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獣使いとサングリア

飲み物シリーズ。


 ちょっといろいろグレーなところがあったので修正版を載せます。

 なお、ここで登場するのはあくまで【サングリア風ジュース】です。

 詳しくは活動報告にて。

「ふう。今日もお疲れさん」


 アオン!


 私の言葉に緑の相棒は一声吠えた。泥にまみれた尾っぽを振り回し、どことなく気だるそうに私の後をついてくる。拾ったばかりの赤ん坊のころは引っ張っても動こうとしなかったことを考えると、これでもいくらかマシになったほうなのだろう。


「なーんか、中途半端な時間だね?」


 夏の夕暮れ。依頼帰り。魔獣討伐──ソロでも十分にやっていけるやつだ──が思いの外早く終わったせいで、家にまっすぐ帰るにしてはちょっと早い時間だ。幸いと言うかなんというか、懐はだいぶ温まったからこのままどこかで夕餉を取るのもいいけれど、なんとなくそんな気分じゃない。


「水浴びでもしようかな?」


 獣使いの毛皮鎧はもこもこだ。それはもうもこもこだ。強力な魔獣の皮をそのまま使っているから衝撃吸収性はいいし、ちょっとやそっとのことじゃ切れないし、ついでに金属鎧に比べて軽くて動きやすい。冬場はものすごく温かくて気持ちいい。


 だけれども、夏場はとにかく蒸れる。汗がじっとりとわきでて、べたべたする。たいそう気持ちが悪い。


 こういうときは冷たい飲み物を飲みたくなる。それも、できればお酒が良い。本当にいい酒場だと、専属の魔法使いがお酒を冷やして出してくれることがあるんだよね。


「……そんないい酒場に行ったことあったっけ?」


 いつだったっけ。そう、エルフの交流会の時だ。あのときたしか、参加者全員に無料で冷たいお酒が配られていた気がする。そうでもなきゃ、万年貧乏な私がそんな高価なものを飲めるはずがない。


「ああ、飲みたくなってきちゃった」


 アオン!


「うん、やっぱり?」


 ぺしぺし、とラズが尾っぽを私の足に当ててきた。まず間違いなく、誘っているのだろう。普段はぐうたらしていて面倒くさがりな奴だけど、ことあそこに行くときに限っては驚くほどに積極的になるんだよね。


「どうでもいいが、ずっと独り言を続けるのはどうかと思うぞ?」


「あ」


 長く伸びた影の先に、一人の女がいた。


 茶髪。大剣。私のクランメンバーでもあり、あの喫茶店の常連でもある戦士のエリィだ。


 こいつも依頼帰りなのか、いつもに比べていくらか汚れた格好をしている。額には汗が浮き上がっているし、魔獣のものだろうか、靴には黒くなった意味ありげなシミがぽつぽつとついている。


「やあ、エリィ。お仕事終わったの?」


「ん。ぼちぼちってところだ。そっちも順調なようだな」


「まあ、ね。ところで……」


 私の眼はある一点にひきつけられていた。


「ん? こいつか? 依頼人からオマケとしてもらったんだが、いかんせん一人で飲むのもな……」


 エリィが小脇に抱えているのはくすんだ色の瓶。コルク栓をしてあること、さらには魔法薬を扱うにしてはずいぶんと大ぶりな造りをしていることから、中身は普通のワインだろう。そうでなくとも、なんとなくワインっぽい香りがするし、何より形がワインの瓶のそれだ。


「わお。じゃあ、おねえさんと一緒に飲まない?」


「残念だが、酒じゃないぞ? 自家製のぶどうジュースだ」


「自家製? もしかして、すごくこだわって作った至高の逸品とか?」


「それがそうでもないみたいなんだ。文字通り安っぽくて結構酸っぱい。ほら、ちょっと舐めてみろ」


 それってもしかして、依頼のオマケじゃなくて処分を任せられたんじゃないかな? その依頼人、なかなかいい性格をしていると思う。


 エリィがぽたり、ぽたりとそれを私の手の甲にたらしてくれた。ぺろりと舐めると、なるほど、思わず眉間に皺が寄るほど酸っぱい。ついでにえぐくて苦味がある。典型的な失敗したぶどうジュースってかんじだね。


「……これ、どうするの?」


「せっかくだから、マスターのところにもっていこうかと。もしかしたら、おいしくしてもらえるかもしれないしな」


「いいね、それ!」


 なるほど、たしかにマスターたちなら出来るかもしれない。今まであれだけおいしいものを作ってくれたし、柑橘の皮まで食べられるようにしてくれるしね。きっとなんとかしてくれるだろう。


「そうと決まれば、急がないと!」


「今から……ギリギリだな」


 夏の今こそ日があるけれど、冬場ならおそらく日が暮れている時間。マスターのあの喫茶店、日が暮れると大体閉まっているから、今から行ったら閉店間際かどうかってところだろう。


 ……ふと思ったけど、夕方ごろにあのお店に行ったことってないよね。いつもはだいたいお昼か午後の眠くなる時間に行くことが多いし。


「もしかしたら、高級な酒場みたいに大人っぽい雰囲気になってたりするのかな?」


「案外ありそうだな、それ」


 アオン!


