エルフとパンケーキ
おまたせしました。
森というものは、いつだって偉大だ。自然の大切さも、素晴らしさも、残酷さも、厳しさも、なんだって教えてくれる。
きらきらと生命の光で輝く果実。
悠久の時を佇む大樹。
生を謳歌する小動物が触れ合い、心を洗い流すような風が頬を撫でる。湿った土の匂いもたまらない。
ちょっと見渡すだけで、これだけのものが森には存在する。この素晴らしさは何物にも代え難い──と、ちょっと前までの私は思っていた。
「…ふふっ」
自然と、笑みがこぼれる。この扉を開けるのだってもう少なくはないが、いつだって笑ってしまう。集落にいたころは、まさか私がこんな風に笑うだなんて、想像すらしなかった。今日も、楽しみだ。
奇妙なバンダナをした、にこにこ顔のマスター。
元気いっぱいの可愛い女の子。
そばにいてくれるだけで安心する、爺。
瞼の裏に会いたい人たちの顔が浮かんだ。私は期待とある種の確信をもってその木目の美しい扉を開ける。カランカラン、と涼やかで心地の良い音が長い耳に響いた。
「よっ、いらっしゃい! 《スウィートドリームファクトリー》へようこそってか」
誰だ、こいつは。
「いらっしゃいませ! あ、エルフのおねーさん!」
「レイクさん、それ僕の台詞……」
一瞬自分の目を疑ったが、驚きの表情を出さずに机につくことに成功する。
落ち着きのある机に椅子。色鮮やかな窓ガラス。ほのかな甘い香りが溢れる、いくらかの花で彩られたその空間はいたっていつも通りの素晴らしいものだ。
困ったように笑うマスターと、嬉しそうに近寄ってくるシャリィちゃんも問題ない。爺の姿がないのが残念だが、今日はいないというだけだろう。
たが、だ。
「うぉ、ホントにエルフじゃねぇか。全然見かけないからてっきり作り話かと思ってたよ」
「おにーさんとおねーさん、基本的に来る時間ずれてますからねぇ」
マスターのと似ているバンダナをつけた盗賊風の男──いや、この軽い感じはまず間違いなく盗賊だろう──は一体誰だ? 防具ではない、布のバンダナからは緑灰の髪がはみ出ている。ここにマスターたち以外の店員なんていたのだろうか。
「…マスター、そっちのは?」
「こちらは盗賊のレイクさんです。常連さんですよ。はじめてきたのは、リュリュさんよりちょっと前くらいですかね?」
「…なんでエプロンもしている?」
「一緒にクッキー作ってました! すごいんですよ、マスターなんかよりずっと美的センスがいいんです!」
私より早くにここを知っていたというのと、シャリィちゃんの嬉しそうな顔を見て、なんだか心がもやもやとするのを感じた。
悔しい、とはまたちょっと違う。負の感情であるのはわかるのだが、荒ぶるのではなくにじり寄るような、なんともすっきりしないものだった。
「いやな、ちょっと誘われたんでやったんだけど、意外と面白かったな。あんたもどうだ?」
「…“くっきー”に興味はあるが、今は気分じゃない」
「……? ま、いいや。ところでシャリィ、いつものと、あと適当に頼む。もう客に戻るけどいいよな」
シャリィちゃんの返事を聞かないうちにその盗賊、レイクはエプロンを脱いで私と同じ机に着いた。
…なぜこいつは当たり前の様に私と同じ席に着いたのだろうか? いつもの、と頼む時のなじみ方といい、なぜだか判らないが気に障る。シャリィちゃんが懐いている以上、悪い奴ではないはずなのだが……。
さっきからどうも心拍が不安定だし、気分もよくない。ヒトには慣れたと思っていたが、まだまだそれほどでもないということなのか?
