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冒険者結話

園芸部読むのを強く推奨。

なお、今回もお菓子は(ちょっとだけしか)出てきません。

「…何か来た。ちょっと多い」


焚き火を背にしてリュリュがつぶやく。

近くにいたセイトたちがにわかに騒がしくなり、

アルやアミル、そして先ほど戻ってきたハンナとエリオもその方向に体を向ける。

互いに剣や弓、杖や本を構え戦闘態勢に入った。


セイトの前とはいえ、なりふり構っていられない。


特に示し合わせたわけでもないが、バルダスと彼と親しげに話していた武道家の三人、

そしてやたらサバイバリティあふれる女セイトと二人の男子セイトが

反対方向への警戒に当たった。


経験のないひよっことはじいさんの談だが、

どうしてなかなか、彼らは細かいところに気がつく。


察知した敵に注目しすぎず、奇襲を警戒して逆方向にも注意を向ける。

簡単なことではあるが、ほとんどの新人はこれに気がつかない。

彼らは本当に荒事の経験はないのだろうか?


私もいつでも背中の大剣を解き放てるよう神経を研ぎ澄ました。

じいさんの話では、帰ってきていないのはあと少しのはずなのだ。

……ちょっと多い、ということは招かれざる客の可能性もある。



「やぁ、今戻ったよ。熊はレイクとミスティが相手しているから心配ない」


うぉぉぉ!


歓声が拠点に響き渡った。

あのシャリィちゃんよりちょっと大きいくらいの女の子──カナエを筆頭にして、

何人かのセイトがぞろぞろと歩いてくる。

みなどこか疲れきっているようで、一人女の子が男子セイトの肩を借りて

歩いていたが、大きな怪我はなさそうだった。


二匹の鶏が、こっこっこ、と体を揺らしながら歩いているのが可愛らしい。


「華苗ちゃん、大丈夫!?」


「清水もよっちゃんも無事!?」


「お、秋山も森下も問題なさそうだな。克哉も元気そうだ」


「…大きなけが人はいないみたいですね」


「深空せんせー、一応見てあげて」


帰ってきた連中にいっせいにセイトが群がっていく。

みんなが笑顔を顔いっぱいに広げており、仲間のすばらしさを実感させてくれた。

こんなにも大勢に、こんなにも暖かく、こんなにも当たり前のように

迎え入れてくれるなんて、冒険者をやっていてもそんなに見られるものではない。

……ガッコウとはすばらしい所のようだ。


ほっと一息つき、ハンナたちも構えを解いた。


「お待たせしました、レディ」


「あ、ありがと……」


そんな中、注目を集めたのはがちゃがちゃと鎧を鳴らしながら出てきたセインだ。

殿を務めていたからか、その姿に気づくのに一瞬遅れる。


「ええっ!? あれってもしかして伝説の……!?」


「ちょっと遅いけどせーしゅんしてるねー」


しかもあいつ、こともあろうに女教師をお姫様抱っこしてやってきた。

あの教師──たしか、ユキも満更ではなさそうで、ぽっと頬を染めている。

一体何があったのだろうか。


「ユキ!? あなたどうしたの? どこか怪我したの!?」


「く、熊追い払ったら腰が抜けて……」


「もう、脅かさないでよ……」


「ははは、そう責めないでください。

 彼女の勇気のおかげで我々が間に合ったのですから」


ユキをおろしつつセインが応対した。

どうやら教え子を身を挺して守ろうと熊に立ち向かったユキを

セインが華麗に助け出したらしい。

いかにも騎士っぽい、劇場でも使い古されて見なくなった展開があったようだ。


「ええと……責任者のマツカワさんだったかな?

 セイトはこれで全員かね?」


「ええ。おかげさまで全員大きな怪我もないようですな。

 本当になんとお礼を言ったらいいか……」


「なぁに、仕事ですからね。それにこっちもあなた方のおかげで

 いろいろと助かっていますからな」


「はぁ。それより、同僚のかたは大丈夫なのでしょうか。

 少し聞きましたが、熊が複数匹にイノシシまで出たのでしょう?」


「なに、彼らならあの程度問題ないでしょう。

 もうしばらくすれば、すぐに──」


アオン!


そうセインが言ったのを見計らったかのようなタイミングで

がさがさと物音が聞こえ、レイクとミスティ、そしてラズが姿を現す。

二人とも普段と変わった様子もなく、ラズも毛並みがちょっと乱れているだけで

怪我をした様子はない。よくよく見れば爪に赤いものがついているのがわかるが、

この暗さでわかるのなんてほとんどいないだろう。


「おう、サクッと片付けてきたぜ!