 そんなことを話しながら、私たちはあの喫茶店──《スウィートドリームファクトリー》へと歩いて行った。











「ようこそ、《スウィートドリームファクトリー》へ!」


「お客さん!? お客さん来たの!? ひゃっほう!」


 いつもの場所の、いつもの喫茶店。店内はいくらか薄暗く、その中をいかにも大人っぽい感じで明かりの魔道具がぼんやりと照らしている。どうしてなかなか雰囲気があって、夏の夕暮れと相まってちょっといい感じのムードになるよね。


「お客さん! お客さん! やっとお客さんが来た!」


 おいてある机とか椅子とか、部屋その物の雰囲気がもともとシックで上品な感じだから、こういう暗い感じでもすごくオシャレに見える。本当に高級な酒場に来たかのような気分だ。いつぞやの護衛依頼では”ふるーつりきゅーる”も出してくれたし、酒場としてもやっていけると思う。というか、女の子に大人気になると思う。


「あああ……! ミスティさんにエリィさん……! もう、なんと感謝すればいいか……!」


「「……」」


 うん、室内そのものの雰囲気はすごくいいのに、肝心のマスターがそれをぶち壊している。ちょっと私でさえドン引くくらいに喜んでいて、今にも踊り出しそうだ。


「お、おい。マスター?」


「ご注文はどうします!? 今ならどんなものでも作って見せますよ!」


「お、落ち着きなよ、マスター?」


「これが落ち着いていられますか! さあ、遠慮しないで! さあ! さあ! さあ!」


「「ひっ!」


 こわい。ちょうこわい。本能的にこわい。


 目が爛々としている……っていうか、血走っている。ほおはどことなくこけているし、顔色もそんなに良くない。なにより、いつものにこにこ笑顔がヤバいクスリをキめたかのような狂気あふれる感じになっている。


 オ、オン……


 私もエリィも、マスターに近寄られて一歩引いた。マスターが大好きなはずのラズでさえ、ぷるぷると震えて私の足の間に逃げ込んでいる。


 マスター、いったいどうしちゃったんだろう?


「すみませんねぇ。マスターってば、今日は一日中缶詰で勉強させられていたんですよ」


 と、ここでシャリィちゃんがマスターをなだめながら説明してくれた。なんでも、マスターは長期休暇中に達成しなければいけない課題──主に面倒くさい計算とか──があるのに、全然終わっていなかったらしい。それが爺様の耳に入り、ほぼ軟禁状態で勉強させられていたそうな。


「この夏休み中、遊んだり部活したりでほとんど宿題に手を付けていなかったんですよ。あたしが何度言ってもまた明日やるって逃げましたし」


「へ、へぇ……」


「だってあんなに量があるんだよ!? 今のみんなで過ごせる夏休みなんて一回しかないんだ! 思い出作って何が悪いの!?」


「普通はいっぱいあるからこそ、毎日コツコツとやるものなんですよ?」


「考え方が典型的なダメ人間のそれだな」


 なんだろう。いや、マスターだってまだまだ若いし、こういう一面もあるってことは不思議じゃないんだけど、なんかちょっと残念な気分だよ。もっとこう、マスターってのは落ち着いて朗らかな笑顔を浮かべている方が似合うのに……。


「……」


 それを考えると、あれでバルダスっていつも冷静だよね。年相応に落ち着いているし、意外と頼りになる感じもする。


 うん、やっぱりあいつは隠れた優良物件だった。今度こそ、逃がさないようにしておかないと。


「……なんか悪だくみでもしてるのか?」


「べっつにー?」


 気付けば、私はぺろりとくちびるを舐めていた。この癖、本当に小さいころから直らないんだよね。まぁ、困ったことが無いから別にいいんだけど。


「ところでマスター。今日は注文じゃなくて、ちょっと頼みたいことがあるんだ」


「そ、そんな……!」


 エリィの言葉を聞いて、マスターはがっくりとうなだれた。どうやら相当その宿題とやらをしたくないようだね。


「この安くて酸っぱくてあまりおいしくないぶどうジュース。どうにかして美味しく頂くことは出来ないだろうか」


「任せてください! それくらい楽勝ですよ!」


 意外や意外、マスターはいとも簡単にそう言い切った。いくら今現在頭のネジが緩んでいるらしいとはいえ、嘘をついている様子はない。自信たっぷりのままエリィから瓶を受け取り、鼻歌なんか歌いながら準備に取り掛かる。