「リュリュさんはどうします? ちょっと試してもらいたいものがあるんですけれども」
「…それで頼む」
「あっ、それじゃ俺もそれにしてくれよ」
「もちろんそのつもりですよ」
にこにこと笑うマスターはかしこまりましたと一言言うと、途中で棚にある例の小さな四角い箱に手を伸ばす。きりきりと小さく音がしたと思うと、扉のベルとは違う、優雅な音色があふれ出てきた。
~♪
「たまにやってくれるけど、これホントなんなんだろうな。エルフの集落ではこういうのあるのか?」
「…私のところにもない」
なぜ、当たり前のように話しかけてくるのだろうか。
あのクズのような嫌な感じではないのだが、なんだか本当にもやもやする。できることならそっとしておいてほしい。この場合においてはおそらくそれが最善の行動なのだと思う。
「そっか、そっちにもねぇのか。エルフの品って独特のものが多いからもしやと思ったんだけどな。どこで手に入れたんだろうなぁ」
「…さぁな。基本的に、ここにあるものは古都でも集落でも見たことはない」
「たしかにおねーさんのお洋服とか、あんまりみませんね。じいじのに似てますけど、ちょっと違いますし」
シャリィちゃんがちらりと私の服を見る。言われてみれば私の服はすこし爺の服と造りが似ている。
爺の紺色の服は古都の一般的な服とは違い、大きな布を簡単に纏ったような、ゆったりとして風通しのよさそうなものだ。
対する私の、一般的なエルフが着る民族衣装も、ひらひらしていて風通しがよい。若草で染め上げられた色合いもどこか似ている。
~♪
「森の中だと擦ったりして痛くないのか、それ?」
「…肌で風を、森の息吹を感じられないことのほうが何倍も苦痛だ」
盗賊が心配そうに私の体を見る。やはりクズのようなねたついた視線ではない。信用できるかどうかは別として、悪い人間でないことは間違いない。
多少、視線にそっちの気を感じたが、街中の男ならもっと露骨なものだ。それから比べると、こいつは確かに私のことを心配しているのだろう。
「おにーさんがこんな格好をしていたら、またケガしちゃいますね!」
「頼む! もういいかげん忘れてくれ!」
「嫌ですよ、あたしとおにーさんの運命的な出会いじゃないですかー!」
「…シャリィちゃん、詳しく」
「頼む、お願い、後生だから!」
~♪
普段他人のことについてはあまり興味を持たない私。だが、なぜだかわからないが、無性に気になった。それに、これほど嫌そうに抵抗するなんて、やましいわけがあるのに違いない。
「ぼろぼろでここに転がり込んできたおにーさんを介抱したんですよ、あたし!」
「…それはよくやったな。それだけだったか?」
「飲み物飲ませたあと、渋るおにーさんにお薬飲ませてあげたくらいですかね?」
「…それは、どういう意味だ?」
「そりゃ、愛を込めて口うつし──」
「…よし、おまえ、そこになおれ」
「シャリィ、てめぇぇぇぇ!」
左手に短弓を、右手に短杖を構えて突きつける。間違いない、こいつは極悪非道の盗賊だ。
そういえば、ギルドにも物騒な張り紙があったではないか。私としたことが、今の今まで気づかなかっただなんて。
~♪~♪~♪♪~──......
「こら、シャリィふざけすぎ。リュリュさん、これ、シャリィの冗談ですから」
「マスタ……助かった! 本当の本当に助かった……!」
音楽が切れるのと共に、マスターが奥からやってきた。いつもとは違い、なにやら大きなお盆に大きな白い皿を載せている。
「ほ、ほら冗談だったんだから、降ろしてくれよ、それ」
「…どこまでが、冗談だったんだ? 本当のことを言え」
「口うつしが冗談なんだよ。実際は麻痺毒で動けなかったから、普通に飲ませてもらっただけだ!」
それなら、セーフか?
