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【完結】桜吹雪レコード  作者: 山咲莉亜
桜吹雪レコード  ~失った日々をもう一度~

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54/116

54 桜の言の葉揺らぐことなく

 下級生の子達が繋ぎ、私がパスしたバトンを受け取った藍那は面白いほどのスピードで前を走る二人との距離を詰めていく。かなり差が開いていたはずなのに異様なペースで迫ってくる足音が聞こえたのか、振り返った彼女達は驚きで目を見開いている。

 そんなことをしている間に前の二人を抜かした藍那は、私の予想よりも早く一位に躍り出た。途端に今までとは比べ物にならないほど歓喜の声が響き渡る。一番前に出てからもそのままのペースで走り続ける藍那と他の選手との差はどんどん広がっていく。さっきまでとは真逆の光景。


 残り約百メートルの直線。今そこを走るのは藍那だけ。誰一人として寄せ付けないスピードでゴールに迫った藍那は、腕を伸ばして人差し指を立て、一位を証明しながら一着のゴールテープを切った。


「────勝ったぞー!」


 最後の最後まで歓声を途絶えさせることなくゴールした彼女は、青団のテントの方に向かって勝利宣言をする。その言葉に、最高潮とも言えるレベルの歓声を一身に受け、私達の元へ戻ってきた。


 満足そうに笑う藍那や下級生の子達と勝利を噛み締めながら抱き合っていると、次々とゴールしていく選手の姿が目に入った。

 この勝利は同じチームで走った四人の下級生と声援を送ってくれる青団の仲間の力で繋がれ、私と藍那の連携、そして追い上げのすべてがあって飾られたもの。応援の声って、みんなが思うよりも選手にとって力になるものなんだよ。私はみんなの、そして何よりラストスパートで掛けてくれた藍那の声援に助けられた。有言実行。ここは私達青団全員の晴れ舞台だ……!


 男女ともに一位を飾り、推薦型競技で優勝した青団は全体でも一位になった。ただ、予想通り練習の時と同じく緑団がリレーで二位を取ってきたので、計算が間違っていなければ全体では緑団と青団が同率一位、黄団三位、赤団四位、そして白団五位となっている。

 後はもう運頼みのような感じ。団対抗の全競技が終わり、暫定一位でも最後までランキングが分からない緊張感を味わわせるために特別賞というものがあるからね。この学園の先生達はつくづく意地悪だと思う。だけどこういう行事はそれくらいの方が楽しめるのかもしれないね。少なくとも団対抗の競技のみなら優勝だった、という思い出はできるのだし。


 次はプログラム十二番、部活対抗リレー。これは団の得点に入らないから、今年で引退する三年生と下級生の思い出作りのようなものが主な目的だと思う。これにはバレー部で海斗くん、テニス部で日向くんが出場する。私の出場競技は終わってしまったから、みんなとゆっくり観戦でもしようかな。

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