 だいぶ弱ってたからあっという間だったな!」


「ラズをつかってこのあたりにはもういないことも確認済みだよ。

 ……証拠の首でも持ってきたほうがよかったかな?」


うぉぉぉぉ! と、再びセイトたちが沸いた。

調子のよさそうな少年たちが眼をキラキラと輝かせ、

レイクとミスティの勇姿を憧れのまなざしで見つめる。


「すげぇ! マジで熊殺しじゃん!」


「あっ、あの人かっこいい……!」


「ナイフ一つで熊を仕留める、か……。

 あたしにもやりかた教えてもらえるかなぁ」


「……あの猟犬、軍用犬よりも体ができているな。

 品種がわかればテロ対策に……いや、やっぱり特別なやつなのか?」


「なにこれめっちゃこそばゆいんだけど。

 あれ、俺、熊やっただけだよな?」


「お姉さんはこういう視線、嫌いじゃないよ。

 見られるってなんかいいよね」


……なんか悔しいな。

たしかに熊程度とはいえ、私だって仕留めたのに。

なんでキマイラを仕留めたかのように彼らは褒め称えるのだろう。


セイトたちがレイクとミスティに群がり、まるで英雄を目の前にしたかのように

はしゃぎ、質問攻めにする。レイクは若干腰が引けていた。


「なんかすみませんな。彼らもまだまだ子供なんですよ」


「ははは、私も小さいころは英雄や騎士に憧れたものですよ。

 それより、キノコについてなにかあったりしませんでしたかな?」


「キノコ、ですか? そういえば、佐藤君と樫野君たちが

 いつのまにか生えていたスウィートなんとかという毒キノコを処理してましたな。

 なんでも、ほったらかしにしとくとまずいものだとか」


「ああ、それです! ……どこでやりました?」


「心配するこたぁないさね。アルとリュリュが後始末の確認をしてくれたよ。

 ……もちろん、全部ぬかりなくだ」


「なるほど。いやはや、これでようやく心配事が全部消えましたよ」


「よくわかりませんが、何事もないのが一番ですな」


「違いないねェ」


はっはっは、と笑いながらマツカワとセイン、そしてじいさんが

優しげな目つきでセイトたちを見守っている。

なんというか会話の内容がおじさんくさく、無駄に威厳のようなものを

かもし出していた。


こいつ、こんなんだから実年齢より上に見られるんだろうな。

これも騎士の習性みたいなものなのだろうか。


「これで全部終わり……ですよね!」


「ボクたちも少しは活躍できたかな……!」


「もちろん。エリオもハンナもお疲れさん」


張り詰めていた気を緩め、ふうと息を吐く。

この様子なら少なくとも今晩は魔獣も出ないだろうし、

セイトたちも出歩いたりはしないだろう。


まぁ、念のため今日はここで不寝番をしておこう。

男はともかく、さっきまで怯えていた女の子もいたんだ。

私たちがいたほうが安心できるってものだろう。


「そういえば、どうしてあの鶏たちは逃げだしたんだろうな?」


「さぁ……。鶏なんだし、逃げたりもするでしょう?」


「だが、クスノキたちの話を聞く限りでは利口な鶏だそうじゃないか」


気を張る必要もなくなったので、心に浮かんだ疑問をアミルにぶつけてみる。

ミスティから熊の報告を聞いた後に知ったのだが、

セイトたちが森にいたのはクスノキの鶏を探していたかららしい。

先ほどカナエがつれていた鶏がそうなのだろうが、

彼らいわく、あの鶏はとても賢くてバカな真似は一切しないとのことだった。


「あっ、おい佐藤、ちょっと来てくれよ」


「秋山先輩? どうしました?」


そんな話をしていたら、先ほど戻ってきたばかりの元気のよさそうな少年が

マスターの手を引っ張ってこちらにやってきた。

こいつは昼にレイクとサッカーの勝負をしていたアキヤマだ。

冒険者顔負けの身体能力を発揮していたのを覚えている。


「いや、ちょっとデリケートな話題というか……。

 あ、アミルさんですよね? これ、あやめさん──あの鶏が持ってたんですけど」


アキヤマがポケットから何かを取り出した。

土と草のしみで薄汚れた、ボロボロの何かだ。

なんでこんなものを後生大事にもっていたのかと口から出そうになる。


「っ!」


「やっぱこれ……そうっすよね?」


が、眼を見張り息を飲み込むアミルを見て言葉が詰まった。

