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【完結】桜吹雪レコード  作者: 山咲莉亜
桜吹雪レコード  ~失った日々をもう一度~

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63 蓮を見ていた桜は

 ◇


 担任の先生との二者面談が終わり、その後は中間テストが片付いたのもあって通常通りの授業に戻った。夏休みまでは学校行事も特になく、強いて言うなら七月上旬に行われる一学期期末テストと夏休み直前に行われる三者面談くらいかな。

 特に代わり映えしない日常を送っているけれど、当たり前の日々がどれだけ尊いものなのか、私はもう痛いほど分かっている。


「やーっと中間テストが終わったのに、今度は期末テストが目の前まで迫ってるとか地獄……」

「でも藍那、前回いつもより点数高かったよね」

「まあね! 海斗は教え方が上手だったからすごく助かった!」

「そう? じゃあまた教えてあげるよ。……と言っても、藍那も一応ランキングには入ってるんだから十分だと思うけどね」


 そう、海斗くんの言う通りなんだよね。進んで勉強をすることはないけれど、この学園は一応レベルが高いから入学できている時点で藍那も頭はいいってことになるんだよ。その上、私達ほどではないというだけで毎回ランキングにも名前が載っている。課題だけは後回しにするから、成績のためにもちゃんとやらせようと私達で頑張っているのだけど。

 それと、藍那の弱点は応用問題かな。基礎ができているからもうちょっと頭を柔軟に使えば余裕で解けるはずなのに、複雑だからと途中で諦めてしまっているのがもったいない。


「それはそうだけど……咲良も蓮も海斗も、みんな毎回一桁順位でしょ。『あの四人組で伊島さんだけ頭が悪いらしいよ~!』とか言われたら嫌じゃない?」


 なんだろう……妙にリアルだね。でも分かる、特に女子はこういうのが多いから。妬みや嫉みによる嫌がらせって、男子より女子の方がしつこいんだよ。しかも嫉妬している相手より下の人間に対しては見下して笑ってる。こういうのは海斗くんや蓮くんには分からない話かもしれない。でも分からない方がきっと幸せだよ。


「こいつ、ぜってえ褒めれば伸びるタイプだろ。お前らが褒めてやればいいんじゃね?」

「蓮は?」

「ん? 海斗お前、俺が伊島を褒めるとでも?」

「思わなくもない……けど、滅多にないな。蓮の賞賛の言葉って貴重だよね」


 たしかにね。蓮くんは傲岸不遜のくせに持ち前のカリスマ性で相殺する俺様系だから、あまり誰かを褒めている姿は見ないかもしれない。でも一度蓮くんが妹さんと一緒にいる姿を見たことがあるんだけど、妹さんには割と甘いタイプらしく、その時偶然聞こえた妹さんへのスマートな褒め言葉は今でも覚えている。それだけ衝撃的だったからね。

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