とりあえず、嘘でもなさそうだったので武器を下ろす。今は目の前のことに集中だ。
「さて、お待たせしました。特製の《パンケーキ》でございます」
「おぉ……きれいだな」
ことりとマスターが私の目の前においた皿には、ちょうど私のてのひらくらいの大きさの何かが二枚ほど乗っていた。
なにかを焼いたもののようで、きれいなキツネのような、優しい色合いをしている。夜空に浮かぶ月のようなまぁるいそれは、見ているだけで幸せな気分になった。ふんわりと漂う、大地の恵みが詰まった心地よい甘い香りに溺れそうになる。
加えて、それといっしょにあるものもすごい。いつぞや食べた“けーき”……あれに必ずと言っていいほど使われている白い独特な“くりーむ”。赤くどろっとしたなにか。黄金色のどろっとしたなにか。惜しげもなく使われたそれらが衣装となってまぁるいキツネ色のそれを鮮やかに彩っている。
これは……形がぼやけているが、果肉が含まれているところを見ると、果物をどうにかしてつくったものらしい。いったい、何をどうやったら果物がこんなふうになるのか。
大地の甘い香りに混じって漂う香りから、それがイチゴとさくらんぼであろうことが予想できた。
さらに、それらの上から嫁入りの娘の化粧のように白い粉が振るわれている。以前北のほうでみた、粉雪を彷彿とさせるものだ。
マスターの作るものには砂糖が使われているらしいが、この白いのは普通の砂糖よりもはるかに粒が小さい。集落の連中に持っていったら、間違いなく化粧のためのものだと受け取るだろう。
キツネを中心として白、赤、黄金。華やかで、心がわくわくするような美しい色どり。加えて大きめの白いお皿がそれらをよく引き立てていて、まるで芸術品のようだ。
食べるのがもったいない、と思ったのは初めてだ。いや、むしろ食べ物でここまで美しいものを見たのが初めてかもしれない。今までここで食べてきたものも含めて、私の人生の中では一番きれいなものだった。
できることなら、この光景を切り取って、集落の連中に見せて回りたい。
「なんだか、今日はいつも以上に手が込んでねぇか?」
「いったでしょう? 特製《パンケーキ》だって」
悪戯っぽく笑ってマスターが白い小瓶を置く。その小瓶も今ではもう見慣れた美しい質感のものだったが、今日は一味違う。
中に入っていたのはコハク色のとろっとした何か。ずっと見つめていると悠久の彼方に意識を飛ばされてしまいそうな、深く、魅惑的な色だ。
白い小瓶にコハク色のそれ。シンプルながらも、完成された美しさがそこにあった。
「こちらは《メープルシロップ》といいます。お好みで使ってください」
お好みで、とマスターは言ったが、これほどのものを使わないわけがない。もし使わないのだとしたら、そいつは豚鬼よりも頭が悪いだろう。
「…いただこう」
とはいえ、まずは普通に食べるべきだ。一緒に置かれたナイフとフォークを手に取り、そっと月に滑らせる。
“わらびもち”とはまた違った種類のやわらかさでナイフはふんわりと沈みこみ、そして気づくと私の目の前に少しの“くりーむ”と少しの赤いのが乗っているのを突き刺したフォークがあった。
ゆっくりと、その瞬間、一番最初のその瞬間を味わうようにフォークを口元へと運ぶ。
そして。期待は確信に変わる。
「…うまい」
あまい。
あまい。
どうしようもなく、うまい。
やわらかで。
ふわっとして。
香りも良くて。
最高で。
「…うまい!」
「それはよかった」
マスターのことも、シャリィちゃんのことも、盗賊の男のことだってこの瞬間は頭からきれいになくなっていたのだと思う。
この“ぱんけーき”、ものすごくやさしい味だ。まるでマスターの人柄がそのまま表れているような、食べていて落ち着く味だ。
包容力というべきか、包まれるような優しい甘味は、今まで食べたなによりもすばらしい。柔らかくふわっとしたそれを噛みしめると、大地の恵みの優しい香りが
