戦士とソフトクリーム
冒険者ってのは、つくづく無謀で不器用な生き方だと思う。毎日毎日あるかどうかもわからない仕事を探し、稼げるお金は文字通りその日をしのげる程度でしかない。一歩間違えれば命を落としてしまうほど危険な仕事なのに、それに見合った稼ぎがあるか……と言われれば、間違いなく全員が首を横に振るだろう。
収入が不安定で、常に命の危険が付きまとう。真っ当な人間ならこんな職には就かずにちゃんとした定職に就く。私自身、自分で言っていてアレだけど、よくぞまぁこんなクソみたいな業界に長くいるものだと思わないことも無い。
それでも、まぁ。
「おー! こっちの写真もなかなかよく撮れていますね!」
「そうだろ?」
冒険の途中で撮った写真。じいさんに頼んで紙にしてもらったそいつを、私は溜まり場──喫茶店、《スウィートドリームファクトリー》のコルクボードへと張り付けた。いつぞやの夏祭りとこの前の文化祭のそれに新しいものが加わって、見た目もだいぶ賑やかになってきたのが何となく嬉しい。
冒険者をやっていて数少ない良かったこと。普通に村や町で暮らしていたら絶対に見られない風景を見ることが出来ること。知らなかったことを知ることが出来て、想像すらしたことが無いことを体験できたこと。
それが怪物のお食事中の光景だったり、なんなら自分がそんな怪物に追いかけられる……だなんて酷い体験もたまには──いいや、かなりあるけれども、それでも冒険者でしか体験できないそれらは、またとない輝きとして私を魅了して止まない。だからこそ、私は嫌だ嫌だと思いつつも、再びまた冒険に出かけるのだろう。
そんな非凡で平凡な日常が私は好きで……ホッと一息つけるこの空間に「帰って」くるのが、私の何よりの楽しみなのだ。
「むむむ……何気におねーさん、カメラを使いこなしていますよね。風景画とかもそうですけど、なんか普通に魔物とかも撮っていますし……」
「これでも戦士だからな。近づけるところまで近づいて……気づかれたらそのまま倒せばいい。学者連中みたいにこそこそ近づいて何時間もスケッチするよりも、よっぽど手っ取り早いだろう?」
「あー……聞く人が聞いたら、泣いて悔しがる発言ですねえ……」
そう言えば、魔物の姿を写生したいから護衛してくれ……なんて依頼もたまに見かけるな。強い魔物に近づくのは危険だし、そして戦闘も激しくなりやすいから無事な姿で引き渡すことも難しい。なにより、そういう連中は生きたリアルな姿を見たいから……みたいな理由を着けるものだから、必然的に護衛しながらこっそり尾行する形になって大変面倒くさい、なんて愚痴を酒場かどこかで聞いた気がする。
……そう考えると、このカメラは本当に貴重で大事な道具なのだろう。本来なら思い出を記録するんじゃなくて、もっと大事な学術的な記録に使うものなのかもしれない。
「ま、私冒険者だし。自己責任で自由にやらせてもらうさ」
「わぉ! おねーさんってば、冒険者の鑑のような発言ですね!」
用が済んだカメラを懐に戻し、そして意識を切り替える。
シャリィちゃんとこのままおしゃべりするのもいいけれど、そろそろお口が寂しくなってきた。なんか最近はもう、ここの入口のベルの音を聞いただけでおなかが空いてしまう自分がいる。
「注文したいんだけど……そう言えば、マスターは?」
「マスターですか? 今日はちょーっと用事があって奥に引っ込んでます。……あれです、今日のおすすめを聞きたい感じですか?」
「うん、まさにそれ」
なんとなく、今日は新しいものを食べたい気分だ。”ろーるけーき”とかも捨てがたいけどなんか違うし、かといってお洒落な飲み物で優雅に時間を潰したいって感じでもない。そして、ガッツリ料理を食べるというのも違う。
というか。
「暑いから、なんか冷たいものが食べたい……」
