくる人物がいればパソコンの電源を切って寝ていたとでも適当に言い訳言ってこのことを隠すのだ。なぜならこのシェアハウスに住んでいる女性陣の覗映像も僕は持っているからだ。見つかった暁には冗談抜きで殺されかねない。

パソコンで作業する数時間、コンコココンと普通とは違うノックで僕の部屋の扉を叩く者がいる。このノックは僕の部屋に入りたいという意思に表れだ。そのための特別なノック方法だ。でも、まだ信用したわけじゃない。

僕は扉まで近づき囁く。


「合言葉は?」

「山あり谷あり胸あり」

「よしOK」


これで扉の向こうにいるのは僕の味方だ。カギを開けて入って来たのは金髪でツンツンの髪型をしたいかにも悪いイメージを髪型をしているけど、顔はとても優顔の三根くんだ。いつ見てもその顔と髪型が合わない。でも、僕の頼れるお仲間のひとりだ。部屋のカギをしっかりかけてふたりしてパソコンの前に座り込む。


「ひよこくん。秘密の暗号で良好な絵を手に入れたと訊いた」

「ああ、その通りだよ。ターゲットは某娯楽施設」

「確かにこの施設には若い女の子が入って行くのを何度も見ている」

「そんなものは調査済みだよ」

「さすがひよこくん」


ふっふっふとふたりで変態な声で笑う。

そうだよ。僕は変態だよ。否定しない。

でもね。それよりも圧倒的に三根くんの方が変態なんだよ。


「それよりもひよこくん。前に頼んだ例の物は出来上がっているかい?」

「もちろんだよ」


僕は引き出しからピンク色のUSBを取り出す。


「確認したい。御代はそれからだ」

「了解」


USB端末をパソコンに刺して中に入っている映像ファイルを開いて動画を再生する。そこに映っていたのは。


「うおぉぉっぉお!裸の幼女はこんなたくさん!」

「三根くん声が大きい」


画面をなめるように見つめ続ける三根くんの姿はまさに変態だ。僕が彼に提供している覗画像のほとんどが僕とは逆で胸はなくお尻は大きくなく真っ平らで背の低い小さな女の子の裸が映るものばかりなのだ。つまるところ三根くんはロリコンなのだ。

このお風呂の画像は数か月前に県外の小学生が修学旅行の宿泊先として使う旅館の工事に行ったときに仕掛けたものだ。3カ所くらい仕掛ける場所があり要所要所であらゆる角度の三根くんの好きな真っ平らな女の子の映像がとることが出来たのだ。


「うぉ!あの子!少し毛が生えかけてる!」

「三根くんうるさいし、それ以上言うといろいろと問題が発生するからやめて」

「だって、これ大体小学5,6年だろ。それにしてはあの子は大人な体してるし、あの子はまだまだおっぱいもなくてかわいいじゃないか」


僕は動画の再生を止めた。USB端末を引き抜いた。


「あ!ひよこくん!」

「後は自分の部屋で堪能して。それとお金」


しぶしぶ三根くんは財布を取り出して僕にお金を渡す。こんな商売は犯罪だって分かってるけど、お金は儲かるは個人的に見てもうれしい。これ以上のことは何もないのだ。


「さて、それよりもだよ、三根くん」

「おっと、そうだった」


今日彼を招いたのはもちろんとある映像を生放送で見せるためだ。

僕は手際よくパソコンを操作して覗映像をパソコンの画面いっぱいに展開する。


「おお!これがあの大型娯楽施設露天風呂かい!」

「そうだとも!まだ、開店したばかりでお客さん少ないけど」


まだ、開いたばかりの時間でもふたりでこうやって女の人の裸をここに黙ってじっと見ているのが幸せな時間なのだ。僕の場合は大きすぎず小さすぎないバランスのとれたスタイルの女の人が見たい。三根くんは幼女が見たい。それをいっぺんに叶えることが出来るそんな可能性をこの娯楽施設は秘めている。僕らは画面にくぎ付けになる。