口いっぱいに広がる。ああ、なんておいしいのだろう。
「…♪」
赤いどろっとしたそれは、そんな“ぱんけーき”と非常によく合う。イチゴ本来の程よい甘味とわずかな酸味、それが自然に調和して、“ぱんけーき”の仄かな甘味をより昇華、いや、共に高みへと連れ立っていく。
わずかに残った果肉の食感がまたなんとも言えず私の心を刺激する。果物本来の風味が、十分すぎるほどに活かされていた。
「すっげぇなマスター! この赤いの、なんていうんだ?」
「そちらは《ジャム》っていって、果物を砂糖で煮詰めたものですね。さっき作ったクッキーにも使うことがあります。いろんな種類があるんですよ」
なるほど、この赤いのの正体はイチゴを煮詰めたものというわけだ。しかし、そうなるとこの黄金の“じゃむ”は一体何なんだろうか。わずかな香りから、さくらんぼであるはずなのだが……。
ぱく。
考えるよりも食べたほうが早い。
うん、やっぱりこれはさくらんぼだ。さくらんぼ特有の花を連想させるようなもどかしい甘さがうまく活かされている。イチゴの“じゃむ”もなかなかいいけど、こちらも捨てがたい。
白い“くりーむ”との相性も最高だ。滑らかという言葉では足りないくらいの速さでとろけるそれは、“ぱんけーき”の味により深みを与えてくれている。単体ではとてもここまでのものはできないだろう。
「……」
しかし……ここまでのものとなると、次に何をつけて食べるべきか悩んでしまう。
イチゴの甘味も捨てがたいし、さくらんぼの甘味もいい。“くりーむ”だって最高だ。とてもじゃないけど、選べない。とてもぜいたくな悩みだとは分かっているが、それでも悩まずにはいられない。
──だったら、全部まとめてしまえばよくないか?
「……ッ!?」
自分の頭の隅で、そんな誘惑の悪魔の囁きが聞こえた。
だけど、だ。それはいささか、みっともなくはないか? 一人ならともかく、人前でもあるし……。
ええい、やってしまえ!
この際、今更だ。どうせ楽しむなら、自然に身を任せるべきだ!
「おねーさん、豪快ですね!」
「…ふふ、カッコいいだろう?」
ちょっと大きめに切り取った“ぱんけーき”に、私は二種の“じゃむ”と“くりーむ”をたっぷりとつける。こいつは、きっと、絶対に、うまい。
「……っ!」
「なんかすんげぇ嬉しそうな顔しているな。ヘタするとアミル以上じゃねぇか?」
「はは、女性はみんな甘いものが好きですからね」
おそらくというか確実に、とても人様には見せられないような緩み切った表情を
している。自分の体が歓喜で震え、意識していないのに笑ってしまっている。
この盗賊にそんな顔を見られていると思うとちょっとあれだが、今はそんなことは全く気にするつもりもなかった。
「おねーさん、口元クリームで汚れてますよ」
「…んむ、ありがとう」
シャリィちゃんが私の口元を拭ってくれた。なんだか立場が逆転してしまっているが、悪い気分じゃない。
「…ほら、お礼だ。シャリィちゃん、あーん」
「あーん♪」
“じゃむ”のたっぷりのったのをパクリと一口。シャリィちゃんはほっぺに両手をあてて、ふるふると喜びに震えた。うん、やっぱり可愛らしい。
「なぁマスター、これ“けーき”だけどいつものとなんか違くないか? よくわからねぇけど、そのものの深みが増したっていうか……」
「はは、正解です。今まで《ケーキ》の材料は既製品を使っていたのですが、これは僕の友人のところでできたやつを使っているんですよ。今度からはずっとそっちを使うので、今まで以上においしいものをお出しできます」
「友人っていうと、例のびわの? つーか、これ作物からできるのか」
「ええ。こないだ《コンポートゼリー》をお出しした日に学校の……ええと、僕の故郷のギルドみたいなもののメンバーといっしょに材料となるものを収穫したのですよ」
「ああ、あの疲れてた日か」