「僕もこれは一応専門外なんですけど、いい方法ってのはあるものなんですよ」


 オレンジ、レモン、バナナ。それに加えてブルーベリーにストロベリー。どこかで見たことのある果物をマスターは取り出し、私たちの目の前に見栄えよく、綺麗にカットしていく。


 リンゴは芯を取り除き、イチゴはヘタを切り落とし、バナナはもちろん皮をむいて。ただ、オレンジやリンゴの皮はむかないらしい。


 もう、これだけでずいぶんと豪華な感じがする。こいつをそのままステキな皿に盛りつければ、メニューの一つとして飛ぶように売れることだろう。少なくとも、私だったら買っちゃうよね。


「ここでぶどうジュースの出番です!」


 マスターはコルクをポンと抜き、透明な大きな容器──デキャンタというらしい──に移し替えた。とぷとぷと耳に心地よい音が喫茶店内に静かに響き、オレンジ色の夕焼けの光に血のような赤がまぶしく映える。


 安っぽいものだというのに、どうしてなかなか、綺麗に見える。入れ物がいいのか、それとも別の理由があるのか、私にはよくわからない。


「ここに、甘さの調整用のお砂糖をちょちょいのちょい、と」


 上質な白砂糖を、マスターは惜しげもなくその中に突っ込んだ。そのままかちゃかちゃとかき混ぜ、砂糖とジュースを馴染ませていく。一瞬ふわっとぶどうジュース特有の香りが舞い上がり、そして儚く消えていった。


「そして、この中にカットした果物を入れて……」


「おお……!」


 マスターはためらいもなく、その贅沢に切った果物をデキャンタの中に落としていった。とぷん、とぷんと果物たちが赤い海に沈んでいく。時折ガラス越しに果物が揺らめくのが見えて、なんかちょっと不思議な感じだ。デキャンタが揺れるたびに、かくれんぼをする子供たちのように、それらがちらり、ちらりと顔をのぞかせている。


「さぁ、これが《サングリア》です! ……正確にはサングリア風のジュースですけどね!」


「わあ!」


 なんて綺麗な飲み物なんだろう。貧相なぶどうジュースの安っぽい赤のはずなのに、今私の目の前にあるのはまるでルビーの様な輝きを放っている。その濃い赤の中には果物がこれでもかというくらいにぎっしりと詰まっていた。


「とてもあのぶどうジュースとは思えないな」


「そうでしょう?」


 エリィが座って顔を動かし、夕焼けの窓越しに”サングリア”を眺めていた。光がキラキラと反射して、本物の宝石よりもきれいに見えたことだろう。飲み物とした楽しむよりもインテリアとかみたいに、そのまま飾ってしまうほうが楽しめるかもしれない。


「ちょっと甘めに調整してみました。これで結構飲みやすくなっていると思います。あとは炭酸を入れます。夏はやっぱり炭酸のほうがすっきりといい気分になれますから」


 なるほど、確かに私たちは二人とも依頼帰りで汗をかいている。ついでに喉も結構乾いていて、なにかこう、すっきり爽やかなものをぐびぐびと飲みたい気分だ。やっぱりマスターはあんな状態でもお客さんの状態をしっかり見ているらしい。


「それじゃ、さっそく仕上げをしてくれるか?」


 ここまで来たら、もう我慢できない。目の前であんなにおいしそうに作られたんだし、むしろ我慢できる方がおかしいよね。


「──おい、マスター?」


 ところが、やきもきしながらエリィがそれを促した瞬間、マスターはさっとそれを遠ざけた。しかもあまつさえ、恐ろしいほどににっこりと笑っている。


「あ、まだこれ完成じゃないですよ? 最低でも一時間……完璧なものを望むなら、一日は漬け込みませんと!」


「「えっ?」」


「いやあ、本当に残念です。提供したいのはやまやまですけど、料理人のはしくれとして、お客様に未完成品を渡すわけにはいきませんからね!」


「……」


 つまり、マスターはこう言いたいのだろう。


 【宿題やりたくないから、また明日来て時間をつぶしてくれ】、あるいは【今から別のものを頼んで時間をつぶしてくれ】ということだ。


「お兄ちゃん……あなたって人はどうして……」


 さすがにこれにはシャリィちゃんも呆れている。小躍りしそうなマスターを、冷めきった瞳で見つめていた。


 が、しかし。


 この喫茶店には、もう一人店員がいる。女子供にはものすごく甘く、そして人としての模範というか、お手本としてこれ以上にない人格と風格を併せ持った人物が。


「何やってんのかね、お前は」


「いったぁ!?」


 ごちん、とマスターの頭に拳骨が落ちる。結構派手な音がした。でも、見た目ほどの威力はないだろう。マスターが大げさに頭を押さえているけど、爺様は例外を抜いて暴力を嫌う人だし。