よく見ればそれは元は白地であったらしく、さらに緑の刺繍糸らしきものも見える。

ボロボロに裂けたそれはレースだろう。


アミルが探していたハンカチだ。


「そ、そん、な──!」


震える手でアミルがそれを受け取った。

それは明らかに修繕してどうにかなるものではなく、

洗えば汚れこそ落とせるものの、ハンカチとして使うのは不可能だろう。

いや、おそらく洗った段階で散り散りの切れ端になってしまうに違いない。

むしろ、今この段階で形を繋ぎとめているのが不思議なくらいだ。


自分のことでないというのにものすごく息が苦しくなり、

熱く、冷たく、重いものが胸に詰まった。


「アミルさん、それ、もしかして……こないだの?」


「……」


マスターの問いかけにもうつむいたまま、アミルは言葉を発しない。

いや、発しないのではなく発せないのだ。

いったいどうして、ここで言葉をつむげるというのだろう。


「えと、その、たぶんですけど、あやめさんたちは

 これを探しに森に入ったんじゃないかなって」


アキヤマが簡単に説明してくれたがもはやそんなもの誰の耳にも入っていない。

この周囲だけ、あきらかに雰囲気が重くなっていた。


空気を呼んだか読まなかったのか──二匹の鶏がこっこっこと鳴きながら

こちらへと近づいてくる。


ずいぶんとかわいい体をしているなと、場違いな考えを抱いてしまった。


マスターは何と声をかければいいのかわからなかったのか、

ただただおろおろしてあちこちに視線をさまよわせる。

もちろん、その乞うような表情に答える人なんて誰もいない。

私も、レイクも、じいさんも、シャリィちゃんも、アキヤマも、

鶏を追いかけてきたカナエとクスノキも顔をそらした。


「アミルさん──」


何かに区切りをつけたのであろうマスターが、ポンとアミルの肩に触れる。

まさにその瞬間だった。


「……う、う、う」


「う?」


「うわぁぁぁぁぁ!」


堰を切ったかのようにアミルが泣き出した。

その丸くて大きな眼から涙がポロポロと流れ落ち、長いまつげをぬらしていく。

くしゃりとゆがんだ顔はどこまでも子供っぽくて、

ぎゅっと心臓を握られたような奇妙な気分になる。


「わ、わたっ、わたし……っ!」


「お、落ち着いて!」


わんわんと、人目も憚らず子供のように泣きじゃくるアミル。

さすがにその異常事態に周りが気づかないわけもなく、

続々と人が集まり何事かと不思議そうな眼で見てくる。


「ごっ、ごめ、ごめんなさいぃぃ……っ!」


ひっく、ひっくと言う音と焚き火の弾ける音だけが拠点に響く。

それ以外は、獣の鳴き声も、風の音も、虫の音ですら聞こえなかった。


「わぁぁぁぁっ!」


「お願いですほんと、ほんとに落ち着いて……!」


アミルと呼応するかのようにマスターもわたわたとあわてだした。

そして何を思ったか、幼子を落ち着かせるかのように

背中に手を回して頭の後ろをぽんぽんとたたく。


「せっ、せっ、せっかく……せっかくとってくれたのに……っ!」


ひっく、ひっくとしゃくりあげ、喉が枯れてしまうほどに泣き声をあげた。

充血して真っ赤になった眼はゆらゆらとゆれている。

そしてまたポロポロと、全身が干上がってしまうのではないかと思えるほど

涙を流し続けた。まつげなんてもはやあってないようなものだった。


「……あの、あの人が泣いているのってやっぱりあのハンカチのせいですか?」


「……ああ。こないだ、あいつはデートであれを貰ったらしいんだ。

 的屋の景品だっていってたよ。初めての……プレゼントなんだ」


「そんな……」


はっとカナエが息を呑む音が聞こえた。

意外と近くにいたことに驚き、そしてまたやるせない気分になる。

あんな風になった以上、あのハンカチはもうどうしようもないのだ。


「お、おねーさん。また一緒に行って同じの貰えば良いじゃないですか!」


なんとか元気付けようとシャリィちゃんが明るく話しかける。

だが、アミルはわがままをいう赤子のようにいやいやと頭を振るった。


「そっ、それっ、じゃっ、ダメなのぉっ!」


「……初めての、プレゼント、なんだもんね」


「いくら同じのでも、同じのはずがないもんね……」


ナギサとシオリが悲しそうに呟いた。


「ほ、ほらマスターなら許してくれるって!