「あー……」
朝晩は幾分涼しくなってきたとはいえ、日中に動けば汗をかくほどの気温だ。恵みの秋の気配はほんのり感じられるものの、まだまだ暑さは残っている。
……これでも、マスターの隠れ里の方がはるかに暑かったけどな。あそこは良い所だったけど、あの暑さだけは頂けない。
「そーすると、グラニテかかき氷か、はたまたアイスキャンデーか。キンキンに冷えたゼリーか、あるいはいっそフルーツ丸かじりってこともできなくはないですけど……」
確かにあれら氷菓の冷たさは魅力的だ。だってホントに美味しい氷だもん、あれ以上に冷たい食べ物なんて他に存在するわけがない。
だけど、なんとなく今日は。
「冷たい奴で、新しいのって……ある?」
さすがに無理だろうと自分でも思ったこの言葉。
意外なことに──ある意味では期待通り、シャリィちゃんはにっこりと笑って言った。
「そういうことであれば、お任せください! ちょーっとお時間いただきますけど、とっておきをお出ししますよ!」
マスターよろしく棚のオルゴールへと手を伸ばしたシャリィちゃん。やっぱり背が届かなかったので、代わりに私が取ってネジをキリキリ回しておいた。
▲▽▲▽▲▽▲▽
~♪~♪~♪♪~──......
「お待たせしました!」
オルゴールの音色を五周くらい聞き、そしてコルクボードの写真を三周くらいほど眺め直したところでシャリィちゃんがやってきた。いつも以上にぴしっとした姿勢で、その片手にはいつもの銀のトレーと……!?
「な、なんだそれ……?」
皿でもない。コップでもない。もちろん”すとろー”でも、ましてやスプーンやフォークの類でもない。
「そいつ」は、太めの針金をぐねぐねと折り曲げて造ったかのような……そう、なんとなく燭台を彷彿とさせるそれにセットされている。言葉で説明しにくい何とも奇妙で不思議な造形のそれは、「そいつ」をそこにセットするためだけに作られたものであるらしい。
そう考えると、もしかするとこいつは皿の一種と言えるのかもしれない……が、この場でこうして本来の用途で使われているところを見なければ、鍛冶屋の見習いがやらかして作った出来損ないの金属片に見えてしまっていたことだろう。
「こちらは《ソフトクリーム》です! えへへ、じいじにお願いしてスタンドも出してもらっちゃいました!」
なかなか目新しくていいでしょう、とにっこり笑ってシャリィちゃんはそれを私の前に置く。トレーの上には当然のようにもう一つ”そふとくりーむ”があって、シャリィちゃんはそいつを私の対面において自らもその席に着いた。
あえて確認するまでも無いけど、シャリィちゃんのおやつの時間なのだろう。というか、私たちが訪れる時間がだいたいそうだというだけだ。
「いいね、なかなかシャレている」
なんとなく、”そふとくりーむ”が中空に浮いているように見えて面白い。形状からして、さすがに食べる時はこれから取り外すのだろうけれども。というか、よく考えてみればこいつ、普通に皿にのせて出すことが出来ない奴か。
真っ白でひんやりとしたそれ。見た目としてはそう、ケーキによく使われている”くりーむ”とそっくりだ。あっちと違うのは冷えているかどうかってところと、この……巻き数とでも言うのだろうか、捻って作られた溝が多くて高さがあるところだろう。
それでもって、そんな冷えた”くりーむ”がちょうど手にしっくりくる感じの大きさの円錐型の何かに収まっている。格子状の模様が象られた、薄い”くっきー”みたいなやつだ。
「……あれ、これって」
ふと、思い当たってコルクボードの写真を見る。
「いつだったか、リュリュとアルが食べていた”れいんぼーあいす”と同じやつかな?」
「その通りです! アイスを食べる時はこうしてコーンに載せるのがお約束ですから!」
