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ひよこ、弱い子、悪い子

へとへとになりながら帰宅する。住宅地にある一つの一軒家。外見は白を基調とし小さいながら立派な庭がありそこにはベンチとテーブルがありお茶が出来そうなスペースもある。そこが僕の家だ。


「ただいま~」


玄関に入るや否や、そのまま倒れ込む。


「もう立てない」


仰向けになって吹き抜けになっている玄関の天井を眺める。それでこれからやることを頭の中で再生するのだ。まずは今日しかけたカメラがちゃんと起動するどうか確かめる必要がある。あのカメラは小型ではあるが雨風に強くさらに湯気でカメラのレンズが曇ることもなく鮮明な画像を映し出してくれるのだ。その画像は僕のパソコンに自動で送信されるようになっている。ただし、それは動けばの話だ。何度かこの覗の作戦は失敗しているのだ。板が邪魔で覗けていなかったり、カメラが棚から落下して草しか移していなかったり、起動が確認できても画像が送信されていなかったりといろいろだ。そのほとんどはもう回収できないし、調整を行うこともできない。つまり使い捨てなのだ。日等のカメラにウン万円するするのだ。なるべく失敗は避けたい。成功すれば僕は女湯を除けてウハウハだし、その画像をどこぞの変態さんに売ればお金にもなってさらにウハウハなのだ。


「いつまで寝てるの?」

「ん?」


声がした方に首を傾けると服の上からエプロンをした女子高生が立っていた。スカートは短いのになかなかその中を拝むことはできない。


「何見ようとしているんですか?」


スカートの裾を抑える。

彼女は榎宮さん。この家の住民であって僕とはなんの血の繋がりもない。長い艶やかった栗色の髪にこちらをまっすぐ見つめる汚れのないきれいで大きな瞳。バストもウエストもヒップもまだまだ未熟だがそれがいい、16歳だ。


「ごめんごめん」


すぐに体を起して靴を脱ぎ捨てる。


「近づかないでください。臭いです」

「あ、ああ。ごめんね」


汗臭いということだろう。とりあえず、お風呂でこの汗を流すことにしよう。

駆け足で風呂場に駆け込むとそこですでに先客がいた。筋肉質な体つきに常に人を睨んでいるような鋭い目つきをした男の人が下半身をタオルで隠した状態で髪の毛をドライヤーで乾かしていた。


「あれ?ひよこ?帰って来てたのか」

「ひよこは止めてよ」


同じこの家の住民である藤見さんである。年は僕よりも上で引っ越し業者でを働いている。一見イケメンのお兄さんである。ちなみに僕のひよこというあだ名を広めたのはこの藤見さんだ。


「相変わらず、細い体してるな」

「見ないでくださいよ」


男の裸に興味があるとかドン引きだ。

でも、前にミスって女湯に仕掛けるつもりのカメラが男湯になってしまっていて鮮明な男湯の画像が僕のパソコンに送られてきたときはさすがに自分にドン引きした。そういうのに飢えている奥様方にはなかなかの値段で取引できたので悪くはなかったが二度とやるまい。

衣服を自分専用の籠の投げ入れて風呂場に入る。お湯を頭からかぶってから振り返って棚瀬さんがこちらに入ってきそうにないことを確認してから風呂椅子の乗って壁を手探りであるでっぱりを探す。


「見つけた」


見つけたでっぱりをめいいっぱいの力で押し込んで右にずらすとスライドドアのように壁から小さな空間が現れた。縦横奥行ともに5センチ程度の空間だ。そこから出てきたのはさっき女湯でも仕掛けた物と同型のカメラだ。今は電源が落ちているので動いていない。これをオンにするのがこの家に戻って来て最初の仕事だ。ここでカメラの施策と試運転を兼ねてるのだ。

ちなみに風呂場にある鏡も実はマジックミラーになっていて中には当然のことながらカメラがある。今、手に持っているカメラが置いてあった空間にレバーがありそれを引けば鏡の裏が開く仕組みになっている。風呂工事の仕事をしているせいか修理とかをこの家の住民は僕に押し付けているのだ。その結果がこれなのだ。

僕の住んでいるこの家はお気づきだろうか?そう、シェアハウスなのだ。この風呂場は男女共同で使っているのでさっきの榎宮さんの裸体もこのカメラにばっちり収まっているのだ。他にもふたり女性がいてひとりは現役の女子大生、もうひとりは僕より一つ年上のOLさんだ。この人のスタイルはこのシャアハウスで一番良いのだ。ちなみにどの女性もばっちりお風呂シーンも裸も脱衣シーンもお着替えシーンもカメラに収めて僕のパソコンのメモリーに保存されている。それだけでは僕の欲求を収まらない。特に榎宮さんのスカートの中を見てみたいという欲求に耐えられず脱衣所にも2ヵ所にカメラが設置されているのだ。

試作カメラの電源を入れて元の場所に戻して適当に頭、体を洗って風呂からです。

脱衣所に隠してあるカメラはさっきも言ったようにふたつ。ひとつは鏡の裏。この家の鏡は裏側に収納スペースになっているが僕はその鏡の一枚をマジックミラーに変えて収納と鏡の間に小型カメラを仕掛けた。こればかりはパソコンに直接送信できないので定期的にUSBで回収している。そして、もうひとつは低いアングルで榎宮さんのスカートの中のパンツを撮影するために脱衣所のゴミ箱の底を勝手に改造してそこにカメラを仕掛けてある。

実のところすでに榎宮さんのパンツを僕は見ている。でも・・・・・・。


「画面越しじゃなくてリアルで見てみたいなぁ~」


髪をバスタオルでごしごしとふき取りながらそう呟く。

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