「いや~、今回はうまくいってよかった」

「本当だよ」


こんな巨大で多くの人がやってくるこの施設に仕掛けることが出来て本当によかった。今回仕掛けたのは僕の作った最新式のカメラだ。


「湯気で見にくい」

「ご安心を」


僕がパソコンをカタカタと操作すると画面上から湯気が消えた。


「すげー!」

「僕の技術を屈指すればちょろいもんだよ」


さらに画質もあげてより鮮明に女の人の裸を見ることが出来る。これも日頃シャアハウスのお風呂場に仕掛けてあるカメラの改良を続けた成果だよ。


「それにしてもよく今までバレないでいるよね」

「見つかるようなヘマだけはしないようにしてるからね」


見つかってしまえばすべてが終わってしまうからだ。僕の人生とか。

だから、何度も映像の取得失敗しているのだ。失敗はするが見つかることは一度もしてない。


「おお!さっそく誰か入って来た!」


僕は画面にくぎ付けになる。艶やかな長くて黒い髪を後頭部に束ねている。


「推定サイズDだね。大きくなくて小さくもなくていい!」


スタイルも細くその体のラインはまさに男の理想のスタイルそのものだった。


「おお!」


三根くんもロリコンとはいえ大人のこれほどまでにスタイルのいい女性を目の前にしたらさすがに目は画面の向こう側にくぎ付けだ。


「ひよこくん。この映像はばっちり」

「録画してるよ」

「天才」

「ありがとう」


しかし、この人のスタイルはいい。後で編集してアップにして映そう。


「また、誰か入って来た」


今度は僕らの目線がすぐに胸に行くほどの大きなおっぱいをした女の人が入って来た。


「おおお」


思わず二人で驚いてしまう。

推定サイズF。これはなかなか見ることのできないレアなものだ。しっかり録画してなければ。

そんな風に画面の方にくぎ付けになりながら時よりパソコンでの作業しながらただ女湯の覗動画を見ていた時だった。


「・・・・・・ひよこくん」

「なんだい?」

「なんだか様子がおかしくないかい?」


そう三根くんに言われて画面の方に目線を戻してみると湯船につかっている二人が何か言いあっている。その様子は明らかに険悪のようだ。


「何言ってるか聞いてみようか」

「うん」


ほんのたまに女性しかいないこの空間では僕ら男が見たらドン引きするような行動をすることがある。例えば、トイレに行きたくなった。でも、めんどくさい。そうだここでしてしまおうと、とか女の子同士で出来ていて熱いキスをしていたりと、そんな映像が取れてしまったことが何度かある。最初は音がなくてリアル感がそがれてしまったがその後音をつけて見たらリアル感が増してさらに高値売れる映像となった。そんなリアル感をいつでも出せるように今ではどのカメラにも音声も同時とれるようにしている。

三根くんは手際よく僕の引き出しからイヤホンを取り出して自分の耳に当ててもう一歩を僕に渡してくる。僕はそれをつけて音量の調整を行う。この閲覧会は外部に行かにばれないようにやるかにかかっているので音量はなしで行っている。イヤホンならば聞こえる外部に音が漏れることもないので音を上げる。

まだ、ノイズが混ざって聞こえないが少しずつ声が鮮明に聞こえてくる。


『あ・・・・・・許さない!』

『・・・・・・ぁ。・・・・・たし知らない!』

『知らないとは言わせない!』

『だから、知らないって!』


この会話を聞くと後に入って来た大きなお胸の女性の方が一方的に黒髪の女性を攻めているようだ。黒髪の女性は大きなお胸の女性の主張に否定的だ。会話を聞いているとその言い争っている内容が明らかになっていく。


『タカシは私の彼氏なの!あんたみたいな黒髪の女狐なんかに渡さないわよ!』

『だから、タカシなんて知らないわよ!』


この状況から察するに。


「男の取り合いみたいだね」

「まったくそのタカシって人は羨ましいよ。こんなふたり美人から攻めれられるなんて」


まったくその通りだよ。

そんなことをふたりで言いながらまったり見ていると言い合いはどんどんエスカレートしていった。


『タカシは私だけもの誰のものでもない』

『だから、私はタカシなんて知らないって』

『殺してやる!』


そう叫び声をあげながら血迷った大きなお胸の女性はどこから取り出したのか銀色に輝く10センチ程度の何かを取り出した。


『ちょっとあなた何?』

『死ね!』


ザク。

その音と共に赤い液体が噴き出た瞬間黒髪の女性はしぶきを立てて倒れて湯船の中に沈む。僕の精魂込めて調整した鮮明に裸が見やすいよう画質をあげた覗画像が鮮明に湯船の色が白濁色から赤色が混ざって赤ピンク色になっていく。