「宿題はやらない挙句、お客さんをサボりの口実に使うとは……」


「でも! サングリアは最低でも一時間は熟さなきゃダメじゃないですか!」


「んなもん、こうすりゃ一発さね」


「あっ」


 爺様がぺしんとデキャンタを軽く叩く。その瞬間、別に魔法を使ったわけでもないのに何か形容しがたい気配が起こり、フルーツの甘い香りと熟成されたワインの様な芳醇な香りがふわりとあたりに広がった。


「熟成されてる……」


「前も似たようなことあったけど、なんだろうな?」


「さあね。こういうのはおねえさんじゃなくて、アミルとかアルとかのほうが詳しいんじゃない?」


 なんかよくわからないけど、爺様は物の時間を早めることができるらしい。それも、魔法のように見えて魔法じゃないらしいというから驚きだ。肉弾戦もすごく強いし、本当になんでこんなところで喫茶店の店員なんてやっているんだろうね?


「シャリィ、冷やしてくれるかい?」


「がってんです!」


 爺様が作ったそれを、シャリィちゃんが氷の魔法でゆっくりと冷やしていく。やっぱりというか、この喫茶店ではそこまでのサービスでも当たり前にやってくれるらしい。キンキンに冷えた飲み物をお安く飲めるなんて、これ以上ない贅沢だと言えるよね。


「ほれ、せめて仕上げくらいはやってみせな。……あとでちょっとくらいなら宿題手伝ってやるから」


「そこはちょっとじゃなくてガッツリ手伝ってほしいんですけど……」


「……やっぱりやめようかねェ?」


「あっ! 嘘です! 嬉しいです! たいへんありがたく思います!」


「まったく……」


 マスターは、爺様から逃げるように奥へと戻り、そして”れいぞうこ”なる魔道具から何やら別の液体を取り出した。


「それ、なんだい?」


「炭酸水ですよ。ほら、レモンスカッシュのアレです。……エリィさんは見るの初めてでしたっけ?」


「色も味もついていない、しゅわしゅわだけのやつは初めてだな」


 とくとくとく、とそれらがデキャンタの中に注がれていく。しゅわしゅわが広がると同時に、中に入っている果物たちがゆらゆらと踊り出した。その様子を見ているだけでも楽しくて、まるで子供に戻ったかのような気分になる。


 私たちがそれを見ている間も、マスターの手は止まらない。どこからか用意した透明のグラスに”さんぐりあ”をとくとくと注いでいく。贅沢に使われたフルーツがゴロゴロとグラスの中に零れ落ち、ふわりと甘いいい香りを私たちの鼻へと届けてくれた。


 この見ているだけでワクワクしてくる感じ、最高だ。下手な宝飾よりもよっぽどきれいだし、たまらなくおいしそうなそれが、今すぐ私を飲んでくれと言わんばかりに輝いている。


「最後に輪切りのレモンを添えて……はい、今度こそ《サングリア》の完成です! ……繰り返しになりますけど、あくまでサングリア風のジュースですからね!」


 目の前にとん、と置かれたら、後はもうやることは一つしかない。


 そうっとグラスに触れた指先から、心地よい冷たさが伝わってくる。口元に近づけたそれからは、先程よりもはるかに素晴らしい香りがしていた。


「それじゃ──」


 ぺろりとくちびるを舐め、赤い揺らめく宝石と、私はキスをした。






 フルーツの香り。


 ブドウの深い香り。


 それら二つが混じりあう。


 口の中一杯に広がっていく、この甘さはもちろん──


「──うん、いいね!」


「それはよかった」


 にこにこ笑顔がまぶしくて。


 甘酸っぱさとほんの少しの苦味が、すっきりと胸の奥にしみこんでいった。





 ”さんぐりあ”は言ってみれば、ぶどうジュースの中に果物を入れただけに等しい。喉の潤いを満たすためだけに存在しているそれにそんなことをしても、あの何とも言えない酸っぱさは消えるはずがないし、味が良くなるはずもない。


「甘い……!?」


 なのに、甘い。果物特有のフルーティな感じが全体に馴染んでいて、とてもあの安っぽいジュースだったとは思えないほど口当たりがまろやかになっている。あの顔をしかめたくなるような酸味なんてどこかに行っちゃって、上等なそれみたいに飲みやすい。


 その赤い液体が口に広がっていったときに確かに感じる、芳醇なぶどうの香り。いつもとそんなに変わらないはずなのに、まるで貴族のお嬢さまになって夜会に出ているかのような、そんなうっとりした気分にさせてくれる。少なくとも、この香りを嗅いで、これが自分の家で作った貧相なぶどうジュースと思うやつはいないだろう。