祭りの写真──じいさんが撮ったのであろうそれには、この”そふとくりーむ”とよく似たものを食べている浴衣姿のリュリュが写っている。上に乗っているものが違うだけで、手に掴んでいるそれは私の目の前にあるものと全く同じだ。
……改めて見てみると、浴衣姿のエルフと言うのも絵になる光景だ。私じゃこうはいかない。ギルドかどこかに張り出したら、金貨で買い取るやつが出てくるんじゃあるまいか。
「ささ、おねーさん。溶けちゃう前に食べちゃいましょう!」
「ん、そうだな」
シャリィちゃんに促され、”そふとくりーむ”を手に取った。”こーん”はやっぱりざらざらしていて、あんまり強く握ると崩れてしまいそう。バルダスだったら、この瞬間に握り砕いていたかもしれない。
そして、ふわりと乳の甘い香りがする。ひんやりとした冷気が指先に伝わってきて、否応なく期待も高まってくる。
──写真の中のエルフと同じように、私はそれに食らいついた。
舌先に感じる冷たさ。
深く甘い乳の香り。
口の中で滑らかに溶けていく、素晴らしい何か。
ああ、やっぱり私は……。
「美味しいなあ……!」
「やったぁ! さすがあたし!」
このひとときが、たまらなく好きだ。
ミルクの香りがすごい、というのが”そふとくりーむ”の第一印象だった。うんと濃くて甘いそれが、ひんやりとした冷気と共に口の中いっぱいに広がっていって、そしてふっと消えてなくなっていく。冷たさと心地よさだけが口の中に残って、その感覚がなんとも楽しくてちょっぴり切ない。
冷たい甘さという一点で見てみれば、”そふとくりーむ”は今まで食べてきた氷菓の中では一番のものだと思う。今までのがあくまで果汁の甘さであったのに対し、こちらは本当にお菓子の……”くりーむ”の甘さをメインとしている。果汁では出せない甘さだからこそ、余計にそう思えてならないのだろう。
何より決定的なのは、冷たいお菓子なのに氷とはまるで違うという所だ。”ぐらにて”、”あいすきゃんでー”、”かきごおり”……と、私が今まで食べたことのあるそれは細かい違いこそあれど、結局は果汁を冷やして氷にしているという点では同じもの。すごく大雑把な言い方をすれば、どれも甘い氷でしかない。
けれどもこいつは違う。氷と思えるほどに冷たいのに、氷のような感じは全くしない。舌触りは滑らかで柔らかく、舌に纏わりつくようにして儚く消えていく。文字通り、冷たい”くりーむ”であって、氷のようなどこか硬質な感じが一切しないのだ。
「すごいな……こんなものがあっただなんて」
ぱくりと一口。やはり、この冷たいながらも底抜けの甘さが心地いい。見た目は”くりーむ”そっくりなのに、あちらと違って確かな食べ応えもある。もちろん、すぐさま口の中で溶けて行ってしまうのだけれども……なんだ? どうにも上手い表現が見つからない。
というか、これってもしかして。
「なんとなくだけど……”くりーむそーだ”に乗っている奴と似ている?」
レイクの大好きな”くりーむそーだ”。あの鮮やかな緑のしゅわしゅわの飲み物には、これとよく似た白いそいつが乗っている。
私自身、何度かアレを頼んだことがあるが……よく考えてみれば、”そふとくりーむ”はそれにそっくりだった。
「原料や作り方としてはほとんど同じですね! 温度の状態……固め方が違うんです!」
こっちの方が柔らかいでしょう、とシャリィちゃんがにっこりとほほ笑む。確かに、”くりーむそーだ”に乗っているのはもっと固くて、食べ応えもこっちに比べると結構しっかりしていた。間違っても、ここまで柔らかで滑らかってわけじゃない。
もしこの”そふとくりーむ”をアレに浮かべたとしたら、きっとあっという間に溶けてしまうことだろう。なんというか、くちどけの良さが決定的に違うんだ。
「と、とと」
考え事をしてたのがいけなかったのか、つうっと溶けたそれが指先にまで伝ってきた。やはりこいつは、氷菓のなかでは一段と溶けやすいものであるらしい。