大きなお胸の女性は銀色の物を手に握ったまま震えている。そして、すぐに湯船から出て露天風呂から出て行ってしまった。

しばらく、僕ら二人は固まっていた。


「・・・・・・・・・何?」


三根くんは何が起きたのか分かっていない。

僕はパソコンの画面を確認する。LIVEという表記が出ている。うん、これはつまりリアルタイムで僕の仕掛けたカメラが映した映像だ。


「もしかしてさ・・・・・・・あの黒髪の女の人は死んでる?」

「いやいや、そんなわけないでしょ!」


僕がすぐに否定する。


「いや、でもおっぱいの大きかった女の人ナイフ持ってたし」

「ち、違いうよ!あれは・・・・・・・そう!きっとさんまだよ!秋の刀魚って書いて秋刀魚って言うくらいだから刃物と間違えても!」

「今、夏なんだけど」


そうだよ。今は初夏の陽気漂う7月上旬だよ。そんなことは分かってる。


「それに風呂場に魚持ってくるとかバカじゃない?」

「そんなこと分かってるよ!」


風呂場に魚を持って来て何するって言うんだよ。僕にも分からないよ。


「あの白濁色のお湯が赤くなったのはなんで?」

「き、きっとあの黒髪の女性が鼻血を出して」

「致死量の鼻血って?」


分かってるよ。鼻血じゃないことくらい分かってるよ!


「あの黒髪の女性が湯船にぷかぷか浮かんだまま顔を出さないのはなんで?」

「それはあれだよ。水泳の練習だよ。水の中で目を開ける練習をしているんだよ」

「・・・・・・・全然上がってこないけど」

「・・・・・・・そうだね」


そのまま僕らはしばらく、そう時間にして10分くらいただその画面を眺め続けた。そして、意識が現実に引き込まれていく。


「あのさ・・・・・・もしかしてさ。ひよこくんの盗撮映像に殺人現場が録れちゃった?」

「そ、そうみたいだね」


再び沈黙が続くと画面の向こうで変化が起きる。お客が入って来た。50代くらいのもうしおれておばちゃんだ。よく映るお金にも僕らの望んでいない、映ってほしくない人物たちのひとりがそれを目の当たりにする。


『キャー!人が死んでる!』


そのおばちゃんの叫ぶ声に僕らも覚醒する。


「ややややややややばいって!どどどどどどどどどうする!ひよこくん!」

「どどどどうするって言われても」

「だって、犯人思いっきり映ってたしというか見たし!」

「そそそそそそうだね」


画面の向こう側が慌ただしくなる。

画面越しからパトカーのサイレンの音が聞こえる。そのパトカーの音も現実にこの部屋にも聞こえる。もう、現実に起きてしまったことだ。僕のカメラに女の人の裸ではなく殺人事件の一部という全部が映りこんでしまった。


「こ・・・・・・・これはきっと殺人マニアの人に高く売れるかも」

「血迷うな!ひよこくん!」


三根くんに体を強く揺さぶられてハッとする。危うく危険の道に踏み入るところだった。


「と、とにかく!警察に連絡だよ!」


僕が慌てて携帯電を手に取るとそれを三根くんが妨害する。


「な、何するんだよ!」

「ひよこくん、君はこの映像のことを警察にどうやって報告する気だい?」


そこで僕は110の1を押した時点で手が止まる。こんな非合法の映像を警察に提供したら逆に僕が覗きの現行犯で逮捕されるだけじゃないか!


「ダメよ。ひよこくんがいなくなったら二度とこんな貴重な幼女な裸体映像を見れなくなる!」


一体何の心配だよ!


「しかも、ひよこくん。君は女風呂を除いただけでは罪は終わらないよ。君はこの覗映像を見知らぬ変態たちに売ってお金にしている。除きの罪だけじゃ収まらないよ。さらに覗映像が世界中のインターネット上に流したせいによってプライバシーを気付けられた女性たちへの大量の慰謝料の請求」

「やーめーてー!それ以上何も言わないで!」


そんなこと分かってる。これがばれてしまった暁にはどれだけの巨大な罰がやってくるかそれは三根くんに言われなくても僕が一番分かってるよ。


「でも、安心するんだ、ひよこくん。日本の警察は優秀だ。あの様子を見る限りあの女性は突発的に言い合いになってあの人を殺してしまったに過ぎない。何の証拠も残さない計画的犯行というわけでもなさそうだった。きっとすぐに捕まえてくれるよ。そしたらまたいつも通りの生活に戻れる」

「う、うん」


若干涙目になりながら三根くんの話を聞く。


「だから、もうしばらくの我慢だよ」

「うん。分かった」


だが、三根くんの予想は大きく外れて犯人が捕まらないまま7日の日時が過ぎた。

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