59 桜の目的は順調に
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私と藍那、海斗くんに蓮くんの四人でテスト勉強に明け暮れる一週間が終わり、先日無事にテストを受けることもできた。先生が採点するから返却も早く、昨日の朝登校した時にはもうランキングが貼り出されていたかな。
順位と点数が貼りだされるのは上位五十名のみで、今回も一位は僅か二点の失点で蓮くんだった。次いで五点落とした私、その他の生徒……と続く。大体私と蓮くんは交互に一位を取っているんだけど、今回はギリギリで負けてしまった。でも蓮くんとお母さんに教えてもらったおかげで英語の点数が良かったし、それならまあ及第点かなと思っている。
話は変わるけれど時間が過ぎるのは早いもので、気付けばもう六月に入ってしまっている。今日は通常の授業ではなく、代わりに担任の先生と生徒の二者面談がある。それも午前で終わるからお昼には下校。これは三年生限定で、三年生は夏休み直前に保護者を呼んで進路相談を兼ねた三者面談があるんだよね。だからその準備も兼ねて、事前に担任の先生と話をしておくことになっている。
順番は基本出席番号順なのだけど、今回は私が一番最後。こういうのって、話が長くなるであろう人は一番最後になるものでしょう? 最近の学園生活について、家での過ごし方、悩み相談、成績について、それから進路について。これらのことを話すんだけど、一人あたり約五分しか時間がない。それなのにも関わらず、最後私が話す時間だけ倍以上に設定されているのはそれだけ話すことがあるからなのでしょうね。だから……
「咲良だけ設定されてる時間長くない?」
「うん。たぶんだけど、私が県外出身だから三者面談を後日やり直す、なんてことにならないよう準備しておきたいんだと思うよ」
何度も県外から呼び出すのは大変でしょうし、と軽く笑いながら言うと納得したようなしていないような顔で頷かれた。もちろん嘘だよ。いや、それもあるかもしれないけど、三者面談をやり直さないといけないようなことは滅多にない。絶対に言われるだろうと思っていたから事前に返事を用意しておいただけ。
私の時間だけ長い一番の理由は、担任の橋本先生が私の事情を知っているから。こちらにも話したくない事情があるから、誤魔化すのは許してね。
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