 わざとじゃないんだし、しょうがないことなんだから!」


「そうっすよ! 佐藤がそんなことで怒るはずがないじゃないですか!」


「わあぁぁぁぁん!」


レイクとアキヤマの言葉にもただ泣き喚くだけ。


もはやどうしようもないのだと、私はそう思った。

せめてもの情けとして、この場でないどこかで泣かせようと、

首根っこをつかもうと近づこうとして────


マスターが声を発した。


「アミルさん、顔を上げてください」


「う、あ……」


「顔をあげて」


ぐっと両頬に手を沿え、マスターは半ば力づくでアミルの顔を上げた。

マスターの男にしては細い指がアミルの頬にむにっと沈んでいる。


「こんなにぐしゃぐしゃになっちゃって……。

 きれいな顔が台無しですよ」


マスターはポケットから取り出した青いハンカチでアミルの顔をやさしく拭く。

拭いたそばからアミルの頬に一筋の涙が伝っていった。


「わ、わた、わたし……っ」


「ハンカチ、大事にしてくれてありがとう」


有無を言わさない様子で、それでもにこにこと笑って告げた。


「物なんですから、いずれ壊れるのは当たり前です。

 それがちょっと早いか遅いか、それだけの違いでしかないんです。

 今回はたまたま、それがすっごく早かったってだけなんです」


「で、でも……っ!」


「だからこそ、物っていうのは持っていた時間が大事なんじゃなくて、

 いかに大切にされたかってのが大事なんです。

 僕の故郷のお話なんですけどね、『付喪神』ってのがいるんです。

 物に想いがこめられて、妖精みたいになったやつですね」


「う、う……っ!」


「このハンカチは……まぁ、そんな風にはなっていませんけど、

 それでも僕は、アミルさんが泣きじゃくるほど大事にしてくれたっていう、

 その事実がすごくうれしい。アミルさんのその気持ちがすごくうれしい」


「ま、ます、たぁ……」


「形はなくなっても、想いは残るんです。

 こんなになっちゃったのは残念ですけど、それで終わりじゃないんです。

 ……また一緒にどこか行きましょうよ。

 そして、また新しいのを一緒に買いましょうよ。

 このハンカチの想いも一緒に持ち歩いて、思い出をどんどん増やしましょうよ。

 いろんなところへ行って、いろんなことをして──僕たちのポケットの中、

 入りきらないくらいに思い出を作りましょうよ。

 その想いは全部、形はなくなっても絶対になくならないんですから。


 ──どうです、ステキでしょ?」


「うわぁぁぁぁぁ!」


アミルは今度こそ、マスターに抱きついて泣いた。

マスターの服が涙にぬれ、おまけに強く抱きついたものだからしわがついた。


しかし、アミルの顔はどこか吹っ切れたかのように晴れやかだった。


「ほら、泣き止んで。かわいい顔が台無しですよ。

 僕は笑っているアミルさんが好きなんですから」


「はい……っ!」


アミルの顔は赤い。

それが涙によるものなのか、それとも焚き火によるものなのかはわからない。


でも、私ですらドキッとするようなとろけるような笑顔を、

涙の残る顔で浮かべて見せたのだ。


そしてその顔は、すぐに見えなくなる。

マスターがぎゅっとアミルを抱きしめたからだ。

強く、優しく回された腕が小さな背中に通されている。

その姿はさながら繭か、蛹のように見えた。


あちこちから息を呑む音が聞こえ、そして空気が羽のように軽くなる。


「一件落着……ですかね?」


「そうです……ね」


「そうだろうな」


カナエ、シャリィちゃん、そして私もほっと一息ついた。

ここで初めて二人の手をぎゅっと握っていたことに気づく。

どうやら緊張して無意識にしてしまったらしい。


それはカナエもシャリィちゃんも同じようで、

三人で顔を見合わせて照れくさく笑いあった。










「…まだ終わりじゃない」








そしてそんな落ち着いた余韻を楽しんでいたからこそ──クスノキが発した言葉に

不意を撃たれた。


「…まだ終わりじゃないぞ」


「たしかにそうだねェ」


何を言っているんだ、といわんばかりに私たち三人はクスノキを見上げた。

だが、当のクスノキはさして気にした風もなく、いつもどおりの

何をかんがえているかわからない死んだ魚のような目をしていた。


「終わりじゃないって?」


「……」


その答えは意外なところから飛び出てくる。


「やっ、アミルさん。いいムードのところちょっとごめん」


人ごみからどこかおせっかいおばさんの空気を感じさせる少女──ツバキハラが

つかつかと歩いてきた。手にはなにやら小箱を持っている。

それが何なのかまでは私にはわからなかった。


「ツバキハラ、ちゃん……?」


「夢一、あんたもこんなきれいな人を泣かすんじゃないよ、まったく。

 ……ま、こんな人前であんな恥ずかしいことや台詞を言ったのは認めてやるけどね」


あっ、と何かに気づいたようにマスターはあたりを見渡した。

そして、この拠点にかかわるすべての人間の注目が自分たちに集まっていることに

気づき、一瞬で頭が熟れたイチゴのようになった。


「いひひ。それに免じて一つプレゼントしちゃる。

 アミルさん、ちょっとそれ貸してください」


なにを、とアミルが言う前にツバキハラがその襤褸切れ同然のハンカチを