「いいね、すごく飲みやすい」


 上等の果実酒でもこの味は出せない。特有のえぐみが全くなくて、本当に果実の味だけが舌に快感を、喉に心地よさを届けてくれる。


「この冷たさが最高だよ、本当に……!」


「こっちのほうだと、冷えた飲み物って全然ありませんもんねぇ。もこもこのおねーさんはもこもこですし、あたしたち以上に暑そうですもん」


 そして、キンキンに冷えている。これでおいしくないわけがない。一口飲むたびに、冷たいそれがカラカラになって火照った体に潤いをもたらし、清涼感を与えてくれる。この冷たさと甘酸っぱさがコンビネーションが凶悪で、もう一口、あと一口と手を止まらせない。


 このしゅわしゅわも最高だ。冷えた炭酸ほどおいしいものはない。キリッと爽やかに泡が口の中を行進していき、その甘酸っぱさを広げていく。喉をかきむしっていくかのような刺激が堪らなく心地よく、後味として残る果物の風味が辛抱堪らない。鼻に抜けていく感じが特にいい。


「……っ! ……っ!」


「おねーさん、いい飲みっぷりですねぇ!」


 意識していないのにどんどんと喉が動いて、自分でも驚くくらいの速さでグラスの中身が減っていく。もっと楽しみたいというのに、まるで悪魔に体を乗っ取られているかのようだ。


「すごいな……! なんとなくだが、飲むたびに味が違う気がする!」


「いっぱい果物使ってますからね! ベースとして溶け込んでいるそれのほかに、単純に近くに何が浮いてるのかってだけで結構変わってくるはずですよ!」


 驚くエリィ。語るマスター。なるほど、確かによくよく注意してみると、”さんぐりあ”そのものに入れられた全ての果物の風味を感じ取ることができる。


 時折感じるこの甘酸っぱさはストロベリーのものだろう。この爽やかさはオレンジだろうか。心がほぐれてくるようなこの甘さはバナナのものに違いなくて、心地よい酸っぱさはレモンのものだ。


「……」


 こっちの口から飲むとオレンジの味が強い。


「……」


 くるりと回して反対側。イチゴが浮いている方。そうっとそうっと口をつけ、ゆっくりとグラスを傾ける。こくりと喉を動かせば、形容できない深い香りと共に、いくらかイチゴの主張が激しくなったそれが体の隅々にまでいきわたって行った。


 ああもう、本当にずるいよね。


 あの酸っぱいジュースを普通に飲めるようにしてくれたってだけでもすごいのに、こんなにもおいしく、さらには何度も楽しめるようにしてくれるなんて。


「まずいな……! いくらでも飲めそうだ……!」


「戦士のおねーさん? 飲みすぎ注意ですよ? 無いとは思いますけど、もしもこもこのおねーさんがぶどうジュースで酔っぱらう人だたら、もうおねーさんしか頼れないんですから」


「なに、そこら辺はわかってるさ」


「……おねえさん、そんなに信用ない?」


「前科者だからねェ。酒は飲んでも飲まれるなってやつさ」


 この飲みやすさこそが”さんぐりあ”の大きな武器なのだと思う。ぶどうジュースの楽しさ素晴らしさはそのままに、その嫌なところがすっかりなくなっている。一種独特なぶどうの香りはフルーティな香りと混じってより素晴らしいものになっているし、その深さが段違いだ。


「なんだろうね。すごく高級なワインを飲んでいる気分だよ」


「そうだな……。こう、安酒とは明らかに違うんだ。香りが鼻の先まで伝わってくるというか、息をするたびにいい気持ちになれるというか……」


 言うなれば、ジュースのいいところとワインのいいところだけをまとめてしまったかのような、そんな魅力をこの”さんぐりあ”は放っている。


「香りの良さは腕の見せ所の一つですね。ほら、この果物、いくつかは皮をそのまま入れているでしょう? 苦味とかも少し出てしまうんですけど、こうすることでより深い香りになるんですよ」


「へえ……」


 言われてみれば、ぶどうのものではない苦味がこれには存在している。でも、それは全然不快じゃなくて、むしろこの甘い香りを引き立てるアクセントになっていた。


 酸味。苦味。甘味。これら三つが絶妙なバランスで成り立っているからこそ、この特徴的な甘酸っぱさを作ることができるのだろう。単純そうに見えて、その実すごく複雑だ。


 ぐびりともう一口。果物の風味が複雑に絡み合った上品な味が、私の体を駆け巡った。


「……お?」


 と、ここでイチゴが私のくちびるに触れた。もうだいぶ”さんぐりあ”そのものを飲んだからか、浮かんでいた果物がその存在を主張している。


 そういえば、これの扱いってどうなるんだろう? 一応メインはあくまでジュースそのもののはずだけど、一緒にグラスに入っている以上、食べちゃいけないってわけじゃないはずだ。


 でも、この手のものの中には食べないで残すものがないわけじゃないらしいし……。いや、私もそんなもの食べたことないんだけど、お貴族様が食べる変にこじゃれたやつだと、あくまで飾りってだけの食べちゃいけないやつがお皿についていることがあるらしいんだよね。


 それにほら、これにはフォークもスプーンも、掬うための食器がついていない。”すとろー”すらないんだから、これは食べないのが正解なのかな?


