57 桜のレコード、締めは明るく華やかに
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「……ということで、青団優勝だあああ!!」
それぞれ解団式を行うということで、私達青団は大きな円になるように集合した。まずは青団団長からのお言葉を……となったところで冒頭のセリフに繋がる。閉会宣言や集合などで少し時間が空いたからかみんな頭の整理ができたらしく、今度の団長の言葉には全員思い切り喜びの歓声を上げている。中には泣きながら抱き合う人もいるくらい。特に三年生の喜びようはすごいね。
でも気持ちは分かる。高校生活最後の体育祭で優勝できたんだから、私もすっごく嬉しい。
「団長として俺から言いたいことは一つ。こうして青団が優勝できたのは全員の力あってこそです。準備から練習、そして本番まで全力で頑張ってくれてありがとうございました! 俺も青団の団長として、すごくいい思い出になりました!」
「青団副団長です。こうして大人数をまとめ、団長と一緒に誰かを引っ張っていく立場となったのは初めてでしたが、たくさん支えてくださりありがとうございました!」
団長と副団長、それぞれの言葉に大きな拍手が巻き起こる。優勝チームだからか、気付けば周囲には学園長先生を始めに多くの先生も集まっていた。
「青団応援団長、結城蓮です。最初は団長なんてめんどくせえなと思っていましたが、練習を重ねるうちにこういうのも案外悪くないと思うようになりました。ありがたいことに青団は応援団も特別賞をいただきましたが、それは俺の意見に賛同してくれた彼らの力あってこそです。彼らの力無くして優勝はできなかったでしょう」
えっ……蓮くんが真面目に話してる。それも敬語で。大勢の前だし先生達もいるからだろうけど、少し鳥肌が立って隣にいる藍那の影に隠れるように身を寄せると、私の思考を読んだかのようなタイミングで一瞬蓮くんに笑顔を向けられた。あの笑み、恐ろしいよ。言いたいことが全部伝わってくる。
「こんな堅苦しい話し方をしてると怯えた顔で隠れる女がいるんで、もう敬語はやめるわ。青団優勝祝いで今日は焼き肉だ!」
「学園長先生の奢りだー!」
全員一斉に傍にいた学園長先生の方を見る。焼き肉だ、奢りだ、と食べる気満々の生徒達を見て先生は穏やかに笑っている。さすがはお金持ち学園の園長先生、いろんな意味で懐が深い。そしてそんな学園に通う蓮くんを始めとした良家の子息令嬢も、普通の学生のように焼き肉は好きなんだね。まあ聞いた話によると、それなりにお値段が張る三クラス分の人数でも入れるお店を貸し切っているそうだけど……
私も帰ったらお父さん達に帰りが遅くなると連絡しておこう。お父さんとお母さんも知人と飲みに行くって言ってたし、何も言われないと思うけど一応ね。今日は青団全員で打ち上げだ……!
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