齧りかけの……私のくちびるが触れたところが既に溶けていて、なんとも艶めかしく輝いている。でろりと溶けていて少々不格好に見えなくもないが、妙な生々しさがあるというか……。
「あらら、おねーさん……ホントに早く食べちゃわないと、おててが汚れちゃいますよ?」
「ん、そうだな」
ぺろりと指を舐めて、そして私は再びそいつに取り掛かる。
”そふとくりーむ”のその本体と言うべき白い部分。こいつは柔らかく滑らかで、くちどけが凄まじくあっという間に溶けてしまう。強いミルクの甘さと香りが、冷たさと共に体に広がって言って……またとない喜びをもたらしてくれる。ただ甘いだけの、ただ冷やしだけのミルクでは、きっとこの喜びを得ることは不可能だろう。学のない私にさえ、そのことは簡単に断言することが出来た。
で、”そふとくりーむ”は”こーん”なる薄い”くっきー”のようなものに鎮座している。”そふとくりーむ”を直接手で触れることの無いよう、いわば食器としての役割を果たしているそれだが、そいつもまた食べられるというなんとも素敵な存在だ。
”そふとくりーむ”の上半分……前半のお楽しみが終わった後はとうとうこいつの攻略に取り掛かることになるわけだけれども、これもまたなんともすごかった。
「へえ……! なんか、不思議な気分だな。さっきまで容器代わりにしていたものまで食べられるなんて」
「そうでしょうそうでしょう! 私も最初に食べた時はびっくりしましたとも!」
”こーん”に味はほとんどない。ほんの少しばかり特有の香ばしい風味がするけれども、”そふとくりーむ”の甘さや香りのほうがよっぽど強くって、あんまり目立っていない。
けれども、そのパリパリとした食感はとてもとても目立っている。軽やかなくちどけの中に唐突に表れるアクセントとして、その食感を今まで以上に楽しませてくれる。
ともすればシンプル過ぎて飽きがきてしまいそうになるところを、”こーん”の存在がそれを防いでる。防いでいるどころか、より引き立てて素晴らしいものにしている。それ単体は味気が無いのに……この”そふとくりーむ”には無くてはならないものだと、確信を抱くことさえできる。
「ん!」
ぱきり、ぱきりと周りから少しずつ崩していくことのなんと楽しいことか! ぴしぴしと指先に伝わるひび割れの感覚がだんだんと強く、近くなっていくのに……それがどうにも面白くてたまらない。
おまけになんだ、食べ進めていくほどに食感が変わっていく。どんどん一口に入る”こーん”の量が増えて行って、今じゃもう、ぱりっとした”こーん”が主体になっている。ここまでくるともう、一番最初の”そふとくりーむ”だけの食感とはまるで別物だ。全く違う食べ物と言っても過言じゃない。
そして──。
「……ふう!」
最後の一口を、景気よく口の中に入れる。かしゅっ、ぱりっと軽快な音が耳に心地いい。小さな小さなあの最後の三角形が、もしかすると”そふとくりーむ”の中で一番おいしいところかもしれない。
「ごちそうさまでした……いや、いつも以上にあっという間だった気がするな」
「こればっかりは、ゆっくりのんびりってわけにはいきませんからね!」
見れば、シャリィちゃんも食べ終わったところであるらしかった。お上品に口元を拭いて、にこっと楽しそうに微笑んでいる。そのままついっと身を乗り出して……。
「おねーさぁん……♪」
「んむ」
なんとも愛おしそうに、私の口を拭ってきた。最近はもう、シャリィちゃんの母性が凄くてとことんまで甘えたくなる自分がちょっと怖い。
「あーんもう、今日もまたお口を汚しちゃって! こんなの見たら、お世話したくなっちゃうじゃないですかぁ!」
「私もたまには誰かに甘えたくなるんだよ……それがシャリィちゃんみたいな可愛い娘なら、なおさら」