手に取り、その小箱を開けて中から……針と糸を取り出した。


みなに見守られる中、ツバキハラはミスティと同じように糸をぺろりとなめ、

焚き火の光しかないというのに瞬きするくらいの時間でさっとそれを針に通す。

指にはいつの間にか指貫がはめられていた。


「まさ、か──!」


そこからはまさに早業──いや、神業だった。

私の目には、ただツバキハラがハンカチに針を一回刺したようにしか見えなかった。

だというのに、そう、たった一回、針を刺しただけだというのに。


その一瞬がスローモーションのように見えて。

ツバキハラが針を通しきったその格好で止まって。


「ほい、修繕完了」


ぴっと糸を引っ張り、歯で余分なところを噛み千切るツバキハラ。

その手には、まるで新品であるかのように真っ白の、

緑の刺繍糸で模様の入った、レースのハンカチがあった。


白い地に緑の模様はとてもよく映えていて、どことなく上品な感じがする。

ボロボロだったはずのレースはとても複雑な幾何学模様に仕上がっており、

また縫い目や継ぎ目の一つも見当たらない。


「う、うそ……!?」


「嘘なもんですか。アタシ、これでも被服部長なんですよ」


……被服部というと、ブカツの一つだろうか。

名前から連想するに、裁縫とかそっちの技術を磨くブカツなのだろう。

なるほど、それならばその神業にもうなずける……わけないだろ!?


どう頑張ったってあの有様では繕うことなんてできないはずだぞ!?

百歩譲って繕えたとしても、どうして継ぎ目も縫い目も見当たらず、

ましてや新品のようにきれいになるんだ!?


仮に彼女が魔法を使えたとしても、

そんな奇跡みたいな魔法存在するはずないし、

あったとしてこんな手軽にできるもののはずもない。

ありえないだろ常識的に考えて!!


「おいエリィ、見えたか? それとも俺の眼がイカれたのか?」


「あるいはまだ胞子が残っていたのかも知れんな。

 ……くそっ、どう考えたってありえないだろう」


「っていわれても被服部なんだしこれくらい普通だい!

 だいたい、アタシのところにゃもっとひどい状態のものが

 持ち込まれたことがあるさ。……特に運動部男子の連中にね」


「…俺も破けた体操服を繕ってもらったことがある」


「彩香ちゃんならあの程度造作もないだろうねェ」


関心深そうにうなずくじいさんとクスノキ。

もしかしてと思って回りを見渡すと、わかっていたやつと驚いているやつで

半々くらいだった。


ちなみに、シャリィちゃんとカナエはあんぐりと口をあけている。


「椿原おねーちゃん……すごい……!」


「いやいやいや……」


「なぁカナエ。おまえたちのところではこれが普通なのか?」


「そんなわけありません! あの人たちが特殊すぎるだけです!」


カナエいわく、彼らの所属のガッコウ──ソノジマニシのブカツの部長は

みなどこかぶっとんでいる人たちばかりらしい。

詳しく聞くことは憚れたが、その顔からは鬼気迫る何かを感じられた。


……きっと彼らの故郷の秘術なのだろう。

深く突っ込まないほうがいいに違いない。


「ありがとう……! 本当にありがとう……!」


「いいですって。アミルさんには助けてもらったからね。

 アタシ、これくらいしか役に立たないからさ。

 ……夢一、貸し一つな。文化祭のファッションショーモデル頼むよ」


「ええ!? さっき何かに免じてとか言ってませんでした!?」


「それはそれ、これはこれ」


「まぁ……それくらいならいいですけどぉ……」


愛おしそうにアミルが胸のところでその白いハンカチをぎゅっと握り締めた。

これでようやく、本当に一件落着だろう……いやまて、もう一つある。


「で、結局なんであやめさんとひぎりさんはハンカチを探しにいったんだ?」


アキヤマが私の聞きたいことを言ってくれた。

そう、目的はわかったが理由はまだ判明していない。

そもそもこの鶏はなぜハンカチのことを知ったのだろう。


「…彼女たちなら、なにか深い理由があられるはずなのだが……。

 そもそも接点がないとなるとな」


「あれ、そういえばアミルさん、初日にあやめさんとひぎりさんを

 撫でてませんでした?」


「え、ええ。かわいかったから頭を撫でて、木の実をあげたりしました」


「…それだな」


「え?」


「…彼女らは恩を絶対に忘れない。優しくしてくれた相手には

 その数倍の優しさを返してくださる。ましてや一飯の恩義ならなおさらだ。

 …今日、ハンカチをなくしたというレイクさんの話を一緒に聞かれて、

 それで心配をかけないよう、皆が食事をしている間に探しに行かれたのだろう。

 …さすがはあやめさんとひぎりさんだ」


「……」


至極まじめくさった顔でクスノキがいった。

これは彼らの故郷に伝わるジョークなのだろうか。

いくらなんでも、そんな賢い鶏がいるはずないだろう。


こっこっこ──


そう思っていたら、いつの間にかブーツをこつこつと叩かれていた。

こころなし、そのくりっとした瞳は怒っているかのようだった。


「……」


世の中には不思議なことがあるものらしい。そう思うことにした。

全部が丸く収まったのならそれでいいじゃないか。


「ねぇねぇおじい! 組合の人たち、今日はどうせここにいてもらうんでしょ?