「ねえ、マスター?」


「はい、どうしました?」


 まぁ、分からなければ聞けばいいわけで。幸いにも、勝手知ったるクランメンバー。さらには常連と店主の関係なんだし。


「今までなんとなく避けていたけど、この浮かばせていた果物も食べていいんだよね?」


「ええ、大丈夫ですよ。もちろん残してもいいですけど、立派なものを使っていますし、個人的には食べてくれる方がうれしいですね」


 ほぅら、やっぱり食べていい奴だ。とりあえず、この大ぶりなイチゴから行くとしよう。この大きなやつを奥歯で思い切り噛み潰すのが実は結構好きなんだよね。


 ちょっとはしたないけど、指でつまんで口の中に放り込む。イチゴなのに仄かにぶどうの香りがして、なんだか結構不思議な気分だ。ジュースに漬けた果物なんて聞いたこともないけど、これはこれで一つのお菓子として成立しそうな気がする。どこぞの令嬢なんかが気に入るかもしれないね。


「……」


「どうした、ミスティ?」


「いや……エリィも食べてみればわかるよ」


「……ああ、こういうことか」


 が、私の予想はちょっとだけ裏切られる。


 あまぁいあまぁい果実を予想していたのに、思ったよりも甘くない。いくばくかふにゃりとしていて、噛み応えもそんなにない。


 いや、美味しい事には美味しいよ? 古都で売られているイチゴよりもはるかに食べごたえがあるし、味も香りも上だってのは事実だよ?


 でもさ、マスターが出してくれるイチゴとして考えると、なんというか、ちょっと物足りないというか……。


「こいつはね、甘さがジュースにしみこんでいる……つまり、果物そのものからは甘さが抜けちまっているのさ」


 爺様が教えてくれた。どうやら物事そう何もかもうまくいくわけではないらしい。あの貧相なジュースがあんなにもおいしくフルーティになったのも、果物から甘さを吸い取っていたからってわけだ。


「ちなみにですけど、普通に食べていただくことはもちろん、ジャムやコンポートにしてしまうこともできますね。別のお菓子に使うこともできますし、こちらもまた、ぶどうの深い風味が漂うオトナな仕上がりになっておいしいんですよ?」


「へえ……!」


 飲むだけじゃなく、そんな利点もあるだなんて。あの一本の酸っぱいジュースがここまでのものになるなんて、誰が想像しただろう。将来性というか、応用性を見ればこれ以上のものはないんじゃないだろうか。


「単純なように見えて、作り方もいろいろある。果物の種類だって好きにしていいし、風味付けでいろんなものを入れることもある。甘さをつけて飲みやすくするためにオレンジジュースを入れることもあるさね。それこそ、作り手によって千差万別の楽しみがあるだろうねェ」


「ちなみにですけど、本来のレシピでは赤ワインを使います。それが真っ赤な血に見えることからサングレ──【血】を意味する言葉を冠されたわけなんですけど、白ワインを使った場合は《サングリア・ブランカ》と呼ばれたりします」


「ほお。なあマスター。そのブランカってのはどんな味がするんだ?」


 エリィが興味深そうにマスターに問いかけた。が、マスターは困ったように笑って告げた。


「いやあ、それが……。僕まだ未成年で飲んじゃいけないので、具体的なところはわからないんですよ。正直、今作ったのもほとんどカンですし」


 ……一度も飲んだことが無いのに、カンだけで独自のアレンジをして、これだけのものを作れるってどういうことだろうね? もしかして、これが天性の才能ってやつなのかな?


「食べたり飲んだりできないのに、調理することは出来るんだ?」


「基本、レシピ通りに作るだけですから。そりゃあ、下手にアレンジは出来ませんけれども。どのみちあと三年の辛抱ですしね」


 つまり、三年後はよりレパートリーが増えるってわけだ。この口ぶりだとお酒そのものに忌避感はないみたいだし、もしかしたらここが酒場みたいになるのも夢じゃないのかもしれない。


「でもでもおねーさん! お酒を飲んじゃいけないってルールはあっても、お酒に漬けた果物は食べちゃいけないってルールはないんですよ!」


「へえ……なんかちぐはぐというか、奇妙な決まりもあったもんだね」


 そうでしょう、そうでしょうとシャリィちゃんは妙に鼻息を荒くしている。そういえば、シャリィちゃんはたぶんこっちの出身だから、別に飲んでもよかったりするのかな?