「んもう! そんなこと言う可愛いお口はここですかぁ?」
存分にいちゃつく。これぞ常連の特権。女の子同士でしかできないこの戯れも、この喫茶店での癒しの一つだ。
「ま、冗談はともかくとして……私、食べるの基本的に不器用みたいだしさ。普段はシャレたところなんて行かないし、冒険中はそんなの気にする余裕も無いし」
「あー、まぁそうですよね……。むしろ、そんなの気にする余裕があるだけありがたいというか……」
「そうそう。あとは……単純に、”そふとくりーむ”は口が汚れやすいお菓子のような気がする」
溶けやすいそれに嚙り付いているんだ。そりゃあ口元だって汚れるに決まっている。くちびるが触れるだけで溶けるほどのもので、”こーん”越しに持っていてもじんわりと溶けるのだから……私が口元を汚すのも、もはやしょうがないことなんだ。
「たしかに、そう考えるとむしろ今回はおねーさんにしては綺麗に食べられた方なのかも……?」
「あ、そうなの?」
「ええ。小さい子供だとお口を汚しちゃうのはけっこーあるんですよね。あと、盛り付けが悪いと食べている途中で落っことしちゃったり……」
「うわ……」
なるほど確かに、うっかりするとポロっと落としそうな感じではあった。上手い具合にバランスをとるように上から食べていかないと、ちょっとした手の震えでも危ないんじゃないだろうか。
「基本、お外で食べることが多いお菓子ですから。歩きながらだったりするとどうしてもそういう事故が起きちゃうんですよね。こうやってスタンド付きで出すのは珍しいんですよ」
「へえ……」
「あ、でもでも! ウチのはコーンの中までたーっぷりソフトクリームを入れているので、上にぽこんと乗せただけで中はスカスカな所と比べると、断然落としにくいんですよ!」
あれは悲しくなるんですよねえ……と、シャリィちゃんはどこか愁いを帯びた表情で黄昏る。なんでも、以前マスターとお出かけした際におねだりした”そふとくりーむ”は、まさにそんなスカスカな味気ないものであったらしい。”こーん”の中に”そふとくりーむ”が入っていないものだから、最後の方は本当に物悲しい気分になってしまったのだとか。
……なんで、自分で作らなかったんだろう? 他所で買うよりも絶対そっちの方がいいと思うのに。シャリィちゃんがおねだりすれば、マスターもじいさんも喜んで作りそうなものだけれども。
「……あ、そう言えば」
「どうしました?」
「マスターもじいさんも姿を見ないけど、結局何やってるの?」
シャリィちゃんが一人でここにいるのは本当に珍しいことだ。いつだってマスターかじいさんか、あるいは常連の誰かと一緒にいて、こういう風に本当の意味で二人きりでおしゃべりすることなんて今までに……それこそ、数えるほどしかないんじゃなかろうか。
そして、あの二人がそんなシャリィちゃんを放っておくとも思えない。いつもだったら、どこかのタイミングで顔くらいは見せてくれるはずなんだけどな。
「さっき、用事があって奥に引っ込んでいるって言ってたけど」
「むむ……たしかにずいぶんと時間がかかってますね……さてはおにいちゃん、またなんかいらぬ心配とかしてるのかな……」
やや思案してから、そしてシャリィちゃんは言った。
「せっかくですし、一応告知しておいた方が良いですかね。……おねーさん、可能な限りでいいので、常連の皆さんにもお伝えして頂けると嬉しいです」
「お、なになに?」
ほんの好奇心。何気ない雑談のつもりだったのに、シャリィちゃんの口から飛び出してきたのは、今までにない程意外な言葉だった。
「実はマスター、明日から四日間ほど旅行に行っちゃうんですよね。今ちょうど、そのための荷造りしているんですよ」
スカスカなソフトクリーム、お前だけは許さない……!