 寝るまでの間、お話とかしててもいい?」


「かまわんさね。もう出歩けんし、暇つぶしにはもってこいだろう」


「やったぁ! ミスティさん、ラズちゃん触らせて!」


「あ、私もいいでしょうか……?」


「俺も触ってみたい! あと牙じっくり見てみたい!」


「いいよいいよ、好きなだけ触るなりなんなりしちゃいな」


オン!


「おう、アシザワ、サカキダ、ナカバヤシ。

 せっかくだからおまえらの武術についていろいろ教えてくれよ。

 オレまだまだ知識も足りねえんだよな」


「お、いいですね」


「むしろこっちがお願いしたいくらいだぁな。

 熊を殴り殺すなんてめったに見られん光景だったし」


「俺もあんたにいろいろ教えてほしいことがあったしなぁ」


「セ、セインさん。ちょっと一緒にお話しませんか……?」


「よろこんで。あなたが眠り姫になるまで付き合いましょう、レディ」


「セインさん、俺たちもあなたに聴きたいことがあるのですが」


「その一風変わった動きってどこで覚えたんすか!?」


「おい義雄、晴喜。ちょっとは空気読め。先生ようやくチャンスを掴めそうなんだ」


「ゆきちゃんよりテロ対策のほうが大事だ」


「同じく。ゾンビ対策に勝るものなし」


「なぁハンナ。少し試合形式で打ち合いしないか?

 なんだか物足りなくてな」


「いいわねそれ! あたしもちょっと不完全燃焼気味だったのよ!」


「……レイジ、僕たちはゆっくりしていようか」


「ああ。そうだ、じじ様のところか畑から、なにかおいしいものでもかっぱらって

 こよう。ちょっとお腹が空いたんだよね」


「いいね、それ」


「おいホヅミ。すこし付き合え」


「……いいでしょう。俺もいろいろと(●●●●●)聞きたいことがあります」


「ふむ、なんでも聞くといい。お前にならこの本の中身だって見せても良いぞ」


「へぇ、面白そうだ」


「ねぇねぇ、またなにかおいしいの飲めるのかな?」


「まて桜井。あれは内緒だと言われただろう。そもそも毎回たかれると思うな」


「そのとおり。今の僕が出せるのは顔が歪むほど不味い携帯食料しかない。

 ……だが、意義のある時間になるとわかった暁には秘蔵の“くっきー”を出そう」


「やったぁ! がんばってね、穂積くん!」


「たまには自分で努力する努力をしてくれ。

 ……まぁ、クッキーの一枚二枚以上の話をする自信はあるが」


「じゃあ私もオカリナ吹く! 夜だけど無礼講だしいいよね!」


「ふむ、あの音の箱と同じメロディだという噂のアレか。そうこなくてはな」


「あ、あの、すこしお話伺っても良いですか……?」


「…私か?」


「え、ええ。私、文芸部なんですけど……リュリュさん、ですよね?

 春香ちゃんからお話を聞いて、興味がわきまして……。

 取材の真似事をさせてもらえればなって」


「おねーさん、あたしもー。

 おねーさん、狩人なんでしょー?

 お話聞いたらインスピレーションばりばり沸きそうな予感がするんだよねー」


「アタシもちょっとお姉さんには興味あるんだよね。

 その服のデザインとか素材とか、なにか参考になりそうな気がするんだ」


「私もいいでしょうか。昔から、そういうお話だとかに興味がありまして」


「深空せんせー、そうだったのー?」


「…ふふ、いいだろう。いろんな話をしてあげよう。

 そうだ、チュチュ婆様から聞いたとっておきのお話もしてあげる」


「レイクさんレイクさん! 昼間の続きやりませんか!?」


「いいねぇ! もっといろんな技見せてくれよ!」


「秋山ァ、俺も混ぜてくれよォ!」


「そういやおまえ、もしかしてモリシタってやつか?

 なんかすっげぇ奇妙で変な技を使うっていう?」


「大当たりィ! テクニックだけなら秋山にも負けないぜェ?」


「おいおい、サッカーなら俺を呼ばなきゃ話になんねえだろ?」


「ん? あんたは?」


「こちら、サッカー部の顧問の荒根先生っす!」


「顧問……ってことは師範代レベルで強いってことだよな!