「そうですね。で、翌日に使えるように加工してたのです。なかなか大変でしたよ。おかげでそれに見合うだけの量と質は確保できましたが。……メープルシロップも使ってみては? つけるところなくなっちゃいますよ」
「おっと、いっけね!」
マスターの言葉で思い出す。私もまだ、“めーぷるしろっぷ”を使っていない。すっと手を伸ばして白い小瓶を取る。
「あ、じゃあ、今度はあたしが……」
シャリィちゃんがスプーンにいっぱいの“めーぷるしろっぷ”を“ぱんけーき”にかけてくれる。とろりと流れるコハク色のそれは、キツネ色の月の上に川を作り、やがて白い海へと流れていった。
これは、いったいどんな味がするのだろう。全く予想がつかない。
「はい、あーん♪」
「…あーん」
ちょっと恥ずかしかったが、それ以上に嬉しさが勝った。そして次の瞬間に、“めーぷるしろっぷ”の甘さが口の中にあふれ出た。
甘さだけを追求したかのようなそれは、形容しがたい風味と共に“ぱんけーき”に染みついて“じゃむ”とはまた違ったおいしさになる。どうして、マスターの作るものはこうも人をおどろかせることができるのか。
「マスター、あいつ、一応ただの店員だよな?」
「……ですね。まぁこの店自体は趣味でやっているのものですが……」
「たぶん、俺がアレやられたらまた酷い目にあうと思うんだ。きっと、ロリコンとか言われると思う」
「……あ、あはは」
「なにこの格差社会」
「…シャリィちゃん、また、といっていたが、あいつにもこうしたことが?」
「えーと、おにーさんは麻痺のときにお薬飲ませた位ですよ」
「…そうか」
勝った。ふふん。
そう思うと、こいつに対するもやもやも嘘のようにすっと消えていく。ふふ、私より常連だと聞いたが、所詮はその程度か。
なんだか、どうしようもないほどに気分がいい。口の端が持ち上がってしまうのは、“ぱんけーき”のためだけだろうか。こんなに晴れやかな気分なのは、初めてこの店を訪れたとき以来だろう。
「エルフさんよ、なんで俺をみて笑っているのかね」
「…ふふ、なんでもない。…そうだ、私のことは名前で呼べ。同じ店の常連同士なんだ、仲良くしよう、レイク?」
「なんか知らんが、エルフがフレンドリーになった!?」
はは、こいつ、意外と面白いやつじゃないか。集落にはこんな反応するやつなんていなかった。これだから、ここに来るのはやめられない。
ああもう、なんだか楽しくて楽しくてしょうがない。どうして、こうも気分がよくなるのだろう。ここ以外の場所で同じものを食べても、きっとこんな風にはならないはずだ。
「今日のおねーさん、なんだかご機嫌ですね」
「…シャリィちゃんに食べさせてもらったからだな。そうだ、たまには同じテーブルについて食べよう。いいだろう、マスター?」
「……まぁ、別にいいか。それでは、サービスでもう一皿作ってきます。ジャムも、別のやつ試してみます? じいさんが梅とびわのジャムを作っていたので」
「…ぜひたのむ。どっちも聞いたことのないものだ」
やった! とシャリィちゃんが私の隣に座る。レイクが嬉しそうに残った“ぱんけーき”をかきこむ。私は、シャリィちゃんの頭をなでながらこの空気の余韻に浸った。
どうしようもなく気分がいい。心がうきうきして、歌でも歌いたくなる。こんな時間がいつまでも、永遠に続けばいいのに。
終わりが来るからこそ、美しいものだと誰かが言っていたのを覚えているが、この場に限ってはそれは当てはまらないと思う。この空間でのひと時は、私にとってかけがえのないものだ。
未知のものを使った“じゃむ”。どんな味がするのだろう。甘いのか、酸っぱいのか。初めて恋を知った娘のように、心臓がトクトクと跳ねるのがわかる。
「…ふふっ♪」
今日はまだまだ、甘い夢が見れそうだ。
20150418 文法、形式を含めた改稿。
文章量は今までで一番かな?
エルフさんの職業は狩人。魔法も弓も使えます。
短杖で魔力の矢を作って弓で飛ばしたりもします。
あんまり使う機会はないと思うけど。