「ところでですね、今日はあたし、どこかの誰かさんが宿題さぼっていたせいでおやつを食べていないんですよ。ほら、目の前でパッと見はジュースみたいなものをおいしそうに飲まれたら、あたしも飲みたくなっちゃうと思いません?」


「まあ……一人だけ仲間はずれってのは良くないよね」


「そうなんです! あたしは別にマスターの宿題なんて関係ないのに、乾杯すらさせてもらえないんですよ!? そんなのひどくないですか!?」


「シャリィは店員なんだから当然でしょ? 僕だって飲めないんだから我慢しなさい。あとでちょっとお高い果汁100%のぶどうジュースを出してあげるから」


「んもう! そういうことを言ってるんじゃないんです!」


 シャリィちゃんはぷりぷりと怒り、ぺしぺしとマスターの背中を叩いた。マスターは私たちお客さんの機微には敏感なくせに、身内のそれには結構鈍感らしい。今の話を聞いてどうしてそういう結論になるのか……案外ニブチンさんなのかもしれない。


「マスター。そうじゃない。そうじゃあないんだよ。シャリィちゃんが言いたいのは、つまりこういうことだよね?」


「あーん♪」


 一つだけ残っていたストロベリーを指でつまみ、シャリィちゃんの口に入れてあげる。まるで拾ったばかりのラズのようにおいしそうに頬張ったシャリィちゃんは、こっちが見ていてびっくりするくらいにうっとりとした表情になり、口元を緩ませながらほにゃりと笑った。


「うーん! このサングリアの甘い香り! わずかに残ったイチゴの果汁と混じりあって、すっごくすっごくおいしいです! 甘さの中に仄かに潜むちょっぴりの苦味がまたたまりませんね!」


「……なあ、ミスティ。この果物、そんなに甘かったか?」


「うーん……。もしかしたら、私たちの舌が甘いのに慣れちゃっただけかもしれないね」


 エリィもまた、甘えるシャリィちゃんにオレンジだのレモンだのを与えている。この甘え上手なところもシャリィちゃんの才能だろう。おいしそうに果物を頬張る様子を見ていると、シャリィちゃんのお尻に尾っぽが生えてぶんぶん振り回されているかのように思えちゃうよね。


「こら、シャリィ!」


「いいじゃないですかぁ! 今日はあたし、お兄ちゃんに代わってほとんど一人で家事してたんですよ!? 最後にご褒美くらい……!」


「そうそう。別におねえさんたちが好きでやってることだから」


「ああ。頑張っている子にはごほうびを、だ。それにルールとして問題ないんだろう? 元はと言えば、マスターが進めるべき課題を進めていなかったのが原因のようだしな」


「うっ……! それを言われると……!」


「諦めなさい、ユメヒト。本人たちが納得しているならそれでいいじゃあないか」


 ぐびりと最後の一口まで飲み干す。果物も全部なくなって、正真正銘、完食だ。ほろ酔いにも似た心地よさと、言葉にできない奇妙な達成感、そしてほんのちょっぴりだけ残念な気持ちが全身を包む。


 ああ、どうしよう。デキャンタの中にはまだもうちょっとあるけれど、これを飲み干してしまったら帰りたくなくなっちゃうと思う。


「エリィ?」


「私もこれくらいにしておくよ。いい気持ちのまま終わるのが一番いい。……正直、これ以上飲むと本物の酒を飲みたくなってしまう」


「だよね」


 ほんのすこしだけ頬を赤らめたエリィが手で口をぬぐい、そう告げてくる。どうやらエリィも今日はここで打ち止めらしい。


 と、なると残ったのはどうしようか。いや、別に今日ここに泊まっていいっていうのなら今すぐにでも飲み干すんだけど。さすがにそういうわけにもいかないし。


「なあじいさん。こいつ、日持ちはするのか?」


「うぅむ。できないこたぁないが、今日と同じ味は保証できんね」


「じゃあ、飲むしかないか……。そうだ、せっかくだからこないだの”ふるーつりきゅーる”も追加で注文するよ。なに、ミスティは私が責任もって送り届ける」


 エリィ、最高。すごく優しい。もう一生ついていきたいね。


「加減はしろよ? あと、じいさんも一緒にどうだ? たまには一緒に飲むのもわるくないだろう?」


 そっか。マスターたちは飲めなくても、爺様ならまったくもって問題ない。誰がどう見ても年寄りだし、さすがにいくらマスターの故郷でも、歳よりに酒を飲ませるなってルールはないだろう。


「そうかね? それじゃあ、ありがたく──」


「何言ってるんです!? じいさんだって飲んじゃいけないでしょ! あなた僕と一つ違いでしょうが!」


「「っ!?」」


 ……あれ、マスターは今、何て言ったのかな?

 

「……ちっ」


 ……なんで爺様は、悔しそうに舌打ちしているのかな? もしかしておねえさん、まだ飲んでいないのに酔っぱらっちゃってるのかな?