 よっしゃ、燃えてきたぜ!」


なんだかみんな盛り上がってわいわいやっている。

セイトが私たちにここでの生活を聞き、

私たちがセイトにガッコウのことやブカツのことを聞いていた。


盛り上がりすぎて物騒な意味で体を動かしたり、ラズの尾を踏んだ男子セイトが

追っかけまわされたりしているが、なんともまぁ平和な光景だ。

さきほどまでの緊迫した雰囲気は一切感じられない、

なんとも明るく暖かな空気が満ちていた。


思わず頬が緩む。


「エリィさん、私たちもすこしおしゃべりしませんか?」


「ん、構わないぞ。ゆっくり時間も取れそうだしな。

 ……ちょっと欲を言うなら、マスターも絶賛するその腕を

 軽くでいいから振ってくれるとうれしい」


「あはは、おっけー! 楠、畑のちょっと貰うよ!」


「…構いません。俺のもお願いします」


パンのあまりや"かれー”の残り、

燻製魚や卵に肉。そしてほぼ無尽蔵に生るらしい果物や野菜。

まだ準備段階だというのにお腹がきゅうとなりそうになる。


料理だろうか、お菓子だろうか、それともまったく未知の何かだろうか。

二人の少女が楽しそうに準備するさまを見て、期待を抑えることが出来ない。

今夜は無礼講で大いに食べようと今決めた。

宴って言うのは食べて飲んではしゃがなくてはならないものなのだから。


「華苗おねーちゃんたちも一緒におしゃべりしましょうよ!」


「そうだな。みんなといたほうが楽しいだろう?」


「そ、そうですね。……柊くん、大丈夫?」


「さすがにちょっと疲れたけど大丈夫。

 でも、途中で眠っちゃうかもしれないからそのときはよろしく」


「……わ、私でよければ膝枕でもしたげよっか?

 お、おとうさんが疲れているとおかあさんがよくそうするんだよね。

 た……助けてくれたお礼だよ」


「はは、それはずいぶん魅力的なお誘いだね。

 じゃあ、僕が寝ちゃったらお願いしようかな?」


「田所、アンタは?」


「右手がつかえね。一晩休ませなきゃダメだな。全力出しすぎた」


「……しょうがない、今だけアンタの右手になってあげる。

 い、今だけなんだからね! 助けてくれたお礼ってだけなんだからねっ!」


「いや、おれ両利きにしたから問題ねえけど」


「……素直に好意を受け取っとけやぁ!」


「なんという理不尽」


「なんだろうこのそこはかとない疎外感」


「よっちゃんおねーちゃんにはあたしがいますよ!」


「そうだ、別にそれくらいいいじゃないか。

 あっちを見てみろ、軽く絶望するぞ?」


よっちゃんと呼ばれている少女に声をかけ、

こっそりある方向を指で指す。

切り株に腰をかけ、真っ赤になりながら話をしている二人がいる。

その背中だけで幸せです、というオーラがだだ漏れになっていた。

内容まではさすがに聞き取れないが、聞かないほうがいいような気がした。


「佐藤先輩があんなデレデレしてるなんてねぇ……」


「あとで話の種になりそうだな……。そのためにも、今はそっとしておこう」


内容を聞いたら、絶対真っ赤になってしまう自信がある。

みんな、それがわかっているからあの二人のところに近づかないのだろう。


「君たちも冒険をしたのだろう?

 武勇伝を聞かせてくれないか?」


にこりと笑って焚き火の近くに腰を下ろす。

この、仲間や気の知れた友人とともに火を囲む瞬間がたまらなく好きだ。


「はーい、おまたせー!」


「おかわりいっぱいあるからねー!」


果物の盛り合わせ。

パンと“かれー”のセット。

シンプルな見た目の“ばーむくーへん”。

新鮮な野菜を贅沢に使ったスープ。

紫と赤の“じゃむ”がたっぷりのった“ぱんけーき”。

その他、見たことも聞いたこともないお菓子と料理。


二人の少女により、人生の中で最高に豪華な夜食が私の目の前に並んだ。


「おお……!」


ベリーが埋まっているパンみたいなものはなんだろう?

携帯食料と“ましゅまろ”がサンドし合っているあれはなんだ?

あっちのは……黄金にとろりと輝くレモン、か?