「まったく! 油断も隙もありゃしない! リキュールの在庫は僕が責任をもって別のお菓子に使いますからね!」


 マスターはちょっと怒りながら奥へと引っ込んでしまった。きっと今頃、じいさんの見つからない場所にでもそれを隠しているのだろう。


 いや、そんなことはどうでもいいんだよ。問題なのは、あのマスターの発言なわけで。


「じ、爺様?」


「わ、私の耳が正しいなら、じいさんの年齢は──?」


「……もうずいぶんと長いところ、酒を飲めてないんだよねェ。いやはや、歳をとると変に見栄を張らなくちゃいけなくなるから困る」


「え、それってつまり……?」


「つまりも何も、そういうことさ」


 あっはっは、と爺様は誤魔化すように大きな声で笑う。


 本当にどういうことだろう? 酒を飲んじゃいけない年齢ってことはまだ子供のはずで、なのに今の言葉は明らかに酒を飲んだことがある人の言葉……というか、老人の言葉だ。


「あんなこと言ってますけど、じいじってば隠れて飲んでますからね。あたし知ってるんですから」


「「はぁ!?」」


「……あっはっは!」


 おまけに、平然とルール違反をしている? あの、決まり事にはうるさく、悪を良しとしない爺様が?


「誤解のないように言っておくけどね。別に私はルールは破っていないよ。嘘も一切ついていない。知っての通り、私は決まり事を破るのが大嫌いだからねェ?」


「……あっ、わかった! 隠れ里のルールは隠れ里の中でしか適用されないとか、そういうやつだろ!」


「いや、むしろ……ルールの網目を掻い潜って、ギリギリグレーのことをしているとか?」


「まぁ、ご想像に任せることにするよ」







 どうやらまだまだ、私はここに来ないといけないらしい。少なくとも、爺様の年齢の秘密だけは解き明かさなくちゃいけない。ちらちらとエサだけ見せられてひっこむ獣使いなんて、存在しないのだから。


 さしあたっては──


「ねえ爺様。交渉しないかい?」


「ほう、交渉? この私とかね?」


「うん──マスターに飲んでたってのがバレるの、まずいんだよね?」


「ふぅむ?」


 爺様の笑顔が一瞬固まり、片眉だけがわずかに跳ねた。


 今まで勝てそうにない人だと思っていたけど、初めて有効打を与えられた気がする。なんかちょっとうれしい。


「バラしてもいいってのなら、別にいいんだけど」


「別に構わんよ。力づくで解決できるからねェ。……ただ、私は穏便な、平和的解決のほうが好きさね」


「交渉成立、だね」


 私はくちびるをぺろりと舐めた。これでもう、勝ったも同然。夢の時間をもうちょっと楽しむことができる。


「爺様、今晩泊めてくれないかな。一度でいいから、ここで一晩飲み明かしたいんだよね。それに、後のことを考えて飲むのって味気ないし」


「……」


「頼むよ……それにほら、ラズが寝こけてもう動きそうにないんだ」


 クゥ~ン……


 私の指さした先。緑のもこもこが心地よさそうに腹を上下に動かし、ぐだりと寝そべっていた。


「「……」」


「そういやこいつ、酒の匂いでも酔っぱらう子だったねェ……。ぶどうジュースに当てられたのかね?」


 途中からすっかり寝てしまっていた緑の相棒。まさかここまで弱いとは思いもしなかった。今はそれに感謝しないと。


「それじゃあ、ちょっとはやいが晩酌でもするかね? 肴もいっぱいあるからねェ」


「そうこなくっちゃ!」


「なあ、私も一緒にいいよな?」


「あっ! ずるい! あたしも……!」


「はい、子供はもう寝る時間さね!」


「じいじのばかぁぁぁ! 絶対お兄ちゃんにバラし……」


 もがくシャリィちゃんを抱え込み、爺様は部屋の奥の、マスターたちの住居に続くのであろう扉へと彼女を放り込んだ。ドンドンと扉を叩く音を無視して、ガチャリとカギを閉める。聞かなかったことにしたらしい。


 しかも、その腕の中にはいつのまにやらマスターが隠していたであろう”ふるーつりきゅーる”がある。さすがとしか言いようがない。


「さぁ、これで子供はいなくなった。思う存分、楽しもうじゃないか!」


「……少し、爺様のイメージが変わったよ」


「……だな」


 



 もちろん、夜遅くまで三人で飲み明かしたのは言うまでもない。

 なお、作中でおじいちゃんが飲酒をほのめかしておりますが、彼がその手の発言、および行為をするのはあくまでファンタジーの世界のお話であるこちらだけのこととなります。とある理由により彼は飲酒をしても問題ないのですが、不思議な園芸部のほうは健全な学園ものですしね。

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