“かれー”と似て非なる、コクの深い香りの赤茶色のスープがいい感じだ。

肉と野菜が踊り乱れる米を使った料理に心が躍る。

あの……銀のくしゃくしゃの中のは絶対うまいに違いない。


「そして私はこの大剣で群がる茸どもをバッタバッタと薙ぎ倒し──!」


「さっすがおねーさん! 最強なんですね!」


「シャリィちゃんもいつかできるようになるさ」


「あはははっ! 茸が動くわけないじゃないですかぁ!」


「よしんば動いたとしてもなぜに群がる? 茸に脳も口も知覚器官もなくね?」


「田所、アンタ創作話に真面目に突っ込むのやめなさいよ。

 こういうのはよっちゃんみたいに笑うのが正解なの!」


「いやいや、動くぞ? それにやつらは生命力が強くてな。

 一匹見たら百匹はいる」


「…似たような経験はありますね」


「お、そっちにもいるのか?」


「…害虫が。レモンの葉や枝豆なんかが特に」


「そういえば農家(ファーマー)なんだってな」


「…いえ、農家じゃなくて園芸部ですよ」


「農家のほうが正しい気もしますけどね……。

 害虫処理が少ないだけマシですかね」


「でも、害虫って言っても危ない虫はいないんでしょ?

 さすがに危ないのを八島さんにやらせるのはちょっと気がひけるかな」


「…チャドクガの季節になったらそんなことも言ってられない」


「うげ……」


「…やつらは危険だ。居た場所に触れるのはもちろん、

 近づいただけでもダメだ。あれらに苦しめられた人間は星の数ほどいる。

 …駆逐するぞ、一匹残らず。あの畑にいる全てを」


「柊くぅん……」


「て、手伝うから。ね?」


「そんなのがいるのか。なんか魔物みたいな虫だよなぁ。

 出来ることなら駆除を手伝ってやりたいよ」


「…魔物みたい、ではなくやつらは魔物だ。一切の慈悲はかけられません」


すばらしい料理と目を見張るようなお菓子を話の肴とし、

旧来の友人であったかのように話に花を咲かせる。

大きな身振りでちょっとした冒険譚を話すと、

彼らは空想物語として楽しみながら受け取ってくれた。


「さっきセインさんに抱えられていた人、私たちの担任なんですけどね……」


「顧問のくせに料理せずにみんなが作ったのタッパで持って帰ってるんですよ~!

 この出会いで少しはオトメゴコロに目覚めてくれないかな~!」


「ほうほう。そこのところ詳しく。なに、後学のためだ」


「おねーさん、意外とぐいぐいいきますよね」


「外国の人でもこういうノリは一緒なんだなぁ……」


「華苗おねーちゃんだってけっこう満更でもないですよね?」


「……まぁ、そうだけど」


彼らの方はガッコウでの出来事を面白おかしく話してくれた。

旅人として各地をめぐった私でも聴いたことのない話ばかりでなかなか興味深く、

驚くべきこともたくさんあったが、時折オカシイ話も混じっていたな。


いくらなんでも麦が一瞬で生え変わるなんて話があるはずがない。

そりゃ、似たようなことをここでもしてたみたいだが、

そんなことが出来たらこの世界に飢える村なんてなくなっていることだろう。


「──? ──!」


「──! ──!!」


森全体が宴をしているかのように、夜の闇を笑い声が切り裂き、

星空の元に暖かな光が満ち溢れている。


「教頭先生、荒根先生、バルダス、セイン、ミスティ、リュリュは

 就寝前に広場中央に集合だ!

 今日の反省会と報告会、そして明日の予定を話し合うさね!」


何人かの悲鳴と残念そうな声がそのなかに混じる。

じいさんはにっこりと笑っており、どこまでも楽しげな様子だった。


「さぁさ、今日は組合の連中がいるから不寝番はなしだ。

 疲れたろうから頃合を見てみんなぐっすり寝てしまいなさい!

 面倒事は全部私がやっておくから安心するといい!」








こうして、笑顔と暖かい光に包まれながら夜は更けていった。

誰もが騒ぎ、動き、未知のお話に眼をキラキラさせて好奇心をむき出しにしている。


久しぶりに感じる、形容しがたい感覚。

喜びと楽しさで胸がはちきれそうになり、

この時間が永久に続けばいいという叶うはずのない欲求で頭がいっぱいになる。


そして、ぱちぱちと弾ける焚き火の音と、天へと向かう白い煙を見てふと思った。




──これこそが、冒険者の報酬なのだと。








次回はちゃんとお菓子出るからね! あと次回でキャンプ終わりね!


エリィさんが見たのは


ブルーベリー・ラズベリー・ブラックベリーのスコーン風

スモア

レモンのコンフィ


ビーフ(?)シチュー

野菜たっぷりワイルドなパエリア風

ホイル焼き


です。一応全部栽培したもの、既出の持ち込み品、および準備品で作れちゃったりします。醤油と唐辛子とタマネギとトマトがあればとりあえずのソースが出来て、そこからデミグラスソースっぽいのが出来て……ってかんじで。本文では省いていますが部活技術バリバリ使いまくってます。


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